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静電容量形近接センサ(上手な使い方)

静電容量形近接センサ(上手な使い方)

1. 感度調整

単なる物体の有無検出であれば、感度調整機能は不要であるが、容器内の内容物検出あるいはタンク内のレベル検出をする場合など、 容器やタンクの壁のような本来検出する必要のないものによる感度アップを適正感度に調整するために、 静電容量形近接スイッチにとって必要不可欠の機能である。ただし、この感度調整は適切な扱いをしなければ不安定な感度設定となって誤動作するなどのトラブルの原因となる。 普通は検出体がない状態で動作する臨界の感度と、検出体がある状態で復帰する臨界の感度とのほぼ中間の感度に設定すれば適性の感度である。 ただし上記の2点の感度に所定以上の差がなければ、温度変化などに対して不安定であり誤動作の原因となる。

2. 故障原因とその対策

静電容量形近接スイッチは前述のとおり、水に対して高い感度を有するために、水中であるとか常時水がかかる場所では使用できないが、メンテナンス時の水洗いで水がかかることは十分考えられる。 ほとんどの製品が水に対しては、短時間の水洗い程度のIPコード(IP66)にはなっているが、できるかぎり水がかからないようにしたほうがよい。

水に対して通常は問題がなくても、メンテナンスなどで水洗いした後、検出面に近い個所で近接スイッチと取付具の間隙に水が残り感度に影響を与えるという例もあるので、検出面は取付具よりある程度突出すように取付ける方が良い。

3. 耐ノイズ・サージ

静電容量形近接スイッチは微小の静電容量変化を検出するため、電極の入力は高インピーダンスであり、他の近接スイッチより空間ノイズに弱い。 特性改善されて、EC指令に適合した機種もできているので、耐ノイズ・サージの環境が厳しい場合は、EC指令に適合した機種を使用する。

出典 : 社団法人 日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」 2001年7月

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一部誤記修正しています。