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測距反射形光電センサ(検出原理)

測距反射形光電センサ(検出原理)

測距反射形光電形近接スイッチは、拡散反射形と同様に、投光部と受光部を一体で持っている。拡散反射形との違いは次の点にある。 拡散反射形では、投光部からの光が検出体表面より反射し受光部に入る受光量の変化により検出するが測距反射形では、物体までの距離を測定することにより検出する。

距離の光学的測定方法には、いくつかの原理が存在するが、ここではオートフォーカスカメラに用いられている最も汎用的な光学的三角測距原理を図37にて説明する。 投光素子より出る光束は、投光レンズにより絞られ、検出面表面に照射される。そして拡散反射された光線の一部は受光レンズを通過して位置検出素子上にスポットを作るが、 図に示すように検出体が比較的近距離Aにある場合は、a点に、遠距離Bにある場合は、b点に、光スポットが作られる。したがって位置検出素子上のスポット位置を検出すれば、 物体までの距離が測定できることになる。

この他にも受光素子に2分割素子を用いた方式の測距反射形がある。位置検出素子の場合はスポット位置を電気的に求め、物体までの距離を測定するが、 2分割素子の場合はチップ上に隣接した2つの受光面の光量差で、スポットが2つの受光面のどちら側にあるかを求めることによって物体までの距離を判定する。 位置検出素子方式とは異なり、動作距離を電気的に可変できないが、比較的簡素な回路構成で、高精度で安定した検出特性を実現できる特徴がある。

市販されているこの方式の光電形近接スイッチには1個の受光部を配置したものと、より正しい測距機能となるよう2個の受光部を配置したものがあり、 投光部と合わせて3眼式とも呼ばれる。この3眼式では図38に示すように、位置検出素子(1)と(2)の測距信号を平均することにより、 投光スポット径の大きさによる測距誤差を少なくし、より正しい測距を可能としている。

これらの検出方式は、いずれも検出体からの反射光量にほとんど影響されずに測距検出ができる特性を有している。

出典 : 社団法人 日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」 2001年7月

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一部誤記修正しています。