危険源を見つけ出すことを「同定」と呼ぶ理由
リスクアセスメントにおいては、危険源を見つけ出すことを同定と呼んで、特定や抽出とは区別しています。
- 同定とは:
- ある対象について、そのものにかかわる既存の分類のなかから、それの帰属先をさがす行為のこと。
- 特定とは:
- 特にそれと指定すること。また、特にそれと定まっていること。
- 抽出とは:
- 多くの中からある特定のものを抜き出すこと。
危険源は機械的危険や電気的危険などに加えて、人間工学観点や組合せによるものなど、多岐にわたっています。これらすべてについて洗い出すには膨大な作業が必要となります。
また、実施者の知識や経験が求められるため、知識や経験の差によるばらつきが生じ、危険源を見落とす可能性があります。
そのため、ISO 12100では付属書に危険源リストが記載されており、当該箇所について、その危険があるかどうかを一つずつ確認する作業を行うことで、抜けモレなく危険源を洗い出しすることを要求しています。
従って、危険源を見つけ出すことは危険源リストと照らし合わせる作業を指すので、特定や抽出ではなく、同定と呼びます。
リスクアセスメント-2