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センサの上手な使い方

4. センサと他の機器との接続

(1) はじめに

センサの出力には前項(3.出力)のような種類があり、直接あるいはリレーを介してソレノイド、モータの駆動、カウンタ、PLCの入力に使用されている。センサと他の機器との接続で信号を正しく伝えるためには、 電源の種類、電流・電圧仕様が入出力間で整合している必要がある。ここではPLC、カウンタなどとの代表的な接続とその留意点について述べる。

(2) 接点出力形センサとPLCの接続

PLCの入力モジュールとしてAC、DC入力モジュール両方の使用が可能であるが、入力モジュールからの電流が10mA以下に抑えられているため接触信頼性を検討しておく必要がある。 この対策として、入力モジュールに並列にダミー抵抗をつなぎ接点に流す電流を多くする、あるいは微小電流用の接点を持つセンサを使用する方法がある。(図15参照)

<図15 接点出力の接続>

(3) 直流開閉形マイナスコモン出力形のセンサの接続

センサの最大出力電流(シンク電流)がPLC入力モジュールのオン電流以上であることを確認する。電圧出力形センサの場合はセンサ電源への電流の流れこみによる誤動作を防ぐために、センサ電源と入力モジュールの電源を同じ電圧で使うことに留意する必要がある。(図16参照)

<図16 直流開閉形マイナスコモン出力の接続>

(4) 直流(交流)2線式センサの接続

センサオフ時のオフ状態電流(漏れ電流)がPLC入力モジュールのオフ電流以下であること、また電源電圧からセンサオン時の残留電圧を引いた値がPLC 入力モジュールの入力オン電圧よりも大きいことを確認する。 センサオフ時のオフ状態電流がPLC入力モジュールのオフ電流以上の場合は入力モジュールに並列にブリーダ抵抗をつないで、PLC入力モジュールに流れる電流を少なくすればよい。 ネオンランプ付きまたは発光ダイオード付きのリミットスイッチなどを使う場合も、同様の配慮が必要である。(図17参照)

<図17 2線式センサの接続>

(5) センサとカウンタの接続

カウンタには無電圧入力形と電圧入力形がある。電圧入力形の場合は、電圧出力形のセンサを使用し「H」「L」レベルの整合を確認する。無電圧入力形の場合は直流開閉形マイナスコモン出力 または接点出力形と組合わせて使用する。接点出力形との組合わせでは、カウンタから流出する数mAの電流を確実に開閉できる性能をもつことを確認する。(図18参照)

<図18 カウンタとの接続>

(6) センサと誘導性負荷との接続

誘導性負荷(マグネット、リレー、ソレノイド)を開閉した場合、遮断時に数kVの逆起電圧が発生する。このため無接点出力形では出力素子の破壊、 接点出力形では接点表面の荒れによる接触不良が発生することがある。この対策として、誘導性負荷に並列になるべく負荷に近い所で逆起吸収素子 (CR、バリスタ、または直流の場合はダイオード)を付ける。(図19参照)

<図19 誘導負荷との接続>

(7) 端子及びリード線色

近接スイッチに関しては端子及びリード線色がJIS C 8201-5-2で規格化されており、これに従って配線する必要がある。

出典 : 社団法人 日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」 2001年7月

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