図1に示すように一つのケース内に誘導形近接スイッチの動作に必要な、すべての回路を収容したもので、外部より電源を供給してやれば、他の機器を制御可能な出力信号を得ることができる。
この形式の誘導形近接スイッチは
などの特徴を持ち、現在使用されている誘導形近接スイッチの大部分が、このアンプ内蔵形である。(当サイトにて掲載している誘導形近接センサはアンプ内蔵形である。)
検出に必要な機能を2ヶ以上に分離して構成した誘導形近接スイッチである。図2に示すように検出コイル、または検出コイルと発振回路の一部より構成された「センサ部」と、検出に必要な制御回路をまとめた「アンプ部」より成る。
検出コイルと発振回路が離れているため、途中のリード線よりノイズを拾いやすく、またリード線の持つインピーダンスのため検出能力が低下する。 これらの影響のため、センサ部よりアンプ部までの距離は一般に数m以内に制限されることが多い。
また検出コイルと発振回路が別製品になるため、検出感度の調整は現場合わせとなり、調整が不確実になる可能性がある。
誘導形近接スイッチが開発された当初は、このアンプ分離形が多かったが、前記の欠点のため次第にアンプ内蔵形に置き換わり、現在では超小形や特殊な形状のもの、高精度タイプ、100℃以上の高温度域、-40℃以下など特殊な環境に対応する用途に使用されている。
誘導形近接スイッチの代表的な形状と、その用途を表1に示す。
どの形状の近接スイッチを使用するかは、検出体の大きさ、検出場所、取付方法などをよく検討し最適の形状を選択すべきである。
形状は、JIS規格で規格化された形状もある。
出力形式により以下のように分類される。
検出面の平面周囲に感応物質を置いても特性に影響を受けない構造のものを埋込み形近接スイッチと言う。(弊社ではシールド形と呼んでいる。)
近接スイッチのケースが金属で作られているものが大部分であるが、樹脂ケースで作られているものもある。
特性を維持するため検出面の周囲にフリーゾーン(感応物質がない空間)が必要なものを非埋込み形近接スイッチと言う。(弊社では非シールド形と呼んでいる。)
近接スイッチのケースが金属で作られていても検出コイルの周囲は非金属材料で作られている構造が特徴である。
非埋込み形は、同寸法の埋込み形より検出距離が長いが、反面周囲金属の影響を受けやすい。
このため検出コイル部分は周囲の金属の影響を受けないようにフリーゾーンをもうけて取付ける必要がある。
検出体がない時に出力開閉素子がオフし、検出体を検出した時に出力開閉素子がオンするタイプを言う。(弊社ではNOと呼んでいる。)
検出体がない時に出力開閉素子がオンし、検出体を検出した時に出力開閉素子がオフするタイプを言う。(弊社ではNCと呼んでいる。)