CQM1/CQM1HからCJ2Mへの置き換え
置き換えに必要なソフトウェア/ケーブル、機種選定、命令語一覧などを、手順に沿ってご案内します。
特に気になる7つのポイントをピックアップ
1 作業フロー
事前準備から実際の作業までの全体像をチェック
2 システム構成
機種選定の前に現在と置き換えた後のシステム構成をチェック
3 必要なサポートソフトとツールケーブル
プログラム変換に必要なサポートソフトとPLCとパソコンをつなぐケーブルをチェック
4 置き換え機種の選定
既存システムの形式から推奨の置き換え形式をチェック
5 外形寸法
外形寸法の違いをチェック
6 ラダープログラム変換方法
サポートツールでのプログラム変換方法をチェック
7 置き換えの留意点
チャネル割付の相違点をチェック
CQM1H/CJ2M システム構成比較
CQM1H シリーズからCJ2M シリーズへ移行時の各ユニットの対応機種を示します。
なお機能的にはほぼ包含できますが、使い方、外部接続方法、入出力性能などの詳細仕様は異なっている
場合があります。必ず置き換え前後のユーザーズマニュアルを参照し置き換え可能であることを確認してください。
◆電源ユニット
※左右にスクロールしてご覧ください。
ユニット | 形CQM1H(置換元) | 形CJ2M(置換先) |
---|---|---|
AC 電源ユニット | CQM1-PA203 AC100~240V, 50/60Hz、 出力容量18W、サービス電源なし |
CJ1W-PA202 AC100~240V, 50/60Hz、 出力容量14W、サービス電源なし |
AC 電源ユニット | CQM1-PA206 AC100~240V, 50/60Hz、 出力容量30W、サービス電源DC24V/0.5A |
CJ1W-PA205R AC100~240V, 50/60Hz、 出力容量25W、サービス電源なし、運転中出力付き |
DC 電源ユニット | CQM1-PD026 DC24V、出力容量30W |
CJ1W-PD025 DC24V、出力容量25W |
◆INNER ボード
※左右にスクロールしてご覧ください。
ユニット | 形CQM1H(置換元) | 形CJ2M(置換先) |
---|---|---|
高速カウンタ ボード |
CQM1H-CTB41 チャネル数:4ch |
CJ1W-CT021 x 2 台 チャネル数:2ch |
パルス入出力 ボード |
CQM1H-PLB21 パルス入力:2 点、パルス出力:2 点 |
CJ2M-MD211(シンクタイプ)/ CJ2M-MD212(ソースタイプ) * 高速カウンタ(パルス入力):2 点、パルス出力:2 点 |
ABS インタフェース ボード |
CQM1H-ABB21 ABS エンコーダ(グレイ2 進コード)入力:2 点 |
なし (ABS エンコーダ入力部:再設計) |
アナログ設定ボリューム ボード |
CQM1H-AVB41 アナログ設定ボリューム:4 点 |
なし (アナログI/F 部:再設計) |
アナログ入出力 ボード |
CQM1H-MAB42 アナログ入力:4 点, アナログ出力:2 点 |
CJ1W-MAD42 アナログ入力:4 点, アナログ出力:2 点 |
シリアルコミュニケーション ボード |
CQM1H-SCB41 RS-232C x1port + RS-422A/485 x1port |
CJ1W-SCU41-V1 RS-232C x1port + RS-422A/485 x1port |
* CJ2M CPU ユニットVer.2.0 以降装着可能
必要なサポートソフトとツールケーブル
サポートソフト
CX-One(CXONE-AL□□D-V4)のCX-Programmer
ツールケーブル
CQM1Hとの接続ケーブル
CQM1との接続ケーブル
CJ2との接続ケーブル
外形寸法
CJ2
システムでの外形寸法
電源ユニット 形CJ1W-PA202(AC電源14W)使用時のシステム幅W(mm)の例
31mm幅の ユニットの 接続台数 |
システム幅W(mm) | |
---|---|---|
形CJ2M-CPU3□ 使用時 |
形CJ2M-CPU1□ 使用時 |
|
1台 | 152.7 | 121.7 |
2台 | 183.7 | 152.7 |
3台 | 214.7 | 183.7 |
4台 | 245.7 | 214.7 |
5台 | 276.7 | 245.7 |
6台 | 307.7 | 276.7 |
7台 | 338.7 | 307.7 |
8台 | 369.7 | 338.7 |
9台 | 400.7 | 369.7 |
10台 | 431.7 | 400.7 |
電源ユニット、CPUユニット、エンドカバー
ユニット名 | 形式 | ユニット幅 |
---|---|---|
電源ユニット | 形CJ1W-PA205C | 80 |
形CJ1W-PA205R | 80 | |
形CJ1W-PA202 | 45 | |
形CJ1W-PD025 | 60 | |
形CJ1W-PD022 | 27 | |
CPUユニット | 形CJ2M-CPU3□ | 62 |
形CJ2M-CPU1□ | 31 | |
エンドカバー | 形CJ1W-TER01 | 14.7 |
CQM1
入出力ユニットを4個接続した場合の寸法例
電源ユニット形式 | 幅(W) |
---|---|
形CQM1-PA203使用時 | 315 |
形CQM1-PA206使用時 | 347 |
形CQM1-PA216使用時 | |
形CQM1-PD026使用時 |
電源ユニット、CPUユニット、エンドカバー
ユニット名 | 形式 | ユニット幅 |
---|---|---|
電源ユニット | 形CQM1-PA203 | 53.5 |
形CQM1-PA206/PA216/PD026 | 85.5 | |
CPUユニット | 形CQM1-CPU□1(-V1) | 120 |
形CQM1-CPU4□-V1 | ||
エンドカバー | (CPUユニット同梱) | 13.5 |
CQM1H
入出力ユニットや特殊I/O ユニットの合計ユニット数がn ユニットの場合の寸法
幅(W) mm | ||
---|---|---|
電源ユニット形式 | CPU 装置のみの構成 (0≦n≦11) |
I/O 増設装置を接続する場合の構成 (0≦n≦5) |
形CQM1-PA203 使用時 | 32×n+187 | 32×n+219 |
形CQM1-PA206 使用時 | 32×n+219 | 32×n+251 |
形CQM1-PA216 使用時 | ||
形CQM1-PD026 使用時 |
注:形CQM1H-CPU21/31/51/61 すべて:n≦11
電源ユニット、CPUユニット、エンドカバー
ユニット名 | 形式 | ユニット幅 |
---|---|---|
電源ユニット | 形CQM1-PA203 | 53.5 |
形CQM1-PA206/PA216/PD026 | 85.5 | |
CPUユニット | 形CQM1H-CPU61/51 | 120 |
形CQM1H-CPU21/11 | ||
エンドカバー | (CPUユニット同梱) | 13.5 |
◆CQM1H 用ラダープログラムの読み込み
・SSS データ
メニューの[ファイル]-[開く]より、ファイルの種類を“SSS ラダープログラム(*.SP1)”に設定し、SSSで作成されたCQM1H 用ラダープログラムを読み込みます。
「開く」を押下するとCQM1 のCPU 形式を設定するダイアログが表示されますので、使用しているCPU 形式(CQM1H の場合はCQM1 として見た場合に該当する形式)を設定します。
・CX-Programmer データ
メニューの[ファイル]-[開く]より、ファイルの種類を“CX-Programmer プロジェクトファイル(*.cxp)”に設定し、CX-Programmer で作成されたCQM1H 用ラダープログラムを読み込みます。
◆CQM1H→CJ2M への機種変更
下記、「新規PLC1[CQM1H]オフライン」にフォーカスが当たっている状態で、右クリック - [変更]、もしくはダブルクリックにより、PLC 機種変更を行います。PLC 機種に変換先のCPU 形式を設定してください。
このとき、命令語の変換できない内容によっては、エラーレポートが表示されることがあります。
そのエラーレポート内容をもとに、サポートソフトによる機能、もしくは手直しにより修正し、プログラムチェックを実施してください。プログラムチェックを実施した際にエラーレポートが表示された場合は、その内容をもとに修正を行ってください。
◆プログラムのチェック
CQM1H シリーズからCJ2M シリーズ用に変換されたラダープログラムに問題がないかをチェックします。
■プログラムチェックの概要
プログラムチェックには、CX-Programmer が自動的に行うものと、ユーザが行うものの2 種類があります。
PLC 機種変換時に自動的に行われるチェック内容は次の通りです。
●自動的に行われるプログラムチェック
プログラムチェックのタイミング | チェック内容 |
---|---|
PLC 機種変換時 | C、CV のサポート機種、サポートPLC 機種ごとのチェック、 変換元および変換後の全命令、全オペランドで確認 |
チェック結果は、アウトプットウィンドウの「コンパイル(プログラムチェック)」タブに表示されます。
また、ラダーセクションウィンドウ上では、エラーが含まれる回路については、左母線が赤色で表示されます。
●ユーザによるプログラムチェック
ここでは、プログラムチェックの実行方法、結果の表示例、およびエラーの表示レベルについて簡単に説明します。
<1 つのプログラム(タスク)に対するプログラムチェック>
1. プログラムチェックの対象となるラダーセクションウィンドウまたはニモニックウィンドウを選択します。
2. [プログラム]|[コンパイル(プログラムチェック)]を選びます。または、[Ctrl]+[F7]を押します。プログラムチェックの結果が、アウトプットウィンドウに表示されます。表示例については、次項の「プログラムチェック結果について」を参照してください。
●全プログラムに対するプログラムチェック
[PLC]メニューから[全プログラムコンパイル(チェック)]を選びます。または、[F7]を押します。
プログラムチェックの結果が、アウトプットウィンドウに表示されます。表示例については、
次項の<プログラムチェック結果について>を参照してください。
<プログラムチェック結果について>
プログラムチェックの結果は、アウトプットウィンドウの[コンパイル(プログラムチェック)]タブに表示されます。
エラーがある場合は、3 つのエラーレベルに分けて表示されます。
エラーがない場合
エラーがある場合
エラー項目をダブルクリックすると、ラダーセクションウィンドウ上のエラー箇所へジャンプします。
エラー内容の( , )内の数字は、エラー箇所のセル位置を表します。
ウィンドウ内を右クリックすると次に示すメニューが表示されます。
メニュー | 機能 |
---|---|
[クリア] | 表示内容をクリアします。 [編集]|[コンパイルウィンドウを消去]と同じ機能です。 |
[次の参照] | 選択しているエラー項目の、次の項目のエラー箇所へジャンプします。 [F4]キー、または[編集]|[次の検索]と同じ機能です。 |
[ドッキングを許す] | CX-Programmer のメイン画面にドッキングします。チェックを外すと 独立した1 つのウィンドウとなります。 |
[非表示] | アウトプットウィンドウを閉じます。 [表示]|[ウィンドウ]|[アウトプットウィンドウ]と同じ機能です。 |
[メインウィンドウでフローティング] | アウトプットウィンドウを通常のウィンドウに変更します (例:ラダーセクションウィンドウ)。 |
置き換えの留意点
1.性能仕様
1.1 CQM1H/CJ2M 仕様比較
CQM1H シリーズとCJ2M シリーズの性能仕様の主な違いを示します。
※左右にスクロールしてご覧ください。
項目 | 形CQM1H-CPU11/21/51/61 | 形CJ2M-CPU□□ | |
---|---|---|---|
入出力点数 | 256 点<CPU11/21> 512 点<CPU51/61> |
2, 560 点 | |
プログラム容量 | *1 3.2K ワード<CPU11/21> 7.2K ワード<CPU51> 15.2K ワード<CPU61> |
*1 5K ステップ<CPU□1> 10K ステップ<CPU□2> 20K ステップ<CPU□3> 30K ステップ<CPU□4> 60K ステップ<CPU□5> |
|
データメモリ | 3K ワード(DM)<CPU11/21> 6K ワード(DM)<CPU51> 12K ワード(DM+EM)<CPU61> |
32K ワード | |
EM 1 バンク(32K)<CPU□1~□3> 4 バンク(32K×4)<CPU□4、□5> |
|||
内蔵入出力 | In:16 点 | CJ2M-MD211/CJ2M-MD212 を装着すること で内蔵機能使用可。最大2 台装着可能。 In:10 点/Out:6 点(1 台装着時) In:20 点/Out:12 点(2 台装着時) 注. CPU ユニットVer.2.0 以降装着可能。 |
|
命令語長 | *1 1~4 ワード/1 命令 |
*1 1~30 ステップ/1 命令 |
|
命令実行時間 | LD 命令 | 0.375us | 0.04us |
MOV 命令 | 17.7us | 0.12us | |
共通処理時間 | 0.70ms | 270us <CPU3□> 160us <CPU1□> |
|
接続できるユニット数 | 16 ユニット | 40 ユニット | |
増設ラック数 | 1 ラック | 3 ラック | |
時計機能 | メモリカセットによる | 標準搭載 | |
外形寸法(CPU ユニット) | 110(H)x187(W)x107(D) | 90(H)x31(W)x75(D) <CPU1□> 90(H)x62(W)x75(D) <CPU3□> |
|
サポートソフト | SSS, CPT, CX-P | CX-P | |
周辺ツール の接続 |
パソコン用周辺 ツール |
<ペリフェラルポート接続> 形CS1W-CN□□□または形CS1WCN114+ 形CQM1-CIF□□をパソコンと接続 <RS-232C ポート接続> 形XW2Z-□□□S(-V)をパソコンと接続 |
<ペリフェラル(USB)ポート> パソコンのUSB ポートから、市販USB ケーブ ルで直接接続可能 <シリアル(RS-232C)ポート接続> 形XW2Z-200S-CV/500S-CV をパソコンと接 続(CPU3□の場合は、RS-232C ポートを標 準搭載していないため、RS-232C オプション ボード 形CP1W-CIF01 を装着した上でケー ブルを接続する) |
プログラミング コンソール |
使用可 C200H-PRO27 CQM1-PRO01 |
使用不可 |
*1. CQM1H の1 ワードは、CJ2M の1 ステップに相当します。例えば形CQM1H-CPU51(7.2K ワード)を
CJ2M へ置き換えるには、7.2K ステップ以上のプログラム容量が必要となりますので、
置き換え形式は形CJ2M-CPU□2(10K ステップ)となります。
ただし、1 命令あたりのステップ数は、CQM1H とCJ2M で異なる場合がありますので注意が必要です。
<例>TIM 命令 CQM1H:2 ワード/CJ2M:3 ステップ