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統合プラットフォーム

産業用PCによる制御と情報の融合 後編
~市場変化への打ち手~

前編 では、製造業の市場変化、業界ごとのコントローラの棲み分けとPCのFA分野への浸透についてお話ししました。
図にまとめるとこんな感じになります。

市場の3つの変化

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下の図はPLCとIPCの年間平均成長率(CAGR)をしています。調査会社のデータによると、2020年に向かってIPCが今後大きく成長していくことが予想されています。

PLCとIPCの2020年時点の市場規模と成長率予測

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全体の流れの説明はこれくらいにして、ここからは、もう少し具体的に業界の変化を見ていきましょう。

業界変化の変化が生み出すIPCの活用場面

業界変化の変化が生み出すIPCの活用場面

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自動車、デジタル、三品(食料品、薬品、化粧品)といった業界では、制御への要求に変化が生まれています。

たとえば、自動車業界では従来はレシプロエンジンだったものが、モータになり、これまでガソリンで動いていたものが今は電気で動いています。ボディも軽量なカーボン素材になるなど、加工技術や製造技術が大きく変わってきます。 こういった変化に適応するために、IPCという、より自由度が高いものが必要になってきます。特に検査工程などはより複雑になっていますので、こういったところでIPCが多用されていくでしょう。

デジタル業界では、スマートフォンに代表されるように、大容量化、通信の高速化が進み、中で使われている半導体はより小型化、大容量化が求められ、最先端の技術が必要になっています。 これらに対応するには、データを活用し、プロセスを駆使していく中でデータハンドリングに優れたIPCが多用されていきます。

三品業界については、安くてそれなりのものから、より高品質で価格も高くないものが求められています。そうすると、管理された状態で複数の機械で品質・質感を作りこんでいくことが必要です。 先行しているヨーロッパの包装機では、これまでPLCと表示器を組み合わせて実現していたのが、IPC1台で実現しようという流れがあります。

ハード・ドリブン制御からソフト・ドリブン制御へ

ハード・ドリブン制御からソフト・ドリブン制御へ

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従来は市場で要求される機能をハードウェアの形で提供していましたが、IPCでは機能をハードウェアではなくソフトウェアで提供しています。将来はお客様が自分で、実現したいことを自由に組み合わせて付加価値の高いコントローラを作り上げる時代が来ると予測されます。ハード・ソフトの観点からPLCと比較したのが次の図です。

ハード・ドリブン制御からソフト・ドリブン制御へ

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制御と情報処理の融合が進み、制御の核はソフトウェアによって作り上げられようになるでしょう。ハードの形は異なっても、同じソフトが動き同じ機能が実現できる制御コントローラが次世代制御を支えるキーとなる。ソフトウエア・ドリブンによって、やりたいことを「いつでもどこからでも指先で実現できる」 状態が次世代の制御と考えます。IPCはこういった時代のプロローグです。

機能ソフトウェアで専用コントローラを作る

未来志向 ソフトで簡単に必要なコントローラが作れる仕組み

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実際にオムロンのIPCを見てみると、PLC制御を行うソフトウェアを搭載すると高機能なPLCとして動作し、CNC制御が行えるソフトウェアを搭載すると、CNCコントローラとして動作するような仕組みになっています。

多軸モーション機能を搭載すると

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オムロンのIPC、「変化」への打ち手

ここまで説明してきました業界の変化を受けてオムロンが作り上げたものが産業用PCプラットフォームです。

オムロンの産業用PCプラットフォーム

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オムロンのIPCは情報処理と制御を融合させて、より使いやすく、新しい制御に適したコントローラです。将来的にはクラウドやAIといった技術がつながって行くプラットフォームに変わっていきます。この技術を発展させて市場要求に応えていこうというのがオムロンの制御戦略です。

オムロンのIPC、「変化」への打ち手

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制御進化と情報革新の融合を実現するために、オムロンは培った制御ノウハウをベースに、PCアーキテクチャーを活かした情報処理を融合し生産性の向上を具現化していきます。

IPCを使った制御のグローバルでの市場規模を示します。市場が先行しているヨーロッパ、市場規模が大きいアジア、アメリカ。この3つの市場に対してオムロンは4つの種類のIPCをご用意しました。

・PLCの制御が行えるIPCマシンコントローラ
・リアルタイムOS(RTOS)を搭載して制御を行うIPC RTOSコントローラ
・Windowsを搭載した産業用PC
・CNC制御など特化した制御を行うIPCプログラマブル多軸モーションコントローラ

オムロンのIPC、「変化」への打ち手

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製造現場の足元からクラウドまでをシームレスにカバー

ひとつの工場ライン、センサ・ドライブ・安全機器・画像センサといったもの、そしてこれらをつなぐEtherCATネットワーク、この上に機械を動かすPLC、共通言語を持ったPLC、こういったものが、これまでもオムロンの制御機器ラインナップには揃っていました。

さらに、この上にデータを上位ネットワークに上げるIPCを揃えることで、工場を一貫したデータをつなぐ、つまり、生産性をもっとも効率よく向上させることができるシステムを弊社の製品だけで構築することができるのです。

注記:この記事は、2016年12月9日、「Industrial Automation Technology Center(IATC)」で行った講演内容を書き起こし
   抜粋・再構成したものです。内容は2016年12月当時の情報で、現状と異なる場合がありますのでご了承ください。

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