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セーフティソリューション

  • リスクアセスメント(ISO 12100)
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リスクアセスメントの手順

機械のリスクに対応するには、その機械の耐用期間の各段階(ライフサイクル)全体を通じて対処する必要があります。そのために、設計者が系統だった方法で機械から生じる危険をチェックし、適切な安全方策を選択する手法として、ISO 12100: 2010が利用できます。ここでは、この規格の5章に記載されている一連の論理的なステップであるリスクアセスメントを解説します。

以下で示す5つの手順で、機械の安全化がはかれます。この、リスクアセスメントのプロセスで使用した文書類は安全の妥当性を示す文書となりますので保存する必要があります。

ISO 12100に基づく設計手順

手順1 機械の使用状況範囲の決定

『機械の使用状況範囲の決定』とは、リスクアセスメントを行うにあたり下記のような項目を考慮することです。

  • 機械耐用期間の各段階に対する要求事項。
  • 機械の意図する使い方と動作、および合理的に予見可能な誤使用と誤動作を含めて機械の限界を決定する。
  • オペレータの性別、年齢別、使用する利き腕または身体能力(例えば視覚・聴覚障害、寸法、強さなど)などの制限により機械の使用状況の範囲を決定する。
  • 予想される使用者の訓練、経験、能力の度合い。
  • 人間が機械の危険にさらされる可能性。
  • 合理的に予見可能な機械の危険が発生した場合、人間が機械の危険にさらされる可能性。

手順2 危険の同定

機械に付随するすべての危険な状態および危険事象を確認することをいいます。例えば、機械的危険(切断、巻き込み、押しつぶしなど)、電気的危険(充電部接触、静電気現象など)、熱的危険(高温部接触、高低温作業環境からくる健康障害)など、機械から発生する危険を予測することです。危険を明確化する方法には以下の手法が含まれます。

  • チェックリスト
  • HAZOP(ハザード&オペラビリティー調査)
  • FMEA(故障モード影響解析)
  • FTA(障害ツリー分析)
  • 「What if」手法

手順3 リスクの見積り

機械の危険な状態および危険事象を確認後、リスク要素を決定し、『起こりうる危害の程度』と『その確率』から危険の推定を行います。これにはそれぞれの危険源(恒久的な危険源のほかに予期せず顕在化する危険源も含みます)に対して可能な限り定量的にリスクを見積ります。

手順4 リスクの評価

リスクの見積りを行った後、そのリスクを評価し、リスク低減が必要か否かを決定します。

リスク低減が必要な場合、手順5で示す本質安全設計、安全防護や付加保護方策といった方策を実施します。

手順5 リスクの低減

以下のような方法でリスクを低減します。
詳しくは次項「リスク低減方策」で説明します。

  • できる限り危険への露出を除去または削減する。
  • 「危険にさらされる」確率と「危害の」重大度を下げる。
  • 防護装置および安全装置を使用する。
  • 安全方策の性能と機能特性が機械とその使用に適切であることを判断する。

最終的に機械のリスクが許容可能なレベルになるよう、手順1から手順5のプロセスを繰り返します。