モーションスペクトル分解

ポイント

大型XYステージのガントリ部分に
リンク機構のXYアクチュエータを
搭載

PMACなら、いわゆる粗微動ステージ(親亀・子亀とも呼ばれる)などメカ的に冗長性のあるシステムも同期制御可能です。
動作指令を複数のアクチュエータ動作にリアルタイムに分解する「モーションスペクトル分解」により、細かな高加減速動作を高応答のアクチュエータに、広範囲の動作を大型ステージに自動振り分けできます。

大型XYステージのガントリ部分にリンク機構のXYアクチュエータを搭載

※リンク機構のXYアクチュエータ部分はガルバノスキャナでも可

モーション指令を分離するための
ローパスフィルタ

モーションスペクトル分解を理解するには、音響システムに置き換えると簡単です。
音響システムでは、一つの音源が内部で分解され、重低音は大きなスピーカが、高音はツイータが担当して再生されます。
PMACではこの考えをモーションに適用し、一つのプログラムを内部で分解し、二つのXYの動作を作り出します。

モーション指令を分離するためのローパスフィルタ

①モーション指令を分離するためのローパスフィルタ
②ローパスフィルタで鈍った指令は大型XYガントリステージへ
③ローパスフィルタでカットされた高周波成分はリンク機構のXYアクチュエータへ

細かく複雑な動作パターンを
高速・高精度に実現

モーションスペクトル分解による生み出される最大のメリットはタクトアップです。
細かく複雑な動作を大型XYステージに指令すると、オーバーシュートや装置の振動により速度・加速度を上げることができません。
また、応答性のよい小型アクチュエータだけでは動作範囲が限られます。
モーションスペクトル分解により得意な動作を各アクチュエータに振り分けると、細かく複雑な動作が広範囲に求められるような場合でも、高速・高精度に動作できタクトアップが図れます。

細かく複雑な動作パターンを高速・高精度に実現

①細かく複雑な動作パターンを高速・高精度に実現
②広範囲な動作エリア