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基礎知識を学ぶ - 継電器とは?
過電流継電器の保護協調
第5章 保護協調と保護継電器
電力系統で使用される継電器には、系統全体の中で保護協調がとれていなければなりませんし、過電流継電器も例外ではありません。受電端に設置される過電流継電器の保護協調を考えるのに必要な項目は、
(1) 需要家内系統における短絡・過負荷事故において確実に動作すること。(事故点を想定し、インピーダンスマップを作成して故障電流を算出すること)
(2) PF・CB形の場合には、PF(限流ヒューズ)とCB(しゃ断器)との責務分担が適切であること。(PFの容量およびCBのしゃ断容量の選定など)
(3) 上位系統にある配電変電所OCRとの動作協調がとれていること。(OCRの慣性特性やしゃ断器の全しゃ断時間も考慮すること)
(4) 需要家内の分岐OCRとも動作協調がとれていること。
(5) 低圧側事故によって、受電端OCRが動作しないように低圧側MCCB(配線用しゃ断器)と動作協調がとれていること。
(6) OCRの限時要素の動作時間は、負荷変圧器の熱持性曲線を超えないこと。
(7) しゃ断器を投入した時に流れる変圧器の励磁突入電流により、OCRの瞬時要素が動作しないこと。
(8) 事故時に変圧器・しゃ断器・ケーブル・CT(変流器)などの機器は、短絡強度や過負荷耐量に充分耐えられるものであること。
(9) CTの選定に留意すること。(容量・過電流定数など)などがあります。
このうち、OCRの使用面(特にタップの整定)からみて大きく関係する項目は(3)~(7)と考えられます。
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■保護協調曲線の作成
系統に設置されている保護機器の動作時間特性が一枚の表に重ねて書かれ、これを保護協調曲線図と呼びます。電流値はすべて高圧側に換算して描きます。保護協調は、事故限定を目的としていますから、当該OCRは上位のOCRよりも必ず先に動作しなけ
ればなりません。ですから、受電端OCR(メイン側OCR)は配電変電所OCRよりも、同じ事故電流値において短い動作時間を持つ必要があります。
このためには、動作時間整定や動作電流整定に差をつけ、特性曲線が重ならないようにします。
さらに、受電端OCRと低圧側事故との協調にMCCBとの関係があります。低圧負荷は数多くのMCCBで分岐されて保護されますが、MCCBフレーム(電流値)が大きくなりますと、動作特性曲線のA部でOCRの動作特性と重なることがあります。この場合、低圧側の限定された事故であるにもかかわらず受電端のOCRの方が先に動作して、全停電となり不具合が生じます。これを防ぐためには、MCCBのフレームを分割するとか、限時要素部分の動作時間特性を傾斜の強い特性を持つOCRを使用する必要があります。
変圧器は寿命から規定される熱特性を持っており、これも保護協調曲線に描くことができます。変圧器の過負荷保護も受電端OCRの重要な役目の一つですから、OCRの動作特性はこの熱特性よりも下側に位置されなければなりません。
また、しゃ断器投入時に発生する変圧器への励磁突入電流との協調も考慮する必要があります。これについては次項で詳しく述べますが、受電端OCRにおいては瞬時要素のタップ整定に関係してきます。
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対応する製品
K2CA-Hデジタル形過電流継電器
K2CA-H
詳細
K2CA-D過電流継電器
K2CA-D
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