安全制御機器
安全制御機器とは、安全機器からの信号を受けて、機械の起動や動作の可否を判断する機器です。
機械の稼働中に安全入力機器からの信号の状態に合わせた安全出力機器への制御信号を出力するほか、
安全入力機器や安全出力機器の状態を監視して、
故障を検知した場合には機械の動力を遮断する制御を行う用途などでも用いられます。
セーフティ・リレーユニット
セーフティリレーユニットは、複数のリレーを組み合わせた回路を内蔵することによって安全制御機器に必要な判断機能を実現した機器です。小規模な機械など、安全入力機器や安全出力機器の構成がシンプルな機械での安全制御回路の構築に適しています。
フレキシブル・セーフティユニット
フレキシブル・セーフティユニットは、セーフティリレーユニットの内部回路を電子化して構成した安全制御機器です。リレーを使用しないことで長寿命化や多彩な安全機器の入力への対応を実現し、柔軟なシステムを構築することができます。複数のユニットを接続して使用することもできることから、セーフティリレーユニットに比べて規模の大きな安全制御回路の構築も可能です。
プログラマブルセーフティコントローラ
プログラマブルセーフティコントローラは、機械に応じた安全制御プログラムの作成ができる機器です。より複雑なアプリケーションにも柔軟に対応することが可能です。様々な機器を接続して複雑な安全機能を構築するために、以下のような特徴を備えています。
プログラマブルセーフティコントローラの特徴
認証済ファンクションブロックを使ったプログラミング
非常停止やガードインターロックなどの安全機能には、安全性が立証された認証済ファンクションブロックが提供されています。第三者によって妥当性が確認されていることから、これらを活用することにより、個々の安全機能としての安全性を確保することが可能です。
コントローラとツールとの間のプログラム照合
コントローラの始動には、プログラミングツールでの設定内容とコントローラ本体に転送された内容との一致性を確認する照合作業を必要とします。この機能により、意図しないプログラムや設定のまま機械が起動されることを防止します。
管理者以外のシステムへのアクセス防止
コントローラのプログラムなどへのアクセスを制限するパスワード設定が可能です。変更権限のある者のみがプログラムや設定変更等を行えるよう管理することで、不意の変更による危険状態の発生を防ぐことができます。
外部配線異常による誤動作の防止
プログラマブルセーフティコントローラの本体やファンクションブロックには、誤配線や地絡、短絡などの外部配線異常の検出機能を備えています。異常時には意図しない機械動作をしないよう設定が可能です。
プログラマブルセーフティコントローラを使って設備・装置などの安全関連部の設計をする場合には、プログラム全体の安全性の妥当性も確認する必要があります。詳しくはISO 13849-1の箇条4.6などをご覧ください。
セーフティネットワークコントローラ
プログラマブルセーフティコントローラの中でも、ネットワークを介した安全制御が可能な機器です。安全制御をネットワーク対応することにより、安全機器が分散するアプリケーションや、I/O点数の拡張に対応することができます。ネットワーク化のために、以下の方策を実施しています。
セーフティネットワークコントローラの特徴
送受信データの冗長化
安全データと反転データの同時送受信、送信宛先からの応答メッセージのチェックなどでデータを冗長化し、安全データの確実な送受信を実現しています。
安全データ専用のチェックコードの生成
安全データにチェックコード（Safety-CRC）を追加生成することで、メッセージの破損や偽装（なりすまし）を確実に検知します。
送信機器のID識別
セーフティネットワークコントローラがもっている固有のIDの相互監視や、送信データへの固有のIDの実装で、誤った機器間でのデータ送受信を防止しています。
データ情報の時間監視
セーフティネットワークコントローラによる送信データへのタイムスタンプ添付や、送信データの宛先ノードのデータ受信時間の検出で、送受信データの入れ替わりや遅れを監視しています。
CIP Safety TM on DeviceNet
Safety over EtherCAT（FSoE）
