接続・省配線機器とは、接続部をコネクタ化した、機器や回路などを接続(配線)するための機器です。ここでは接続・省配線機器の概要を解説します。
接続・省配線機器とは、接続部をコネクタ化した、機器や回路などを接続(配線)するための機器です。接続部をコネクタ化することによって、機器などを手や簡単な工具を用いて接続したり、切り離したりすることができます。
本書では、主に生産設備で使用する接続・省配線機器をつぎのように分類しています。
●産業用イーサネットコネクタ
産業用イーサネットコネクタとは、EtherNet/IPTMやEtherCATⓇをはじめとした産業用イーサネット(オープンネットワーク)に対応したコネクタです。工場内では情報伝達の確実さ(リアルタイム性)や耐ノイズ性が求められることから一般オフィスや家庭内で使用されるLANと違い、堅牢性や防水性のあるコネクタを使用します。またシールド構造を有するケーブルを使用することで高い接続品質を担保します。
●センサI/Oコネクタ
センサI/Oコネクタとは、センサやアクチュエータはじめとした入力機器の配線をコネクタ化するものです。高い接続信頼性を求められる現場では、防水・耐油など優れた耐環境性のある丸型防水コネクタを使用します。
●コネクタ端子台変換ユニット
コネクタ端子台変換ユニットとは、プログラマブルコントローラ(以下、PLC)の入出力をケーブルで一括配線できるコネクタ引き出しタイプの端子台変換ユニットです。
産業用イーサネットコネクタ
産業用イーサネットコネクタとは、EtherNet/IPTMやEtherCAT®をはじめとした産業用イーサネット(オープンネットワーク)に対応したコネクタです。工場内では情報伝達の確実さ(リアルタイム性)や耐ノイズ性が求められることから一般オフィスや家庭内で使用されるLANと違い、堅牢性や防水性のあるコネクタを使用します。またシールド構造を有するケーブルを使用することで高い接続品質を担保します。
オムロンには制御盤内で使用するRJ45コネクタタイプ、耐環境性が求められる制御盤外で使用するM12コネクタ(丸型防水コネクタ)タイプがあります。
RJ45コネクタタイプの特長
*1. 伝送特性に関しては「イーサネットの通信速度と規格」をご確認ください。
*2. 一重遮へいシールド構造ですが、通信・ノイズ特性が規格値を満足していることを確認しています。
*3. LSZHはLow Smoke Zero Halogen(低燃ゼロハロゲン)の略です。難燃性かつ燃焼時も有毒ガスを発生させません。
組立式コネクタもラインナップ
圧着工具等の専用工具は使用せずに、現場で簡単にイーサネットケーブルの組立できます。
M12コネクタタイプの特長
*1. 伝送特性に関しては「イーサネットの通信速度と規格」をご確認ください。
注. 産業用イーサネットコネクタのM12コネクタはすべてD-cordingになります。コーディングについては「用語解説」の「規格情報」をご確認ください。
またM12/RJ45コネクタケーブルタイプも品揃えあります。詳細は「産業用イーサネットコネクタカタログ」(カタログ番号:CDJC-006)をご参照ください。
イーサネットの通信速度と規格
イーサネットケーブルはイーサネットの通信速度に応じた製品を使用する必要があります。通信速度の速くなるにつれ、周波数が高くなり、信号がゆがみやすくなることから要求仕様が厳しくなります。そのため一緒に使用するPLCやセンサのイーサネットの通信速度を確認し、適切な規格(伝送特性)のコネクタケーブルを選びましょう。
注. 100BASE-TX/10BASE-T を使用する場合は、カテゴリ5 以上のSTP(シールドツイストペア)ケーブルを使用します。ストレートケーブルまたはクロスケーブルのいずれも使用できます。1000BASE-T を使用する場合は、カテゴリ5e 以上のSTP ケーブル(アルミテープと編組の二重遮へい)を使用します。ストレートケーブルまたはクロスケーブルのいずれも使用できます。STP(シールドツイストペア)、ストレート/クロスケーブルについては「用語解説」をご確認ください。
スマートクリックについて
オムロンのM12コネクタ(産業用イーサネットコネクタのXS5□-Tシリーズ、センサI/OコネクタのXS5シリーズ)は、スマートクリックコネクタを採用しており、ワンタッチ(約1/8回転)でかん合ができます。
センサI/Oコネクタ
センサI/Oコネクタとは、センサやアクチュエータはじめとした入力機器の配線をコネクタ化するものです。高い接続信頼性を
求められる現場では、防水・耐油など優れた耐環境性のある丸型防水コネクタ(M12/M8コネクタ)を使用します。
オムロンには使用用途に応じて様々なタイプがあります。
注. システム構成については「M12/M8丸型コネクタカタログ」(カタログ番号:CDJC-011)をご参照ください。
組立式圧接タイプの特長
組立完了位置の明確化
どのケーブルでも突き当りで組立が完了、また締切位置が明確なため、目視で組立完了が確認できます。
ワイドレンジの電線に対応
2種類(大径用・小径用)のブッシュを搭載することで、ケーブル外形Φ3~8mmに対応しています。
注. DC用センサにはA-cording、AC用センサにはB-cordingのコネクタを使用します。コーディングについては「用語解説」の「規格情報」をご確認ください。
コネクタ端子台変換ユニット
コネクタ端子台変換ユニットとは、プログラマブルコントローラ(PLC)の入出力をケーブルで一括配線できるコネクタ引き出しタイプの端子台変換ユニットです。
オムロンには、PLC接続に特化した配線パターンを持ったPLC接続タイプと汎用タイプがあります。
近年、作業効率向上などの観点から、プッシュイン端子台搭載機器の採用が増えています。とくに、信号数の多いPLCとの接続に使用されるコネクタ端子台変換ユニットでは、プッシュイン端子台によって、省スペース・省配線工数を実現することができます。
なお、従来のねじ式(プラススクリュー、マイナススクリュー)タイプ、e-CON仕様準拠タイプ等もラインアップしています。
プッシュイン端子台タイプの特長
構造
プッシュイン端子台は、電線を差し込んだ際に、クランプバネの圧力により電線を固定します。電線は、①棒端子、②単線、③より線の3種類が使用可能です。
配線工程
棒端子を使用する場合、プッシュイン端子台に電線を差し込むことで、配線が可能です。また、配送後の増し締めが不要で、すぐに設置できます。
引張強度
プッシュイン端子台の引張強度は、JIS C 8201-7-1または、IEC 60947-7-1規格で規定されています。
例 棒端子を使用する場合