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光伝送機器 補足説明


光伝送機器は、RS-234CやGP-IBの汎用光インタフェース(光モジュール)、耐ノイズに優れた光ファイバ、光と電気変換の光データリンクなどの総称です。ここでは、光伝送機器の参考資料を示します。  注. 本情報には生産中止品を含みます。

関連情報


光ファイバ伝送路の設計

光ファイバの伝送損失は、ワイヤの場合が、伝送路長Lにほぼ比例して増加するのに対して導波路の特性で、入光端から一定距離までは高次モードの非線型要素の影響がありますが、これをマージンに含めることで、損失を線型として処理します。

光データリンクとファイバ伝送路長

Po :ファイバ結合光出力
Pi :最小受信電力
Pm:マージン損失(2dB)
p :単位長損失(PCF、6dB/km)

(例1)形Z3A2-4Dの場合

(例2)中継コネクタを使用した場合

光ファイバ通信の特長
細径石英(10/100、50/125μm)、PCF(200/300μm)、APF(0.98/1.0mm)多重化によって実効径は更に細くなる。
軽量PCFコード(10kg/km)、APF(4kg/km)、8芯鋼線(250kg/km)、ただしケーブルにすると、PCF(70kg/km)と相対
比は大きくなる。
無誘導、無漏話電磁誘導の影響を受けず、及ぼさず、耐ノイズ性に優れている。クロストークがなく、伝送品質が高い。
低損失、広帯域石英ファイバ(800MHz・1km、10dB/km)、APF(3MHz・km、200dB/km)(APFの損失は、10dB/kmのワイヤよ
りも大きい)
高絶縁性ファイバは高絶縁体なので、雷サージなどが伝搬しない。サージによる損傷がなく、電位差のあるポイント間伝
送が可能。
接続信頼性が高い光コネクタでは接続信頼性問題はない。ただし嵌合性、端面、汚損、損傷などの影響を受ける。
光ファイバの種類と特長
種類対象ファイバ形態と性能
SI
マルチモード
ステップインデックス
APF 980/1,000
PCF 200/230
PCF 200/300
MGF 250/350
AGF 50/125
        (μm)
GI
マルチモード
グレーテッドインデックス
(MGF 250/350)
AGF 50/125
(μm)
SM
シングルモード
ステップインデックス
AGF 10/100
(μm)

代表的光ファイバの特性

ファイバの種類開口数コア径(μm)損失(dB/km)帯域幅(MHz・km)使用周囲温度(℃)特長
APF0.5~2,000100~1,00010-20~+70・ローコスト
・取り扱いやすい
H-PCF0.35200~75010・比較的ローコスト
・中距離向け
AGF
(SI)
0.18~0.2550~1002~620~60-40~+70
AGF
(GI)
0.2~0.25502~6200~2,000・低損失
・広帯域
AGF
シングルモード
0.15~150.5~1.510,000・低損失
・超広帯域
RS-232Cの代表スペック

RS-232Cは、本来モデム(変復調装置)とデータ端末機との接続に関する規格でCCITTの勧告を受けてEIAが決定。日本でもJISC 6361で規格化されているものです。

●電気的仕様

ドライバ出力ロジック・レベル
(負荷3~7kΩ時)
+15V>oh>+5V
-5V>ol>-15V
入力開放時のレシーバ出力マーク("1")
+3V入力時のレシーバ出力スペース("0")
ドライバ出力(開放時)/Vo/<25V-3V入力時のレシーバ出力マーク("1")
ドライバ出力インピーダンス(電源断時)Ro>300Ωロジック "0"=スペース=制御ON+15~+5V
出力回路電流(短絡時)/Io/<0.5Aノイズマージン(雑音余裕度)+5~+3V
ドライバ・スルーレート(立ち上がり特性)dv/dt/<30V/μs過渡領域+3~-3V
レシーバ入力インピーダンス7kΩ>Rre>3kΩノイズマージン-3~-5V
レシーバ入力電圧±15V(ドライバに同じ)ロジック "1"=マーク=制御OFF-5~-15V

●ピン番号と名称および機能

ピン
番号
略号名RS-232C
回路名
回路名称信号の方向
新JIS旧JIS
1FGFGAAProtective Ground (Frame Ground)保安用接地またはアース
2SDTXDBATransmitted Data送信データDTE→
3RDRXDBBReceived Data受信データ← DCE
4RSRTSCARequest to Send送信要求DTE→
5CSCTSCBClear to Send送信可← DCE
6DRDSRCCData Set Readyデータセットレディ
7SGSGABSignal Ground信号用接地または共通アース-
8CDDCDCFReceived Line Signal Detectorデータチャンネル受信キャリア検出← DCE
9---Unassigned未使用-
10
11
12BCD-SCFSecondary Received Line Signal Detector従局受信キャリア検出← DCE
13BCS-SCBSecondary Clear to Send従局送信可
14BSD-SBASecondary Transmitted Data従局送信データDTE→
15ST2TXC2DBTransmission Signal Element Timing送信信号エレメントタイミング← DCE
16BRD-SBBSecondary Received Data従局受信データ
17RTRXCDDReceiver Signal Element Timing受信信号エレメントタイミング
18---Unassigned未使用-
19BRS-SCASecondary Request to Send従局送信要求DTE→
20ERDTRCDData Terminal Readyデータ端末レディ
21SQD-CGSignal Quality Detectorデータ信号品質検出← DCE
22CIRICERing Iidicator被呼表示
23SRS-CI/CHData Signal Rate Selectorデータ信号速度選択← /→
24ST1TXC1DATransmitter Signal Element Timing送信信号エレメントタイミングDTE→
25---Unassigned未使用-
形Z3Rの時分割多重回路

●時分割多重回路

ハンドシェイクタイプの形Z3R(フリーランタイプは除く)では、1本の光ファイバを通じて、送信(または受信)するため、パラレル信号をシリアル化(またはシリアル信号をパラレル化)する時分割多重回路が使われています。

形Z3Rと同期通信

●RS-232Cの同期通信

クロス、ストレートいずれの場合でも使用します。

クロスケーブルの場合(形Z3RN)

ストレートケーブルの場合(DTEクロック)

ストレートケーブルの場合(DCEクロック)

同期通信の場合、タイミングクロックをST1(またはST2)ラインで伝送します。
 ST1:DTEでつくったクロックをDCEに送る場合
 ST2:DCEでつくったクロックをDTEに送る場合
 RT :DCEのタイミング
ST1、ST2は両方同時に使用されることはありません。

●タイミングクロックとデータ信号

送信信号エレメント・タイミングと送信データ

(a)データ端末装置がクロックをつくる場合

(b)モデムがクロックを発生する場合

受信信号エレメント・タイミングと受信データ

形Z3R ファイバ断・電源断時の出力形態

ファイバ断線時や電源断時には、電線を使ったRS-232Cとは異なった出力形態を示す。さらに光RS-232Cの中でも、フリーラン(タレ流し)とハンドシェイクタイプでは異なったモードになります。

●形Z3R-Fの場合

  • 光出力
    投光:電源(ON)で入力②((-)レベル入力、入力OPEN)
    消光:電源(OFF)または入力②((+)レベル入力)
  • 出力信号(③番ピン)
    データ保持は行わず、光を受光しているか、いないかのみで出力レベルが決定する。
    0V:自分の電源(OFF)
    (+)レベル:自分の電源(ON)、光を(消光)
    (-)レベル:自分の電源(ON)、光が(受光)

*入力ピン②のOPENは(-)レベル入力時と同じ。

●形Z3R-Hの場合(各出力信号の状態)

  1. 自電源OFFで〔0V〕
  2. 自電源・相手電源ONで、ファイバONで相手入力(+)レベルのときのみ〔(+)レベル出力〕
  3. ①②以外の場合〔(-)レベル出力〕
  4. 通信途中でファイバOFFすると、〔(-)レベル出力〕となるが、過渡的に(+)レベル出力が出る可能性がある。
GP-IBの概要

計測システム用のデータ8ビットバスで、ネットワーク構成ができる。
規格では機械的、電気的、機能的仕様が規定されています。

●構成

  • データバス(8ビット)
    DIO1~8
  • ハンドシェイクライン(3ビット)
    DAV(DAta Valid)
    NRFD(Not Ready For Data)
    NDAC(Not Data ACcepted)
  • バス管理ライン(5ビット)
    ATN(ATteNsion)
    REN(Remote ENable)
    IFC(InterFace Clear)
    SRQ(Service ReQuest)
    EOI(End Of Identity)

●仕様

  • 機械的仕様:バスのコネクタ、ピン配列、ケーブルなど。
  • 電気的仕様:バスドライバ、レシーバ、信号のタイミングなど。
  • 機能的仕様:インターフェースの機能、インターフェースメッセージ、バス構造など。
接続機器数1種類のバスケーブルにより最大15台まで可能
接続バス長星状またはいもづる式に接続可能。
総バス長は20m以内。
バス信号線16本、内8本がデータライン、8本が制御および状態表示用
メッセージ伝送方式3線式ハンドシェイクによるバイト直列、ビット並列の非同期伝送
データ伝送方式最大1Mバイト/s(ただしバス長を制限した場合)
250k~500kバイト/s(バス最大長にて)
アドレス機能トーカアドレスおよびリスナアドレス、おのおの31種(1次アドレス)
2次アドレスはおのおの961種まで可能
最大1台のトーカから14台のリスナへのデータ伝送可能
制御権の移行マルチコントローラシステムでは、アクティブコントローラから他のコントローラにシステム制御権を委譲する
ことが可能
ドライバ/レシーバTTLレベル

●接続

コネクタピン配置図

端子No.名称端子No.名称
1DIO113DIO5
2DIO214DIO6
3DIO315DIO7
4DIO416DIO8
5EOI17REN
6DAV18DAVのグランド
7NRFD19NRFDのグランド
8NDAC20NDACのグランド
9IFC21IFCのグランド
10SRQ22SRQのグランド
11ATN23ATNのグランド
12シールド24ロジックのグランド

●信号機の機能

データライン(Data Line)........................................ DIO1~8の8本

データ、コマンドの入出力信号線。送られている情報がデータなのか、コマンドであるかはATN信号線の状態で識別する。
(例)3Fh(ASCIIの?)
   ATN信号線 LOW(コマンドモード):コントローラから送られた
           UNL(アンリスン)、HIGH(データモード):トーカから送られたデータ

ハンドシェイクライン(Handshake Line)...................................DAV、 NRFDおよびNDACの3本

送受信を正しく行うための信号線。

  • DAV(DAta Valid)……トーカが使用
    トーカ(送信者)から送られたデータライン上の情報が有効であることを示す。
  • NRFD(Not Ready For Data)……リスナが使用
    リスナ(受信者)は受信が可能な状態であることを示す。
  • NDAC(Not Data ACcepted)……リスナが使用
    リスナ(受信者)はトーカ(送信者)からのデータ(データラインの情報)を引き取ったことを示す。

管理ライン(Control Line)..........................ATN、REN、IFC、SRQおよびEOIの5本

  • ATN(ATteNtion)……コントローラ
    データライン(DIO1~8)上の情報がデータなのか、コマンドであるかを識別するための信号線。コントローラのみが制御できる信号線。
  • REN(Remote ENable)……コントローラ
    GP-IB バス上に接続されている各機器をリモート動作させるか、またはローカルで動作させるかを通知する信号線。コントローラのみが制御できる信号線。
    リモート:信号線のレベルはLOW(True)
    GP-IB バスに接続されている各機器はコントローラからの指令により動作しなければならない。送受信もコントローラからの指令により行う。
    ローカル:信号線のレベルはHIGH(False)
    各機器はGP-IB バスにつながれていてもコントローラからの指令により動作しなくてもよい。つまり無視してもよい。パネル面のスイッチを使って個々単独に使用可能。
  • IFC(InterFace Clear)……コントローラ
    インターフェースをクリアするための信号線。電源投入時の回線初期設定やGP-IBバスがロックしてしまい、以降の処理が続行不可能なとき使用する。
  • SRQ(Service ReQuest)……トーカ
    各機器から使用される割り込み要求信号線。たとえば、プリント中に紙切れとなり、以降の処理ができないときとか電圧測定が完了したことを通知するときに使用します。
  • EOI(End Of Identify)……コントローラ、トーカ
    EOI信号線は次の2種類の用途に使います。
    ・送信メッセージの終了(デリミタ) を示す。
    ・コントローラがパラレルポール要求を行うとき。

●GP-IBの通信方式

  • ハンドシェイクシーケンス
  • メッセージ伝送(例)

伝送時間の一例(装置によって異なります。)
 T1=27μs
 T2=59μs×3μs
 T3=20μs×10μs(メッセージ)
 T5=59μs×2μs(デリミタ)
 T=T1+T2+…+T5=932μs

PC上位リンクと形Z3R光RS-232Cリンク

上位リンクユニット(PC)と上位コンピュータ(パソコン)間の物理的インターフェースは以下に示す接続になっています。
したがいまして、形Z3Rシリーズの中で使用可能な機種は、以下の2機種です。
 形Z3R-FC12(PCF、1km max.、供給電源 DC+12VまたはACアダプタ使用)
 形Z3R-FC5(PCF、1km max.、供給電源 DC+5V)
上記以外の機種をお使いになった場合は、正しい通信が行えない場合があります。

●電気的特性

EIA RS-232Cに準拠。

●接続信号

回路No.回路名称略称信号方向ピン番号
入力出力
101保安用接地またはアースFG--1
102信号用接地または共通帰線SG--7
103送信データSD2
104受信データRD3
105送信要求RS4
106送信可CS5
108.2データ端末レディER20
113送信信号エレメントタイミング1ST124
114送信信号エレメントタイミング2ST215
115送信信号エレメントタイミングRT17

注. 信号方向は、上位リンクユニット側から見た方向です。

●接合コネクタ

DB-25P形コネクタ(JAE)または同等品

●コネクタカバー

DB-CZ-J6

●接続方法


最終更新日:2024年03月01日