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接続・省配線機器 用語解説


接続・省配線機器とは、接続部をコネクタ化した、機器や回路などを接続(配線)するための機器です。ここでは接続・省配線機器の用語解説を解説します。

関連情報


名称

●コンタクト、ハウジング(モールド)

コンタクト:電気的に接続するための金属部品、接触端子
ハウジング(モールド):コンタクトを適切な配列で保持し、コンタクト間ならびにその他導体から絶縁する絶縁体。

●プラグ、ソケット

コンタクトの接点部形状による種別、またはそのコンタクトを持つコネクタの種別

プラグ:
オス、ピンヘッダー、ポストと同義
固定側接点
ソケットコンタクトとかん合し電気的接続をします。

ソケット:
メス、リセプタクルと同義
可動側接点
プラグコンタクトとかん合し電気的接続をします。

●ハーネス

コネクタに電線が取り付けられた状態のもの

●最小梱包単位

工場出荷時の最小梱包単位数

●極数

コンタクトの数
ピン数と同義

●ピッチ(列間)

長手方向の端子と端子の間隔(中心間距離)
その他に長手方向の端子の列と列の間隔(中心間距離)を指す列間ピッチがあります。

●スルーホール

コネクタの端子とプリント基板の配線パターンを接続するために端子を挿入する穴
コネクタの端子をこの穴に挿入し、はんだなどで接続することで電気的な接続が行われます。プリント基板の配線パターンの裏表を接続する目的で使用される穴を指す場合もあります。

●AWG

AWGとは、American Wire Gaugeの略で、米国で一般的に使用されている電線の芯線断面積などを表す導体寸法規格

●めっき

金属などの材料の表面に、金属の薄膜を被覆した表面処理
(例:金メッキ、錫メッキなど)

●コーディング

コネクタかん合時に誤挿入防止のためにハウジングへ加工を施すこと

●単線、より線

いずれもケーブルの導体構造を示します。単線は1本の導体のため、ケーブルがやや固くなりますが、長距離の伝送に向いています。より線が細い導体を摺合せのため、ケーブルが柔らかく引き回しが良くなりますが、長距離の伝送には不安定になる傾向があります。オムロンでは主により線タイプのケーブルを採用しています。

●カテゴリ、Cat(=Category)

伝送特性(通信速度)を示すイーサネットコネクタ、ケーブルの規格です。カテゴリの数字が大きくなるほど高速通信に対応できます。接続機器の推奨カテゴリもしくはそれ以上のコネクタケーブルを選定し使用します。

●STP、FTP

電線を2本対でより合わせたケーブルはツイストペアケーブルと呼ばれ、ノイズの影響を受けにくいため、イーサネットはじめ通信用ケーブルとして最も普及しています。工場(FA)の生産設備で使用する際は、さらにシールド加工を施すことで耐ノイズ性を向上しており、それをSTP(=Shielded Twisted Pair、シールドツイストペア)もしくはFTP(=Foilded Twisted Pair)ケーブルと呼びます。

●UTP

UTP(=Unshielded Twisted Pair)は非シールド加工(シールドなし)のツイストペアケーブルです。シールド加工されているSTP、FTPと区別されています。

●一重遮へいシールド、二重遮へいシールド

工場(FA)の生産設備で使用するイーサネットケーブルは、シールド加工されているSTPもしくはFTPが一般的です。一重、二重はシールドの数を示しており、一重の場合はF/UTP、二重の場合はS/FTPといったように全体/要素シールドTP(ツイストペア)で表記されます。

●ストレート/クロスケーブル(結線)

ケーブル内の電線が交差しない(ケーブル両側で同じピン配列)ものをストレートケーブル、途中で交差する(ケーブル両側で異なるピン配列)ものをクロスケーブルと呼びます。オムロンでは主にストレートケーブル(結線)を採用しています。

●PoE

PoE(=Power over Ethernet)は、IEEE802.3atで標準規格化され、カテゴリ5以上のイーサネットケーブルを用いてPoE対応の機器へ電力を供給できます。ACアダプタが不要になるため、省配線ができます。

構成・構造

●バス接続

1本の幹線に複数の機器を1台ずつつなげていく接続方法です。他の接続形態よりもケーブルが短く済む、ハブなどの中継装置が不要なためローコストで構築できるメリットがあります。

●デイジーチェーン接続

周辺機器などをケーブルによって接続する方式のうち、周辺機器を数珠つなぎにつないでいく接続方法です。配線が効率的に行え、万が一、ケーブル不良が発生した際も交換を早くできるメリットがあります。

●ツリー接続

1本のルートノードから枝分かれ上に配線、周辺機器を接続していく接続方法です。周辺機器(ノード)間で影響がないため、障害に強いメリットがあります。

●スター接続

複数の周辺機器(ノード)をスイッチングハブなどを介してスポーク車輪のような形に配線する接続方法です。配線自由度が高く、スイッチングハブに接続しているケーブルは独立しているため、障害に強いメリットがあります。

電気的性能

●定格電流

コネクタの使用の基準となる電流
通常コネクタの接触部、接続部等の温度上昇限度により規定されます。

●定格電圧

コネクタの使用の基準となる電圧

●接触抵抗

通常の使用状態で、コネクタをかん合させたときのコンタクト間の電気抵抗
この電気抵抗は規定された試験電流を通電し、規定されたコンタクトの部位における電圧を測定することで求められます。したがって常にコンタクトの導体抵抗を含みます。また通常は低レベル接触抵抗(測定電流100mA以下、開放電圧20mV以下)を表します。

●絶縁抵抗

コネクタの隣接コンタクト間およびコンタクトとその他の隣接金属間に指定の電圧を加えたとき、絶縁物を通じて流れる漏れ電流に対する抵抗値

●耐電圧

コネクタの隣接コンタクト間およびコンタクトとその他の隣接金属間において、一定時間(通常1分間)絶縁破壊、せん絡等の異常が発じない電圧の限界値

機械的性能

●挿抜耐久

コネクタが許容できるかん合(挿入)・離脱(抜去)の繰り返し動作の最小回数
ただし、下地めっきが表面に露出し始めた時点を目安として回数を設定しています。

注. 接触抵抗値の上昇限界を示した回数ではありません。

●使用温度範囲

コネクタを適正な状態で使用できるコネクタ近傍の雰囲気温度の範囲
(ただし、低温においては氷結しないこと)

●振動

コネクタが機械的振動を受けたとき、コネクタの性能および特性を満足する振動の範囲

規格情報

●IEC規格(仕様およびかん合形状寸法)

M12コネクタの仕様およびかん合形状寸法がIEC 61076-2-101にて規定されています。

オムロンでの形式例

M8丸型コネクタの仕様およびかん合形状寸法がIEC 61076-2-104にて規定されています。

オムロンでの形式例

注1. 同じコーディングでも極数により定格電圧/電流値が異なります。ご注意ください。
 2. M12コネクタの場合、3、4、5極タイプはピン配置が共通しております。
   そのため、コーディングが同じかつ「プラグの極数<or=ソケットの極数」であれば、異なる極数でもかん合できます
   (例:A-coding 4極プラグはA-coding 5極ソケットとかん合可能。)。
   M8コネクタの場合は極数が異なるとかん合できません。
   必ずコーディングと極数が同じものを組み合わせてご使用ください。
 3. M12コネクタは上記以外に5極、8極タイプがございます。
   詳細は「M12/M8丸型コネクタカタログ」(カタログ番号:CDJC-011)、「DeviceNet カタログ」
   (カタログ番号:SBCD-093)をご確認ください。


最終更新日:2025年04月14日