エンコーダへ回転運動を伝達するために、何らかの機械的な結合手段が必要であり、方法としては、次のようなものがある。
エンコーダの軸にローラなどをつけて直接駆動する方法である。この場合、軸に過大な負荷がかからないようにする必要がある。 例えば図14に示すようにエンコーダをリンクアームに取付けて使用する方法がある。
図15に示すように段付ベルト(タイミングベルト)を使用した駆動方式であり、ベルトが段付であるためスリップがなく正確な伝達ができる。
また、ベルトが振動や衝撃を吸収してくれるためエンコーダに加わるショックが少ない。駆動軸に対しエンコーダの軸が多少ずれていても問題なく使用できる。 ただし、ベルトがゆるむと伝達が不正確になるため、ベルトがゆるまないようにテンションローラなどによるゆるみ止めが必要である。
加減速がやりやすく、すべりのない正確な伝達が可能であるが、かみ合い精度がでていないとエンコーダの軸に負荷がかかり破損の原因になる。 このため十分な精度保証ができない場合は採用しない方がよい。また、歯車の潤滑に使用するオイルがエンコーダにかからないような設置の必要がある。
図16に示すようにエンコーダを駆動軸と同軸にカップリングを用いて結合する方法である。
エンコーダと駆動軸を結合する場合、お互いの軸の芯ずれがあると、エンコーダの軸や軸受けに過大な負荷がかかり軸や軸受けを破損してしまう。 これを防止するために必ずフレキシブルカップリングを使用する必要がある。フレキシブルカップリングはわずかな取付けのずれしか吸収することができないため、 あまり取付けのずれが大きい状態で使用しているとフレキシブルカップリングを破損してしまうことがある。カップリングの種類により吸収できる芯ずれの量が異なるため、 使用するカップリングの特性を確認し、必ずその範囲内で取付ける必要がある。また、カップリングの種類により、回転伝達精度も異なるため必要精度によりカップリングを選択する必要がある。 一般に使用されているフレキシブルカップリングの種類と特徴は表3のとおりである。
エンコーダの出力信号はパルス信号であり、ノイズが重畳すると誤計数につながる。アブソリュート形の場合は誤計数があってもその後の計数には累積しないが、 インクリメンタル形の場合はそのまま累積してしまうため、ノイズ対策には十分配慮する必要がある。
配線上でノイズの誘導を受けないようにするための対策法を次に示す。
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