標準検出体を検出体とし、光電形近接スイッチからの距離に応じた受光部の余裕利得が、どのような特性になるかを表わし、光電形近接スイッチのもっとも基本的なもので、 動作距離、受光信号の余裕度の目安となる。
余裕利得のカーブから、検出体の背景の影響、応差の距離(検出体が接近したときの動作点と検出体が離れて行くときの復帰点の間の距離)なども推測できる。 動作レベル近傍の勾配が急峻なものほど応差が少なく、背景の影響も除去しやすい。
図25の2眼式の場合、光電形近接スイッチの直近にて、受光出力が低減し、不感域をもつものがあるので注意を要す。
感度調整機能を有するものでは、最大感度状態の特性を表わすのが一般的である。
図26のように、標準検出体を光軸に対して垂直方向に移動させたとき光電形近接スイッチが動作する点を測定し、動作距離を変化させ、同様に動作位置を測定して、つぎ合わせた軌跡が、この特性である。 検出体の移動方向が逆の場合には図26の破線のように、光軸に対して、対称となるのが一般的である。
検出光束が細い狭視界形の場合は、曲線で挟まれた領域が細長く、広視界形のものは幅広くなる。この特性は、検出体の大きさ、種類により大きく変化する。
検出体の大きさ(面積)が変化したとき、検出可能な距離がどのように変化するかを表わす特性である。(図27参照)
一般に、標準検出体と同材質のもので、正方形の面積を変化させ、動作距離を測定する。
この特性の飽和から、光電形近接スイッチの有効光束の広がり(指向角にあたる)が推測される。少ない面積で飽和すれば、 狭い指向角(細ビーム)、飽和しなければ広い指向角をもっている。
光電形近接スイッチを並列に設置する場合に、検出体表面や背景物体により、他方の光電形近接スイッチによる反射光が入光し、 動作を不安定にすることがある。これが相互干渉である。(図28参照)
一般には、光電形近接スイッチを並行に設置し、その間隔に対して、検出体がいくらの距離にきたとき不安定になるかを測定し、表わしたものである。
拡散反射形の光電形近接スイッチは、検出体表面での拡散反射光を検出するため、検出体の材質(正確には表面状態)により、動作距離が変化する。
黒いものより白いものが、光沢の無いものよりあるものが長い距離、検出できる。
図29は面積を一定としたときの一例である。
図30のように、光電形近接スイッチの光軸と検出体表面が垂直のときを0°とし、検出体の角度変化に対する動作距離の特性を表わす。
白画用紙のように、表面が無光沢のものは、拡散反射に近いため、角度変化による動作距離の変化は、比較的少なく、逆に光沢のある物体は、正反射に近いため、大きく変化する(図31参照)。 これを、実際の検出時に応用し、検出面に対して、角度をつけて設置することで、光沢面と無光沢面の判別も可能である。