サブシステムとは

サブシステムとは、安全関連部の特性に応じた機能的なかたまりを指します。このサブシステムという考え方を用いたPL評価はISO 13849-1:2015で示されており、サブシステムごとに評価したPFHDというパラメータの値を足し合わせることで安全関連部のPLを求めることができます。

サブシステムの評価には、カテゴリ、MTTFD、DCavgの3つのパラメータ、およびそれらを組合せたPFHDというパラメータを用います。それぞれのパラメータに関する信頼性データは、機器を提供している制御機器メーカより得ることができます。独立したサブシステムの場合は、これらのデータとともにPL評価の値が与えられています。

オムロンのセーフティコンポーネントの分類

独立したサブシステムの信頼性評価

独立したサブシステムとは、安全関連部のPLの評価手順で述べたとおり、それ単体でPL評価の値をもつ機器を指します。代表的な機器としては、セーフティライトカーテンやセーフティコントローラなどが挙げられます。これらは内部のハードウェアの構造が指定構造によって構成されているほか、機器自体の信頼性が既に評価されていることから、制御機器メーカよりPLやPFHDなどの信頼性データが提供されています。

サブシステムとは

この独立したサブシステムが安全関連部に含まれる場合は、単体部品(ブロック)で構成されたサブシステムにおけるPFHDの評価結果と、独立したサブシステムのPFHDを足し合わせることで、安全関連部全体のPFHDを求めます。PFHDが提供されていない場合は、前述の通りカテゴリ、MTTFD、DCavgをもとにPFHDに変換します。

複雑な電子回路をもつ安全機器のなかには、Safety Integrity Level (SIL)という値が公表されているものがあります。SILの評価値をもつ機器は機能安全の規格であるIEC 62061やIEC 61508で評価された機器であり、PFHDの値によってレベルが分かれています。このことから、SILの評価値をもつ部品であってもPFHDを用いることによりPL評価が可能といえます。

なお、PLとSILは以下のように対応しています。

PL SIL
a
b 1
c 1
d 2
e 3

* IEC 61508-1/継続運転モードによる評価
(JIS B 9705-1:2019、表3よりオムロン編)

注. 安全関連部のPL評価の際には、上の表に基づくSILからの単純な変換のみではなく、ISO 13849-1の様々な要求事項を満たしていることの確認が必要です。またSILにはハードウェアの構造によってはSIL付与限界と呼ばれる制限があり、必ずしもPFHDの大小と連動しない場合があります。

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