ISO 14119とISO 13849-1との関係

インターロック装置を用いた制御システムの設計

インターロック装置の設計・選択に関して規定しているISO 14119:2013には、インターロック装置の制御に対する要求事項も含まれています。インターロック装置は、危険な機械機能の運転を防ぐことを目的に用いられるものであることから、一般に機械の安全制御システムを構成する部品として扱われます。そのためISO 14119における制御に関する要求事項は、安全制御システムに関する規格であるISO 13849シリーズの要求事項とも深く関係しています。インターロック装置を用いた制御システムを設計する際には、これらの規格それぞれの要求事項を考慮する必要があります。

インターロック装置の冗長化

ISO 13849シリーズでは、パフォーマンスレベル (PL)という指標で安全制御システムの性能を評価します。PLr=eやPLr=dといった高いパフォーマンスレベルを求められる制御システムでは、高い信頼性を実現するために冗長化した構造とするのが一般的です。冗長化した構造をもつ制御システムでは、システム内の信号伝達経路を複数備えることから、一つの故障(障害)が発生した場合でも安全機能が損なわれないという特徴をもちます。

ISO 14119:2013においても、インターロック装置を用いてPLr=eに対応する制御システムを構築する場合には、このような単一の故障(障害)への耐性が求められています。またその実現方法として、タイプ1インターロック装置を2つ用いて冗長化する例が示されています。これは、タイプ1やタイプ2といった機械式のインターロック装置は、アクチュエータの物理的な破損などの機械的な障害の可能性を排除することができないことによるものです。PLr=eという高いパフォーマンスレベルが求められる回路では、そのような障害が発生した場合でも安全機能を損なわないことが必要であることから、インターロック装置そのものを物理的に二重化するという方法がとられているのです。

このような記述により、ISO 14119:2013の発行の以前にしばしばみられていた、1つの機械式インターロック装置に内蔵された2つの接点を使用することによって制御回路上での冗長化を実現する方法は、現在ではPL eを達成するための方法としては認められなくなっています。またPL dを達成する場合でも、いくつかの条件を満たさない限りは同様の考え方が適用されるようになっています。

PLr=e,PLr=dで使用可能

PLr=e,PLr=dで使用可能

PLr=eでは使用不可、PLr=dでの使用は条件有

PLr=eでは使用不可 PLr=dでの使用は条件有
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