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基礎知識を学ぶ - 継電器とは?
系統連系用保護機器
第2章 継電器の種類
●CGSとは
CGS(Co-Generation System)とは、分散型電源のひとつでガスエンジンやガスタービンなどの原動機により発電機を駆動し、電力を構内負荷に供給すると共に、原動機の排熱を利用して暖房・給湯あるいは冷房を行うものです。エネルギーの総合効率を高めるシステムで、熱併給発電システムと呼ばれます。21世紀に向かってのエネルギービジョンとして、通産省資源エネルギー庁が中心となり、複合エネルギー時代の幕開けと提唱されている自家発電システムです。
●なぜ連系用保護継電器が必要か
従来の受電端の保護システムでは、需要家構内事故(短絡・地絡)のみに対応して、受電端のしゃ断器を動作させていました。
しかし、電力系統に連系される分散型電源においては

①公衆および作業者の安全確保と、電力供給設備または他の需要家の設備に悪影響を及ぼさないこと。
②供給信頼度と電気の品質の面で、他の需要家に悪影響を及ぼさないこと。

を実現する必要があります。すなわち、需要家構内事故のみでなく、電力系統側の停電や事故においてもこれを検出し、発電機を系統から解列しなければなりません。

具体的には

①発電機から系統の事故点に事故電流を供給させない。
②逆潮流を許容しない場合は、系統側に電力を送出させない。
③系統での再開路時に、両者の電圧を非同期状態で結合させない。

などがあげられます。このシステムは、資源エネルギー庁からの「電力系統連系技術要件ガイドライン」に示されており、これに適合している場合に電力系統への連系が可能になります。
連系用保護継電器は、連系する系統の種類(高圧連系か特高連系か)・分散型電源需要家の発電機の種類(同期発電機か誘導発電機か)・系統の重要度によって、設置しなければならない機種が決まります。
あらゆる条件下の系統事故を確実に検出するものでなければなりません。
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●事故形態による継電器の動作
次の表は、それぞれの継電器がどの事故に対して動作するのかを簡単に示したものです。このようなマトリックスにより検証を行い、必要な機種を選定します。
機種 名称 保護目的 設置相数等の
条件
構内
事故
系統側
事故
動作させるしゃ断器(例)
地絡 短絡 地絡 短絡 断線
停電
OCR-H 過電流継電器 構内設備の過負荷・短絡事故検出 2相 受電端CB
OCGR 地絡継電器 構内設備の地絡事故検出 1相(零相回路)構内設備の対地静電容量が大きい時はDGR
DGR 地絡方向継電器 1相(零相回路)
OVGR 地絡過電圧継電器 系統側の地絡事故の継続検出 1相(零相回路)零相電圧検出はコンデンサ形が基本
※1
発電機CB
UVR 不足電圧継電器 系統側の短絡事故・停電検出 3相
※1

※2
OVR 過電圧継電器 発電機の制御異常による系統過電圧検出 1相
発電機自体に保護装置があれば省略できる
DSR 方向短絡継電器 系統側の短絡事故検出 3相を基本とする
同期発電機の場合に必要
RPR 逆電力継電器 系統側への逆潮流検出

1相


※3
UFR 不足周波数継電器 上位送電側事故時の周波数低下検出 1相
逆潮流がなく、RPRで高速に保護できれば省略できる

※2
OFR 過周波数継電器 電圧低下による負荷脱落時の周波数上昇検出
UPR 不足電力継電器 系統側の短絡事故・停電検出 2相
※4
Δf 周波数急変検出継電器 系統側の停電検出 1相

※1 継電器は検出しますが、電力系統側(変電所)保護継電器と時間協調をとっているため動作に至りません。
※2 発電機容量と系統の負荷のバランスがとれていると動作しないことがあります。
※3 電圧が極端に低下(至近端短絡の場合)すると動作しないことがあります。
※4 変電所の地絡方向継電器の動作により、系統が停電となり、動作します。
線路無電圧確認装置省略に伴うシステムの二重化を行う場合は、1つの事故に対して2つ以上の継電器が動作する必要があります。
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●各継電器の整定例
次に連系用保護継電器の標準的な整定について示します。
最終的には、電力会社への連系申請時に行う系統故障計算およびそれに基づく協調確認によって決まります。
機種 整定例 背景
動作値 動作時間
OCR-H 配電用変電所OCRと協調がとれること   従来の受電端保護と同じ
OCGR 零相電流:0.2A (JIS C 4601で規定する時間)
DGR 零相電流:0.2A、
零相電圧:5%
0.2s
OVGR 零相電圧:10% 5s 配電用変電所の同バンク・他フィーダーのDGRと協調をとる
UVR 不足電圧:85V 2s 配電用変電所の同バンク・他フィーダーのOCRとの時間協調をとる
OVR 過電圧:125V 2s  
DSR 電流:※1、
不足電圧:90V
0.7s 配電用変電所の同バンク・他フィーダーのOCRとの時間協調をとる
RPR 逆電力:発電機容量の10% ※2

0.5s ※3

 
UFR 不足周波数:定格周波数-1Hz 1s  
OFR 過周波数:定格周波数+1Hz 1s  
UPR 不足電力・契約電力の10% 0.5s CGS需要家の最小消費電力以下とする

※1 フィーダー送り出し点の2相短絡時に、発電機より流出する電流値以下とする必要があり、次の計算によります。
IG :発電機の定格電流
%x :CGS需要家から変電所までのパーセント線路インピーダンス
%G:発電機のパーセントインピーダンス
※2 RPRは受電端CTに接続されますので、逆電力整定値は、となります。
※3 発電機の並列投入時の動揺時間を考慮してください。
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●その他連系用保護継電器として要求される事項
「ガイドライン」では、分散型電源設備が系統に与える影響の重要性から、連系用保護システムおよび継電器の機能に次の項目を要求し、信頼度を高めています。
線路無電圧確認装置省略に伴うシステムの二重化
「ガイドライン」では、分散型電源需要家負担で変電所に線路無電圧確認装置(再閉路時、線路の電圧有無を確認する装置)の設置を義務付けています。しかし本装置の設置は、同系統に複数の分散型電源需要家が存在する場合の問題や設置コストの問題で困難な状況です。このため、系統が停電状態である時、発電機を系統から確実に解列させる継電器を二重化することによって、本装置を省略できるとされています。二重化実現のための手段として、UPRの設置も認められています。この場合は、二相に設置することが必要です。
継電器の制御電源は専用の直流回路で供給
連系用保護継電器への制御電源は、専用の直流回路で供給しなくてはなりません。これは電源の供給信頼性を確保すると共に、系統の短絡事故時にも動作する必要があるからです。(計器用変成器VTの電源では短絡時に、出力電圧がなくなってしまいます。)

対応する製品
分散型電源対応
系統連系用複合継電器

K2ZCK2ZC-N
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