光電センサは、光の様々な性質を利用して物体の有無や表面状態の変化などを検出するセンサです。ここでは、光電センサに関する主な用語を解説します。
項目 | 説明図 | 意味 | |||
検出距離 | 透過形 | 透過形、回帰反射形では 製品のバラツキや温度変化などを考慮し、安定して設定できる最大の検出距離です。 標準状態における実力値は、各方式とも定格検出距離より長くなります。 | |||
回帰 反射形 | |||||
拡散 反射形 | 拡散反射形では 標準検出物体(白画用紙)で、製品のバラツキや温度変化などを考慮し、安定して設定できる最大の検出距離です。 標準状態における実力値は定格検出距離より長くなります。 | ||||
限定 反射形 | 限定反射形では 左図の光学系のように、投光軸と受光軸が検出物体の表面で同じ傾き角θで交差するように設計されています。 この光学系では、物体からの正反射光が安定して検出できる距離範囲が検出距離になります。従って、検出距離はその下限と上限によって、「10~35mm」のように表現されます。(「分類」参照) | ||||
マーク センサ | マークセンサでは 左図Aの光学系のように一つのレンズで投光と受光を兼用する同軸光学系が使用されています。この光学系では、センサと検出物体(マーク)間距離の変動に対する安定性が優れています。(旧機種では、投光レンズと受光レンズが分かれているものがあります。) 検出距離は、投光スポットが最小となる位置である中心検出距離と、その前後の検出可能範囲として規定されます。(例:12.5±2mm) | ||||
設定範囲/ 検出範囲 | 距離 設定形 | 距離設定形では 物体の検出位置限度を設定できます。標準検出物体(白画用紙)に対して設定できる範囲を設定範囲と呼びます。 設定された位置を限度として、物体の検出できる範囲を検出範囲と呼びます。検出範囲はセンサの検出モードによって異なり、設定位置からセンサ側に存在する場合(BGSモード)や、設定位置から遠方側に存在する場合(FGSモード)があります。(「分類」参照) | |||
指向角 | 透過形、回帰反射形 光電センサとして動作可能な角度範囲です。 | ||||
応差の距離 | 拡散反射形、距離設定形 動作距離と復帰距離の差です。 一般にカタログでは定格検出距離に対する比率で表しています。 | ||||
不感帯 | 拡散反射形の例 | マークセンサ、距離設定形、限定反射形、拡散反射形、回帰反射形では、レンズ面直近で投光エリア、受光エリアから外れる領域のことを「不感帯」と呼び、不感帯では検出不可能です。 | |||
応答時間 | 光入力の立上り/立下りから、制御出力が動作または復帰するまでの遅れ時間を「応答時間」と呼びます。 光電センサでは一般的に、動作時間(Ton)≒復帰時間(Toff)です。 | ||||
しゃ光動作 (DARK ON) | 透過形、回帰反射形 拡散反射形 | しゃ光動作(ダークオン)とは 透過形において投光ビームをさえぎる場合など、受光器に入る光量が基準以下に減少したときに出力する動作で、 動作モード:しゃ光時ON、DARK ON と表します。 入光動作(ライトオン)とは 拡散反射形において検出物体が接近する場合など、受光器に入る光量が基準以上に増加したときに出力する動作で、 動作モード:入光時ON、LIGHT ON と表します。 | |||
入光動作 (LIGHT ON) | 透過形、回帰反射形 拡散反射形 | ||||
使用周囲照度 | 使用周囲照度と動作限界照度のちがい 受光面照度 | 使用周囲照度は受光器の受光面照度で表し、受光出力が200lx時の値に対し±20%変化する時の照度を「使用周囲照度」と定義します。 誤動作するまでの動作限界照度ではありません。 | |||
標準検出物体 | 透過形 回帰反射形 拡散反射形 | 透過形、回帰反射形とも光学系の対角線の長さより大きな直径をもつ不透明体のロッドを標準検出物体としています。 一般的には透過形では投・受光レンズの対角線の長さ、回帰反射形では反射板の対角線の長さが標準検出物体の直径となります。 反射板による標準物体の大きさ | |||
反射板形式 | 光学系の対角線 | 検出物体 | |||
形E39-R1/R1S/R1K | 72.2mm | Φ 75mm | |||
形E39-R2 | 100.58mm | Φ 105mm | |||
形E39-R3 | 41.44mm | Φ 45mm | |||
形E39-R4 | 26.77mm | Φ 30mm | |||
形E39-R6 | 56.57mm | Φ 60mm | |||
形E39-R9 | 43.7mm | Φ 45mm | |||
形E39-R10 | 66.47mm | Φ 70mm | |||
形E39-RS1 | 36.4mm | Φ 40mm | |||
形E39-RS2 | 53.15mm | Φ 55mm | |||
形E39-RS3 | 106.3mm | Φ 110mm | |||
形E39-R37-CA | 13.4mm | Φ 15mm | |||
拡散反射形では投光ビーム径より大きな白画用紙を標準検出物体としています。 | |||||
最小検出物体 | 透過形 回帰反射形 拡散反射形 | 透過形、回帰反射形は定格検出距離で感度を安定入光動作レベルに調整し、検出可能な最小検出物体を代表例として記載しています。 反射形では感度を最大に設定し、検出可能な最小検出物体を代表例として記載しています。 | |||
スリット装着時の最小検出物体 | 透過形 投・受光器両方にスリットを装着し、スリット装着時の定格検出距離で感度を正しく入光動作するレベルに設定して、左図のようにスリットの長手方向と検出物体を平行に移動させ検出が可能な最小の検出物体を代表例として記載しています。 |