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オムロンの取り組み

機械安全-製造現場を守る技術

製造現場における安全

● 今、製造現場の安全が注目されています

国内の生産現場では、熟練労働者の退職、若年労働層の減少などの雇用形態の変化の一方で、機械が労働者に代わって作業や補助をする機会が増え、人と機械の関係が変化しています。またニーズの多様化に対応した短納期・多品種生産のために機械がますます高機能化しています。

海外市場を見ると、グローバル化が進むにつれ、生産設備・機械も国境を越え、さまざまな国の法令やインフラ、人的環境の中で使われることになりました。各国の事情は異なりますが、生産現場において労働者を保護する労働安全・機械安全についてはすでに法令化されていて、事業者に厳しく責任が問われるようになってきています。

機械装置の安全設計はグローバルの常識

こうして、国内外の労働環境や法規制などの変化を背景に、企業は機械の安全化対応やリスクから作業者を守る対策が重要な経営課題となっているのです。

● 機械安全の重要性

生産現場の安全を確保する方法には「機械安全」と「労働安全」があります。そのどちらが欠けても安全は確保できません。
「労働安全」とは、作業者の意識や行動、作業手順などの運用に関わる安全を指します。よって、人と教育に依存した安全といえます。
しかし、ミスをしない人間はいません。また故障しない機械はありません。「人は間違える、機械は壊れる」を前提に、機械の設計手順や安全防護(安全装置)などにより機械本体を安全にすることが「機械安全」です。機械安全は機械が壊れても、人が間違えても、技術によって安全を確立するのです。

機械安全の重要性

● 法整備が進む安全の国際規格

欧州連合(EC)が、EU域内での自由な流通化を加速するために各種法整備と規格化を進め、「EC指令」と呼ばれる共通のルールを制定。それを背景に安全市場が拡大しました。先行する欧州を追いかけるように各エリアの法規格整備が進み、新興国でも安全規格の整備が急速に進んでいます。

機械安全に関する国際規格

機械安全の分野においても技術標準が体系化されていて、国際規格では機械系はISO、電気系はIECが規定しています。そして、各国の規格と国際規格の整合がはかられています。日本では日本工業規格(JIS)がそれに対応しています。

そのため、機械装置設計における規格対応は、「国際規格/業界規格の最新情報を入手して、新規や改定内容を把握する」「EN、UL、JISなど関連規格との相違点を把握する」「相違点を含めたグローバル設計を実施する」の3点が重要になります。

● 機械安全を実現するには?

機械安全では、事故が「起こってから」策を講じるのではなく、事故が「起こる前」にあらかじめ方法を検討し、策を講じます。

電気や電磁波などへの安全確保とは異なり、機械の動きから人を防護する「機械安全」は、機械だけで完結できない要素が多く、作業者のシーンに応じた危険に対するリスク度合いの検証と安全対策を行うことが求められます。それには対象機械のアセスメントから取り組む必要があるのです。

機械類の安全性は、「機械類の安全性、設計のための一般原則、リスクアセスメント及びリスク低減(ISO 12100:2010)」で規定されています。

詳しくは、リスクアセスメント ISO 12100をご覧ください。

● 機械安全を支える安全機器

安全機器には、入力機器(Input)、制御機器(Logic)、出力機器(Output)があります。
入力機器(Input)は、人体の侵入、存在を検知するセーフティライトカーテン、ガードの開閉状態を検知するセーフティドアスイッチ、非常停止スイッチなどがあります。
制御機器(Logic)は入力機器からの信号を受け、機械の起動可否を判断します。セーフティリレーユニット、セーフティコントローラがあります。
出力機器(Output)はセーフティコントローラの信号を受け、動力を遮断します。セーフティリレー、コンタクター、サーボドライバなどがあります。

安全の確保

● オムロンのセーフティソリューション

オムロンのコア技術である「センシング&コントロール」技術により、さまざまなセンサやコントローラを開発。さらに商品だけでなく、コンサルティング、アプリ提案やSEサポートなどトータルなソリューションを提供しています。

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