ガードインターロック装置のアプリケーション

ISO 14119とは

可動式ガードの開閉を検知してシステムをインターロックするためのインターロック機器(キー式のドアスイッチ、リミットスイッチ、非接触式のドアスイッチなど)の使い方に関する規格です。
2013年に大幅に改定されました。幅広い要求事項が盛り込まれていますが、ここではシステム全体にも影響するポイントを2点解説します。

インターロック機器の無効化可能性の最小化

今回の改定では、作業者がインターロック機器を無効化(制御システムにインターロック付きガードが閉じているかのような信号を与えること)しようとする動機を分析することが機械の設計者に求められます。そして機械の設計を工夫して作業者がインターロック機器を無効化しようとする動機を無くすことが求められます。無効化しようという動機を無くすことができない場合、無効化されない構造にする必要があります。
たとえば、下図のようにインターロック付きガードを開いたときにキー式のドアスイッチが人の手の届く範囲に取り付けられている場合などは、予備のキーによる無効化がしやすくなります。

可動式ガードを開いたときにキー式のドアスイッチを人の手の届く範囲に取り付けられている場合

このときには、次のような追加の方策を講じることが可能です。

手の届く範囲外への設置

手の届かない位置にインターロック機器を設置して作業者を近づけなくします

インターロック機器を手の届かない位置に設置して作業者を近づけなくします。

シールドや遮蔽物で囲う

物理的なカバーによってインターロック機器に触れられなくします

物理的なカバーによってインターロック機器に触れられなくします。

隠れた場所に設置する

インターロック機器を作業者から隠すことでインターロック機器の存在を意識させません

インターロック機器を作業者から隠すことでインターロック機器の存在を意識させないようにします。

状態のモニタリングをする

動作サイクルごとにインターロック付きガードが必ず開閉される機械の場合、動作サイクル内のあらかじめ決められたタイミングでインターロック機器が開閉されないことで無効化されていることを検出します。制御システムとの組み合わせによる方法の一つです。

定期的にガードを開閉させる

制御システムの側から作業者にインターロック付きガードを開閉させる指示を出し、その反応をみます。一定時間内にインターロック付きガードが開閉されることを確認し、開閉されなければ無効化されていると判断します。制御システムとの組み合わせによる方法の一つです。

オムロンのセーフティ商品を使った"状態のモニタリング"と"定期的なガードの開閉"の方法については弊社営業担当者にお問い合わせください。

このほか、アクチュエータとスイッチ本体が必ず1対1で組み合わせが決まっており予備のキーによる無効化ができない方式のインターロック機器を使う、なども可能です。
またどの方法を採っても、アクチュエータは例えば一方向にしか回せない特殊ネジやリベット、溶接などで取り外せないように固定されていることも併せて必要になります。

ISO 13849-1 (パフォーマンスレベル)の要求事項への合致

また今回の改定では、制御システムの安全関連部の規格であるISO 13849-1の要求事項との合致も求められるようになりました。インターロック機器は制御システムの安全関連部の入力部分を構成する機器です。ガードインターロック機器の使い方によっては安全機能としてのパフォーマンスレベル(PL)に影響を与えます。

アクチュエータを含めたインターロック機器の冗長化が必要です

PL eやPL dといった高いパフォーマンスレベルを求められるシステムには信号の冗長性が求められます。これは一般的に、非接触式のドアスイッチのように自己診断機能を備えた二重化出力を持たないキー式のドアスイッチや、リミットスイッチといった機械的スイッチの場合は、アクチュエータにも冗長化が必要なことを意味しています。
今回のISO 14119の改定では、PLr=d あるいはeが必要なインターロック付きガードには機械的冗長性が必要であると明確に記述されています。このことから、一つの機械的スイッチに内蔵された二つの接点出力を使用した二重化の回路構成では機械的冗長性を達成しているとはみなされず、この方法でPLeを実現することは認められなくなっています。またPLdにおいても、この方法での機械的冗長性の達成は原則として認められません。PLdを実現するためには、規格文にある「Full justification(参考訳:完全な正当化)」を実施することが必要であり、そのためにいくつかの条件を整えることが求められます。

一つの機械的スイッチの2接点の出力ではアクチュエータが冗長化にならない
冗長チャンネルの構成には二つの異なる機械的スイッチが必要
より具体的な解決手法を解説した文書をダウンロードしていただけます。

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