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圧力センサ 用語解説


圧力センサとは気体や液体の圧力をダイヤフラム(ステンレスダイヤフラム、シリコンダイヤフラムなど)を介して、感圧素子で計測し、電気信号に変換し出力する機器です。ここでは、圧力センサの用語を解説します。

概要用語解説

関連情報


圧力センサ全般

●ゲージ圧力

大気圧を基準にして表した圧力の大きさのことです。
大気圧より高い圧力を“正圧”、低い圧力を“負圧”といいます。

●絶対圧

絶対真空を基準にして表した圧力の大きさのことです。

●差圧(相対圧)

ある任意の比較する圧力(基準圧)に対して表した圧力の大きさのことです。

●大気圧

大気の圧力のことをいいます。標準大気圧(1atm)は高さ760mmの水銀柱による圧力に相当します。

●真空

大気圧より低い圧力の状態をいいます。

●検出圧力範囲

センサの使用可能な検出圧力範囲のことです。

●耐圧力

検出圧力に復帰したとき、性能の低下をもたらさずに耐え得る圧力のことです。

●繰返精度(ON/OFF出力)

一定温度(23℃)において、圧力を増減する時、出力が反転する圧力値を検出圧力のフルスケール値で割った、動作点圧力変動値をいいます。

●精度(リニア)

一定温度(23℃)において、零圧力および定格出力を印加したときの出力電流の規格値(4mA、20mA)からのずれの値をフルスケール値で割った値をいいます。

単位は%F.S.で表します。

●直線性(リニア)

アナログ出力は検出圧力に対して、ほぼ直線的に変化しますが、理想直線から若干のズレがあります。このズレをフルスケールに対する%で表したものです。

●ヒステリシス(リニア)

零圧力と定格圧力で各々の出力電流(または電圧)値間に理想直線を引き、実測電流(または電圧)値と理想電流(または電圧)値の差を誤差値として求める。圧力上昇時の誤差値と圧力下降時の誤差を求めそれらの差の絶対値の最大値をフルスケールの電流(または電圧)値で割った値をいいます。単位は%F.S.で表します。

●ヒステリシス(ON/OFF出力)

出力のON点圧力とOFF点圧力の差を圧力のフルスケール値で割った値をいいます。

●非腐食性気体

空気中に含まれる物質(チッ素、二酸化炭素など)と不活性ガス(アルゴン、ネオンなど)のことです。

●圧力単位変換表

kgf/cm2mmHgmmH2O
(mmAq)
Pa
1kgf/cm21735.5591.000028×1040.0980665M
1mmHg1.3595×10−311.3595×100.133322k
1mmH2O0.99997×10−47.356×10−210.00980665k
1Pa(N/m21.0197×10−57.5006×10−30.101971

●出力インピーダンス

1. 電圧出力タイプの出力インピーダンスの測定方法

図1

Ro :出力インピーダンス [Ω]
Rx :負荷抵抗 [Ω]
Eo :出力電圧(端子開放時) [V]
Ex :出力電圧(負荷Rx接続時) [V]
Ix :負荷電流(負荷Rx接続時) [A]

図1において負荷抵抗(Rx)を接続したときに流れる電流(Ix)は、

(1)式から出力インピーダンス(Ro)を求めると、

となります。
ここで、出力開放時の電圧(Eo)を測定します。次に負荷抵抗(たとえば変換器の許容負荷抵抗の最小値)を接続したときの電圧(Ex)を測定します。測定したEoとExの値と、接続した負荷抵抗値(Rx)とを式(2)に代入して変換器の出力インピーダンス(Ro)を算出します。

2. 電流出力タイプの出力インピーダンスの測定方法

図2において、負荷抵抗(Rx)を接続したときの出力端子の電圧(Ex)は、

Ex = IxRx =(Io-Ix)Ro ・・・(3)

(3)式から出力インピーダンス(Ro)を求めると、

となります。
ここで、出力短絡時の電流(Io)を測定します。

図2

Ro :出力インピーダンス [Ω]
Rx :負荷抵抗 [Ω]
Io :出力電流(端子短絡時) [A]
Ix :出力電流(負荷Rx接続時) [A]
Ex :出力電圧(負荷Rx接続時) [V]

次に負荷抵抗(たとえば変換器の許容負荷抵抗の最大値)を接続したときの電流(Ix)を測定します。測定したときのIoとIxの値と、接続した負荷抵抗値(Rx)とを式(4)に代入して変換器の出力インピーダンス(Ro)を算出します。
なお、ここに紹介した変換器の出力インピーダンスは正常動作しているときの値です。

3. 望ましい出力インピーダンス

一般的に、変換器の負荷変動による影響を極力少なくするため、電圧出力タイプの変換器の出力インピーダンスはできる限り小さい値、すなわち0Ωに近いほど良いとされています。
また、電流出力タイプの変換器はその逆で、より大きい値、すなわち無限大であることが良いとされています。

4. インピーダンスを用いた計算例

Rx誤差
1kΩ約10%
10kΩ約1%

最終更新日:2024年04月01日