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磁気形近接センサ(上手な使い方)

磁気形近接センサ(上手な使い方)

磁気形近接スイッチを誤動作なく、確実に動作させるためには規定された使用の範囲内で上手に使用することが必要である。 ここでは磁気形近接スイッチのうち、リードスイッチ形を主体に使用上注意すべき一般的事項について述べる。

(1) 動作方法

分離形の動作方法において、図28の(b)、(c)に示すように磁石の移動方向にそって2回、あるいは3回動作する場合がある。 したがって、動作領域を考慮に入れて使用する。

(2) 接点出力

リードスイッチの構造については、動作原理の項で説明してあるが、不活性ガスが封入されているものの、接点ギャップは狭く、接触圧もメカニカルなリレーに比べて小さい。 したがって、定格内の負荷の使用にあたっても、接点の保護や衝撃に注意する必要がある。

(3) 磁気吸引力

永久磁石を使用するため、磁気形近接スイッチでは何らかの磁気吸引力が発生する。鉄粉や切粉のある場所で使用するとそれらが付着し、 動作距離が変化することがあるので、事前に取付場所の検討、または付着防止カバーなどによる保護を検討する必要がある。

(4) 外部磁界の影響

外部より強い磁界の影響を受けると、永久磁石の磁気特性が変化し、動作距離が変化したり誤動作の原因となる。 このため、磁気シールドを実施して外部磁界の影響をなくす必要がある。

(5) 接点の寿命

出力に接点のある磁気形近接スイッチは寿命があるので開閉頻度を確認する。

以上、磁気形近接スイッチを使用する場合の上手な使い方について述べたが、応用上の特殊な事項や不明点については製造業者に確認することが大切である。

出典 : 社団法人 日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」 2001年7月

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