世界の主要なPLC・コントローラメーカはOPC UAサーバに対応した製品を提供しています。オムロンもOPC UAサーバを搭載したPLC・コントローラを提供しています。
PLCopen 情報モデルに対応し、OPC Foundationの認証を取得したOPC UAサーバを標準で搭載しています。これにより、コントローラの変数を選ぶだけの簡単設定で、SCADAなどの上位ITシステムと直結させることができます。
また、NX102シリーズは、データベース直結機能も搭載しています。
生産管理システムやSCADAとはOPC UAで、品質トレーサビリティで用いるSQL serverやOracle Databaseとはデータベース直結機能で、2つの役割を1台のコントローラで担うことができます。
NX102は、OPC UAやデータベース直結だけでなく、EtherNet/IPやEtherCAT, MODBUS/TCP, SLMP,さまざまなネットワークをサポートしています。センサレベルの情報を可視化するIO-Linkにも対応しています。これらの多彩な接続性とOPC UAを組み合わせることにより、製造現場の情報化、IoT化を進めることができます。
石油精製プラントや化学プラントのプロセス制御を行うDCS (Distributed Control System)もOPC UAサーバの対応が進んでいます。OPC UAサーバに対応した製品は、OPC Foundationサイトの「認証済み製品」のページで確認できます。
OPC Foundation 認証済み製品ページ
複数の日本メーカのDCS製品も掲載されています。
PLCなどのOPC UAサーバと組み合わせて使うOPC UAクライアントに対応したソフトウェア商品の一例を紹介します。
(注. OPC Foundation主催のインターオペラビリティテスト(IOP)や、導入されたシステム、デモシステムで接続実績があるものの中から抜粋して紹介します。ただし、これらOPC UA製品を弊社が推奨したり、接続を保証するものではありません。)
ファナック株式会社が提供する、工場の機械の情報を収集・可視化するパソコン用ソフトウェアです。
FANUC MT-LINKi紹介ページ
ファナックCNCを搭載した工作機械や、ファナック製のロボットコントローラ、OPC UA通信対応のPLCなどの機器からの情報を収集することができます。
米・InduSoft社が提供するSCADA (監視制御ソフトウェア) です。
InduSoft Web Studio 紹介ページ
OPC UAクライアントに早くから対応しており、日本語版も提供されています。
日本の株式会社Puertoが提供するExcelアドオンのOPC UAクライアントです。
https://www.ibress.com/products/UaMonitor/index.html
PLCなどのOPC UAサーバからのデータの読み込み、OPC UAサーバへのデータの書き込みを、使い慣れたExcelで実現できます。
弊社 のコントローラ NX102と Puerto UA Monitorが接続されたデモが動画として公開されています。
NX102と Puerto UA Monitorの接続デモ動画
米・OSIsoft社 (https://www.osisoft.jp/)が提供する、大量のデータをリアルタイムに収集・蓄積して管理できるIoT情報基盤です。PI Connector for OPC UAを用いることにより、PLCなどのOPC UAサーバからリアルタイムにデータを収集することができます。
弊社 のコントローラ NX102と PI Sytemが接続されたデモが動画として公開されています。
OpenJS Foundationのプロジェクトで開発されている、オープンソースソフトウェア(OSS)のビジュアルプログラミングツールです。Webブラウザ上でプログラミングが行え、IoTアプリを作成したり、データを表示したりすることができます。
弊社 のコントローラ NX102と Node-REDをOPC UAを介して接続したデモが動画として公開されています。
OPC UAに対応したソフトウェアやシステムを自社で開発する場合には、SDKなどの開発キットを用いることで効率よく開発することができます。
OPC Foundationは、OPC UAの通信スタックやサンプルアプリケーションを、オープンソースとしてGitHubで公開しています。
OPC Foundation GitHubページ
OPC Foundationのコーポレート会員以外の方も利用できますが、GPL v2ライセンスですので、商用利用に際して留意が必要です。コーポレート会員にはRCLが適用されます。RCLではそのスタックを使ったアプリケーションのソースコードを開示する必要がないため、商用利用が可能です。
OPC UAのアプリケーションを開発していただくため、日本OPC協議会が執筆した日本語の参考書です。
日本OPC協議会 書籍紹介ページ
OPC Foundationのコーポレート会員である複数のメーカが、認証済みのOPC UA SDKを提供しています。
OPC Foundation 認証済み製品ページ
工場の監視制御や稼動モニタには、従来より第1世代のOPC技術・OPC DAが数多く導入されています。そのシステムのリニューアルに際し、OPC UAが採用されはじめています。ポイントは、以下のとおりです。
・Windowsパソコンだけでなく、PLCなどの制御機器と直接接続ができ、システム構成がシンプルになること
・単純な数値やメモリデータだけではなく、構造化したデータや意味を持たせた情報をやりとりできるようになること
・セキュリティ性も高められること
OPC UAに対応したSCADAやPLC・コントローラの選択肢が広がってきていることも導入の後押しになっています。
世界各地の製造拠点毎に、導入されている情報化の仕組みが異なるという問題がありました。M&Aなどで事業拡大をされていることも問題の一因となっていました。全社で情報活用を進めて生産性を高めていくために、指標(KPI)や仕組みを標準化することが課題とされ、グローバルで標準化でき、将来性もある基盤としてOPC UAの採用を進められています。
金属部品の加工ラインに大量に導入されているCNCを搭載した工作機械の稼動情報を、PLCで制御されている周辺装置の情報や、電力・温度などの稼働環境の情報と合わせて収集・見える化するために、OPC UAが採用されています。ポイントは、CNCとPLCの両方の情報を1つの仕組みで収集・管理できることです。
セキュリティに対応できていることがOPC UAの特長を活かし、サイバーセキュリティ対策として、また、安心なモノづくりを実現するために製造データの改ざんを防止する仕組みとして採用されています。
・サイバーセキュリティ対策
実際の工場での採用事例はなかなか公開されませんが、名古屋工業大学において、ミニプラントでOPC UAを用いたサイバーセキュリティの実証研究が行われ、その研究内容や結果が公開されています。
・製造データの改ざんを防止する仕組み
医薬品の製造ラインや装置に対し、製造データのインテグリティ(Data Integrity:DI)を確保することが求められはじめています。データインテグリティはデータ完全性とも呼ばれ、データが全て揃っていて不整合がないことの保証が求められます。
この、データインテグリティへの対応を容易にするための仕組みとして、デジタル署名に対応したOPC UAが採用されている事例があります。
(次回へ続く)
マシンオートメーションコントローラ
NJ/NXシリーズ CPUユニット
NX701-1□□□/NX102-□□□□/NJ501-1□00