ファイバセンサは、ファイバアンプからの光をファイバユニットで伝送することで、狭い場所などでの検出を可能とした光電センサです。ここではファイバセンサの参考資料を示します。
①M.S.R.機能(Mirror Surface Rejection:鏡面体光沢除去)
〔原理〕
回帰反射形センサ内蔵の偏光フィルタと回帰反射板の特性を利用し、回帰反射板からの反射光だけを受光する機能、機構です。
〔目的〕
表面が鏡面状の検出物体を安定して検出するための一方法です。
このような検出物体からの反射光は偏光方向が横方向のままなので受光側の偏光フィルタを通過できません。
〔例〕
検出物体の表面が粗く、光沢のない検出物体の場合にはM.S.R.機能がなくても検出可能です。
これに対して検出物体の表面が滑らかで光沢を帯びている場合、M.S.R.機能がないと安定検出ができません。
検出物体がない場合 投光部からの光が反射板に当り、受光 部にもどります。 ![]() | 光沢のない検出物体の場合 投光部からの光は検出物体で遮られ、 反射板に到達せず、受光部にはもどり ません。 ![]() | 検出物体の表面が滑らかで光沢がある 場合(例:電池、缶詰など) 投光部からの光が検出物体で反射して、 その反射光が受光部にもどります。 ![]() |
〔注意〕
光沢度の非常に高い検出物体やフィルムなどを貼りつけた光沢物体を検出する場合、動作が安定しないことがあります。
このような場合は検出物体の表面に対してセンサを斜めに取りつけてください。
②複屈折を持つ透明体検出技術 P-opaquing機能
透明体の検出において、検出物体の形状による屈折や、表面の反射による光量減衰による検出方式では、十分な余裕度を確保することは困難です。
この機能では、複屈折を利用することで余裕度を大幅に向上させました。検出物体を通過する際に乱れた偏光成分をオムロン独自の特殊偏光フィルタによりカット、受光量を大きく減衰させることにより、高い安定検出、簡単な感度調整を実現しました。
「P-opaquing」は、「偏光(Polarization)を応用し、複屈折を持つ透明体を不透明にする(Opaquing)」という意味の造語です。
③ファイバケーブル長の影響
ファイバユニットの仕様一覧に掲載しております検出距離は、形式末尾に付いていますファイバケーブル長での値です。
ファイバケーブル長をカット・延長すると検出距離は変化します。
下記グラフはファイバケーブル長2m品の検出距離を100%とした場合の各ファイバケーブル長での検出距離比率です。
設置距離の目安として参照ください。
ただし、ファイバコネクタを用いて延長された場合、検出距離は上記比率よりさらに短くなりますのでご注意ください。
* ファイバケーブル長 2mを100%とする(透過形/反射形共通)
④(反射形) 物体種類別 検出距離比率
下記グラフは弊社標準検出物体の白画用紙の検出距離を100%とした場合の各種物体での検出距離比率です。
お客様の検出物体に近いものの値を、設置距離の目安としてください。
* 白画用紙を100%とする
⑤表面色と光源の反射率
表面色の反射率特性
カラーマークの判別可能な色(代表例)
数値は、余裕度(=受光量の比率、代表例)を表しています。大きな値ほど安定検出が可能です。
白色光源タイプは、すべての組合せに対応できます。
センサ光源色 | 商品分類 | 形式 |
赤色光源 ![]() | ファイバセンサ | 形E3NX-FA、形E3NX-MA |
形E3X-HD | ||
形E3X-ZV、形E3X-MZV | ||
形E3X-SD | ||
形E3X-NA | ||
白色光源 ![]() | ファイバセンサ | 形E3NX-CA |
⑥よくある質問集
分類 | 質問 | 回答 |
ファイバ ユニット | ファイバユニットには投・受光の 区別がありますか? | 透過形ファイバには投・受光の区別がありません。 反射形ファイバは、同軸反射形に投・受光の区別があります。 投光用ファイバに識別要素を入れておりますので、詳細はファイバ ユニットの各外形寸法を参照ください。 |
ねじ型や円柱型の取りつけ穴は どれぐらいの寸法で開ければ いいですか? | カタログなどに記載されている「推奨加工穴寸法」を参照ください。 | |
ファイバケーブルの長さ違いは ありますか? | 5m、10mをご用意している形式があります。 詳細は当社営業担当者にご確認ください。 | |
CE対応していますか? | ファイバユニットは電気的仕様を持っておりませんので、対象外で す。 | |
レンズイン・ファイバユニットとは 何ですか? | レンズイン・ファイバユニットはレンズを内蔵しており、ハイパ ワーにより安定検出できるオススメの新標準ファイバです。 | |
ファイバ アンプ | 形E3X-HDシリーズは、他の ファイバアンプと連結して使え ますか? | 形E3X-HDシリーズは形E3X-HDシリーズと形E3X-DA-S/MDAシ リーズ*1とだけ連結使用できます。 |
形E3NX-FAシリーズ、形E3X-HD シリーズではモバイルコンソール は使用できますか? | 形E3NX-FAシリーズ、形E3X-HDシリーズともにお使いいただけま せん。 | |
形E3NX-FAシリーズ、形E3X-HD シリーズではセンサ通信ユニット は使用できますか? | 形E3NX-FAシリーズは形E3NX-FA0をお使いいただきますと、 形E3NW-ECT(EtherCAT)、形E3NW-CRT(CompoNet)、 形E3NW-CCL(CC-Link)とお使いいただけます。 形E3X-HDシリーズは形E3X-HD0をお使いいただきますと、 形E3X-CRT(CompoNet)もしくは形E3X-ECT(EtherCAT)と お使いいただけます。*2 |
*1. 形E3X-DA-Sは2017年3月に受注終了しました。形E3X-MDAは2021年8月に受注終了しました。
*2. 形E3X-HD0、形E3X-CRT、形E3X-ECTは2024年10月に受注終了しました。
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