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セーフティソリューション

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安全カテゴリ(Category)

安全カテゴリ(Category)の概念

安全カテゴリとは、安全関連部の構造(アーキテクチャ)を表す概念です。

安全関連部は、機械の安全を確保するという目的は同じでも、機械の目的や危険の度合い、機械の規模、使われる頻度などによって適切な構造(アーキテクチャ)が異なります。

たとえて言えば、「雨風を防げる空間」を考えたとき、テント、木造の住宅、オフィスビルなど目的に応じて建物にもさまざまに違いがあり、基礎や骨組み、外壁や屋根など基本的な構造も異なるのと同様です。安全関連部におけるこのような基本的な構造のパターンは指定構造と呼ばれ、その構造(アーキテクチャ)は各安全カテゴリの基本形になっています。安全カテゴリはこの構造に対する要件のほか、安全関連部における危険側故障確率についても個々に要件が定められています。

安全カテゴリ(Category)

安全カテゴリ(Category)の要件

安全カテゴリB、安全カテゴリ1に適用される指定構造
安全カテゴリB、安全カテゴリ1に適用される指定構造
安全カテゴリB 要求事項の概要

安全カテゴリBの安全関連部に求められることは、目的とする安全機能が遂行できることです。

それには、下記に示すような意図した使用条件に耐えられるような設計が求められます。

  • 接点の遮断容量や開閉頻度など、機器の動作に関する予期されるストレス
  • 薬品による腐食など、使用する材料に関する影響
  • 機械的振動、電磁的ノイズ、制御電源回路の中断や変動などのその他の要因

これらを満たすためには基本安全原則に従うほか、用途に合った規格に適合した部品を選択した上でその適合規格の要求事項に従って外部影響への対策を実施する事が必要です。

安全カテゴリBは単一チャンネル系であるため、故障の発生により安全機能は損なわれます。

安全カテゴリ1 要求事項の概要

安全カテゴリ1の安全関連部に求められることは、安全機能が遂行できることに加えてその信頼性が高いことです。

そのためには安全関連部の構造は、カテゴリBの要求事項に加えて以下を適用することが必要です。

  • "十分吟味された"部品の使用
  • "十分吟味された"安全原則の使用

このうち"十分吟味された"部品とは、次のいずれかです。

  • a)過去類似の用途において幅広く使用されて実績のあるもの
  • b)安全性関連用途での使用に適合し信頼性が検証されているもの

ただし、複雑な電子部品で構成された一般PLCなどの部品は"十分吟味された"部品とはみなせません。

安全カテゴリ1は安全カテゴリBと同じく単一チャンネル系であるため、故障の発生により安全機能は損なわれます。

安全カテゴリ2に適用される指定構造
安全カテゴリ2に適用される指定構造
安全カテゴリ2 要求事項の概要

安全カテゴリ2の安全関連部に求められることは、危険側故障が生じて安全機能が損なわれた場合には補足的な点検機能によってこれを補えることです。そのためには、安全カテゴリBの要求事項に加えて"十分吟味された"安全原則を用いて設計および組立てられること、そして機械の制御システムの持つ点検機能が、適切な間隔で安全機能を点検することが必要です。

点検機能は点検機器(TE)とその出力機器(OTE)で構成されます。安全機能の点検には以下が求められます。

  • 点検は次のタイミングで実施されること
    ー機械の起動時
    ー危険状態が発生する前(たとえば新しいサイクルの開始や必要な場合は動作中定期的に)
  • 点検の結果
    ー故障が検出されない場合は運転を許可すること
    ー故障が検出された場合、出力によって安全側に働く適切な制御出力を出すこと。これができない場合(例えばコンタクタの溶着による危険側故障)は警告を発すること。また故障が取り除かれるまでその状態を維持すること。
  • チェック自体によって危険状態が生じないこと(たとえば安全機能の応答時間の増大など)

安全カテゴリ2はI-L-Oの制御機能に加えて点検機能を持つことから冗長系として扱われますが、点検と点検の間の故障により安全機能は損なわれます。

安全カテゴリ3に適用される指定構造
安全カテゴリ3に適用される指定構造
安全カテゴリ3 要求事項の概要

安全カテゴリ3の安全関連部に求められることは、安全機能のある一部に故障が生じても、全体として安全機能は損なわれないことです。そのためには、安全カテゴリBの要求事項に加えて"十分吟味された"安全原則を用いて設計および組立てられること、安全機能の中に故障の検出手段を持ち、合理的に実施可能な場合、故障は安全機能の次の動作要求時かそれ以前に故障を検出することが必要です。

安全カテゴリ3は2チャンネルの冗長化された構造を持ち、チャンネル間で相互監視することによりその安全性を確保しています。

単一の故障に対しては安全機能は損なわれませんが、検出できない故障の累積により安全機能が損なわれることがあります。

安全カテゴリ4に適用される指定構造
安全カテゴリ4に適用される指定構造
安全カテゴリ4 要求事項の概要

安全カテゴリ4の安全関連部に求められることは、安全機能にある程度の故障の累積が生じても、安全機能は損なわれないことです。そのためには、安全カテゴリBの要求事項に加えて"十分吟味された"安全原則を用いて設計および組立てられること、安全機能の中に故障の検出手段を持ち、安全機能の次の動作要求時かそれ以前に故障を検出することが必要です。

安全カテゴリ4は安全カテゴリ3と同様に2チャンネルの冗長化された構造を持ち、チャンネル間で相互監視することによりその安全性を確保しています。

故障の検出能力は安全カテゴリ3よりも高く、単一の故障に加え故障の累積に関しても安全機能が損なわれる確率は極めて低いといえます。