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誘導形近接センサ(定義)

誘導形近接センサ(定義)

1. 定義

誘導形近接スイッチとは、半導体開閉素子を備え、検出領域内に磁界を発生させる近接スイッチのことであり、高周波発振回路に結合したコイルを検出素子とし、 検出体が接近あるいは、存在すると電磁誘導作用により、近接金属体内に誘導電流が流れ検出コイルのインダクタンスや損失の変化によって、発振回路定数が変化し、 発振振幅や発振周波数が変化するのを利用して検出する方式である。

現在実用化されている誘導形近接スイッチの大部分は、近接金属体により発振が停止または発振振幅が低下するのを利用して検出する方式である。

2. 特徴

誘導形近接スイッチの特徴は

  • (1) 一般に、金属のみを検出し、とりわけ磁性金属(鉄、ニッケル)に対する検出感度が高い。しかし、最近は非磁性金属に感度の高い誘導形近接スイッチも開発されている。
  • (2) 非金属材料(ガラス、プラスチック、セラミック、紙、木材など)は検出しない。
  • (3) 動作距離の精度が比較的高く、JIS規格では実効動作距離は定格動作距離値の±10%以内と定義している。
  • (4) 動作サイクル周波数が速い。
  • (5) 検出時に、吸引力、または反発力といった力はほとんど働かない。
  • (6) 小形のものが製作できる。
  • (7) 耐環境性に優れたものが製作できる。
  • (8) 比較的、安価である。

などである。

出典 : 社団法人 日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」 2001年7月

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