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ロータリエンコーダ 共通の注意事項


ロータリーエンコーダは、回転の機械的変位量を電気信号に変換し、この信号を処理して位置、速度などを検出するセンサです。ここでは、ロータリーエンコーダの共通の注意事項を説明します。

共通の注意事項  

関連情報



各商品個別の注意事項は、各商品ごとの「正しくお使いください」をご覧ください。

警告

プレスの安全装置またはその他の人体保護用の安全装置としてはご使用できません。
本製品は安全性にかかわらない、ワークや作業者の検出用途に使用されることを意図しております。

安全上の要点
  • 定格電圧範囲を超えて、使用しないでください。
    定格電圧範囲以上の電圧を印加すると、破裂したり、焼損したりする恐れがあります。
  • 電源の極性など誤配線をしないでください。破裂したり、焼損したりする恐れがあります。
  • 負荷を短絡させないでください。破裂したり、焼損したりする恐れがあります。
  • 配線は電源OFFの状態で行ってください。電源ONの場合、出力線が電源に触れると出力回路が破損することがあります。
  • 高圧線・動力線と並行して配線しますと誘導を受け誤動作あるいは破損の原因となる場合がありますので、別配線をしてください。
使用上の注意

●取りつけ時

取りつけ手順

取りつけについて

  • 本体には水滴や油がかからないように使用してください。
  • ロータリエンコーダは精密部品で構成されていますので、落下されますと機能を損なうことがあります。
    取扱いには十分注意してください。
  • 可逆回転で使用される場合、本体の取りつけ方向と加減算方向を確認の上、取りつけてください。
  • 設置する装置との原点とエンコーダのZ 相を合わせる場合は、必ずZ相出力を確認しながらエンコーダを取りつけてください。
  • ギヤ結合の場合、シャフトに過大な荷重が加わらないようにしてください。
  • ロータリエンコーダのねじ締めで固定する場合の締め付けトルクは0.49N・mまでにしてください。
  • カプリングを使用する場合は下記の許容値内で取りつけてください。
偏心偏角軸方向変位
  • 取りつけ誤差(偏心、偏角)が大きいとシャフトに過大な荷重が加わり、破損したり極端に寿命が短くなる恐れがあります。
  • チェーン・タイミングベルトおよび歯車で結合する場合は、一度別の軸受で受け、カプリングを使用してエンコーダと結合してください。

形E6A2-C

形E6B2-C
形E6D-C

形E6C2-C

形E6C3-C□H
形E6C3-A

  • シャフトにカプリングを挿入する場合には、ハンマーでたたくなど、衝撃を加えないでください。
  • カプリングの取りつけ・取りはずし時には必要以上の曲げ・圧縮・引張りをかけないでください。

ロータリエンコーダの軸受の寿命

ラジアル荷重およびスラスト荷重を加えた時の軸受けの寿命。(理論値)

形E6B2-Cの場合

形E6C2-C□の場合

形E6C3-C□Hの場合

●配線時

  • 本体を固定し、コードを配線される場合は、コードを29.4N以上の力で引っ張らないでください。

形E6A2-C
形E6J-A/C

形E6B2-C
形E6D-C

形E6C2-C

形E6C3-C□H
形E6C3-A

  • 本体を固定し、コード配線をされる場合コードを引っ張らないでください。
    また本体およびシャフトに衝撃を与えないでください。

●接続時

接続について

  • コードを延長される場合は線抵抗、線間容量の影響により残留電圧の増加、波形のひずみが発生しやすいので、使用されるコードの種類や応答周波数をご確認ください。
    コードを延長される場合はラインドライバ出力タイプをお勧めいたします。ただし、いずれの出力タイプについても欧州EMC指令に適合するのは30m以内に限られます。
    なお、誘導ノイズなどを避けるためにもできるだけ最短距離で配線してください。(特にICに入力される場合)
  • 使用電源にサージが発生する場合、電源間にサージアブソーバを接続してサージを吸収してください。
    また、ノイズなどを避けるためにも配線はできるだけ短くして使用してください。
  • 電源投入時、しゃ断時に誤パルスが発生する場合がありますので、接続されている機器については、エンコーダの電源の投入、しゃ断時より0.1秒後(形E6CP-Aの場合、1秒後)、0.1秒前でご使用ください。
  • 電源投入時、突入電流が流れますので、突入電流値を考慮した電源をご使用ください。

コード延長特性について

  • コードを延長すると、出力波形の立上り時間が長くなりA、B相の位相差特性に影響します。
  • 出力波形の立上り時間はコード長の他に、負荷抵抗、コードの種類により変わります。
  • コードを延長すると立上り時間の変化の他に、出力残留電圧が高くなります。

〈形E6B2-CWZ6Cの場合〉

測定例
電源電圧: DC5V
負荷抵抗: 1kΩ(出力残電圧は負荷電流35mAにて測定)
コード: 専用コード

〈形E6C2-CWZ5Bの場合〉

測定例
電源電圧: DC12V
負荷抵抗: 5mA(出力残電圧は負荷電流35mAにて測定)
コード: 専用コード

ミスカウント防止について

信号の立ち上がり、立ち下がり近傍で静止すると、振動により誤パルスが発生し、ミスカウントすることがあります。
このようなときは、加減算カウンタを使用すれば、誤パルスを累積してカウントすることを防げます。

ラインドライバ出力時のコード延長について

  • ラインドライバのコード延長には、必ずシールド付ツイストペアコードをご使用ください。
    推奨ケーブル:立井電線㈱製TKVVBS4P-02T
    受信側にはRS-422A適合レシーバを使用してくだ
    さい。
  • ツイストペア線はRS-422Aの伝送に適した構造で、下図のように2本の出力をツイストすることで線に発生する起電力を打ち消し合って、ノーマルモードノイズ成分を取り除く特長を持っています。
  • ラインドライバ使用の際はエンコーダにDC5V が供給できるように電源電圧を配慮してください。コード100mで約1V程度電圧ドロップが生じます。

〈ラインレシーバICを使用した場合〉

推奨IC:テキサス・インスツルメンツ社製
      形AM26C32

〈接続について〉

ラインドライバの延長については、はんだづけ、またはコネクタによる接続が望ましく、ノイズなどのまわり込みを考慮し、端子台などによる接続は避けてください。
なお、RS-422についてはコネクタの規格がないため、選定の際はご注意ください。

●使用環境

周囲雰囲気について

0℃以下の低温時には塩化ビニルのコードは硬化し、
曲げると断線のおそれがあります。標準コード、ロボットコードともに低温下でのケーブルの屈曲は行わないでください。

●その他

エンコーダ(電圧出力)から多数のカウンタへの入力

エンコーダ1台について、複数の同一カウンタを接続したい場合カウンタの接続可能個数の算出式は次のようになります。

E :エンコーダの電源電圧
V :カウンタの入力電圧(min.値)
R1 :カウンタの入力抵抗
R2 :エンコーダの出力抵抗

グレイコード→バイナリコード変換

グレイコードをPLC(プログラマブルコントローラ)ラダープログラムにてバイナリコードに変換する方法を、720分解能の場合について説明します。

まず、下表に配線例を示します。

エンコーダ出力信号PLC入力信号
茶(2000000
橙(2100001
黄(2200002
緑(2300003
青(2400004
紫(2500005
灰(2600006
白(2700007
桃(2800008
空(2900009

下図のプログラムで、グレイコードをバイナリコードに変換します。

〈ラダープログラム例〉

注. 上記のラダープログラム例はPLCの機種が形CPM1Aの場合です。ご使用検討の機種でご確認ください。

  • グレイコードをバイナリコードに変換する場合は、下図の回路を参照ください。

*1.VinをOVに接続すると正論理バイナリコードに変換できます。
*2.インバータ
*3.エクスクルーシブオア(排他OR)


最終更新日:2024年04月22日