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セーフティソリューション

  • パフォーマンスレベル(ISO 13849-1)
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DC (Diagnostic Coverage)とDCavg

DCの概念

DCとは「診断範囲」の意味で、安全関連部の危険側故障の検出の有効性を表すパラメータを指します。DCavgは安全関連部またはサブシステム全体を通じたDCの平均値のことです。

安全関連部の故障には安全側故障と危険側故障があります。安全側故障は安全関連部がその機能を果たしているため、適切な使用方法においてその故障が発生したのであれば問題はありません。危険側故障の場合には、それを検出する機能(診断機能)とそれに対して「有効な方策が打てるか」それとも「不可能」かということが重要になります。DCはこの危険側故障を検出し、有効な対策を打てる可能性(%)を示すパラメータです。

DCの概念

安全関連部に求められるDCは、その安全関連部の構造を示す安全カテゴリによっても異なります。雨風を防ぐ建物でたとえると、テントならば年に一度使う前に修繕をしておけば困ることはありませんが、毎日の生活を送る木造住宅となると、シロアリや雨漏りといった不具合があった時にはすぐに処置しておかないと困ったことになります。オフィスビルとなると、定期的なメンテナンスによって不具合の予兆をつかんで事前に手を打っておかないと大きな災害にもつながりかねません。このように、求められる診断のレベルもその構造に適したものでなければなりません。

DCの概念

単体部品(ブロック)のDC

単体部品(スイッチやコンタクタなど)はそれ自体に故障検知などの診断機能を備えていません。そのためこれらの機器の状態は、セーフティコントローラなどの他の機器の故障診断機能によってモニタされている場合がほとんどです。このことから、単体部品においてどのような故障診断が為されているかはコントローラ側の診断機能と照らし合わせて装置設計者が判断する必要があります。

単体部品(ブロック)のDCは、その部品の故障を診断どのような機能で実現しているかをISO 13849-1 附属書Eの表E.1から選んで割り付けます。

単体部品へのDC適用例

ISO 13849-1 附属書Eの表E.1に基づく単体部品(ブロック)のDCは以下のように考えることができます。

部品 DC (%) 附属書E該当項目 一般的な回路構成手法の例
二つのスイッチの組み合わせ 99 もっともらしさ(プラウザビリティ)チェック(入力装置) ・少なくともどちらかひとつは直接開路動作機構を備えている
・二つのスイッチが(ガードを介して)機械的に結合している
・セーフティコントローラによってチャンネル間のクロスモニタリングがされている*
・ISO 14119(ガードに連動するインタロック装置)の要求事項に別途適合している
リレー 99 直接監視(論理)
ー機械的結合接点要素による電気機械装置の監視
・強制ガイド接点機構を備えている
・セーフティコントローラにフィードバックされモニタされている
コンタクタ 99 直接監視(出力装置)
ー機械的結合接点要素による電気機械装置の監視
・ミラーコンタクトを備えている
・セーフティコントローラにフィードバックされモニタされている

*コントローラによって診断機能は異なるため与えられるDCも異なる可能性があります。詳細は制御機器メーカにお問い合わせください。

独立したサブシステムのDCavg

セーフティコントローラなどの独立したサブシステムの場合、そのサブシステムがもつDCavgの値は制御機器メーカによって提供されています。

DCavg

安全関連部またはサブシステムのDCavgは、関連する部品のすべてのDCの値を以下の式に当てはめて平均化することで求められます。

DCavg

DCavgを求める際には、それぞれの部品におけるMTTFDの値を用います。これは、MTTFDの小さな(信頼性の低い)部品ほどDCavgに大きな影響を与えることを意味します。この考え方を図に示すと、下図のようになります。

DCavg