リミットスイッチは、マイクロスイッチを外力、水、油、塵埃などから保護する目的で金属ケースや樹脂ケースに組み込んだスイッチです。ここではリミットスイッチのトラブルシューティングを解説します。
故障 | 故障に対する主原因 | 対策 | |
機 械 的 な 故 障 | アクチュエータが 1)動作しない 2)復帰しない 3)変形する 4)摩耗する 5)破損する | ドッグ、 カムの形状不適 | ・ドッグ、 カムの再検討、仕上面円滑にする ・アクチュエータの適否を再検討 (急激なアクチュエータのはねかえりがない ようにする) |
ドッグ、 カムの仕上面粗 | |||
アクチュエータの選択不適 | |||
アクチュエータの加圧方向不適 | |||
操作速度が許容値を超えている | ・減速装置を取りつける、取りつけ位置変更 | ||
ストロークのとりすぎ | ・ストローク再設定 | ||
低温によるゴム材、 グリス硬化 | ・耐寒仕様品の採用 | ||
泥状異物、 切削屑、 塵埃のたい積 | ・防滴形、保護等級の高いものに変更する ・保護カバーの設置、溶剤の変更、材料変更 | ||
駆動部ゴム材の溶解、 収縮、 膨潤 | |||
動作位置が 大きくずれる (誤動作する) | 内部可動ばねのヘタリ、 折損 | ・定期的な予防保全を行う ・スイッチの性能が1ランク上のものを使う ・増締めを行う、補強板の使用 | |
内部機構の摩耗・劣化 | |||
本体取りつけねじのゆるみ、 不安定 | |||
端子部品にガタ がある (モールド品に ひずみが生じた) | はんだ作業の長時間加熱 | ・はんだ作業をすばやく ・通電電流と定格に合わせたリード線の仕様 | |
大径リード線の接続による過大な 引っ張り力 | |||
高温、 熱衝撃によるもの | ・高温用スイッチの採用、取りつけ場所の変更 | ||
化 学 的 ・ 物 理 的 な 故 障 | チャタリングが ある | 振動、 衝撃が規定値を超えている | ・防振装置の取りつけ ・衝撃源となるソレノイドの緩衝 ・操作速度を上げる(加速装置) |
他の機構部品に衝撃発生源がある | |||
操作スピードが遅すぎる | |||
油、水の浸入 | シール部の締結があまい | ・防滴形、水密形の採用 ・コネクタとケーブルの適切な選定 | |
コネクタの選択ミスかケーブルとの 不一致 | |||
スイッチの選択が適切でない | |||
端子部分をモールドしていない | |||
塵埃オイルの浸入→ 炭化による焼損 | |||
ゴム材の劣化 | 溶剤、 切削油による膨潤溶解 | ・耐油性ゴム材やフッ素樹脂ベローズなどの使用 ・耐候性ゴム材や保護カバーの取りつけ ・金属ベローズ保護カバーつきのスイッチに変更 | |
直射日光、 オゾンによる亀裂 | |||
高熱の切削屑塵埃の飛散によるやぶれ | |||
腐食 (サビ) (置割れ) | 腐食性液剤(切削油も含む)による 酸化 | ・切削油の変更、取りつけ部分の変更 ・耐置割れ材への変更 | |
腐食性雰囲気、 海岸、 船舶中の使用 | |||
冷却水・切削油のイオン化による電蝕 | |||
温度サイクルが高く(高湿)銅合金の 置割れ | |||
電 気 的 な 故 障 | 投入できない しゃ断できない 溶着する | 直流回路で誘導分が多い | ・消去回路の付加 |
開閉によるブラウンパウダーの生成 | ・特殊合金接点の使用、気密形スイッチの使用 | ||
接点移転による短絡、 溶着 | ・開閉ひん度を低下させる (容量の大きいスイッチを使用) | ||
異種電源で使われた溶着 | ・回路設計変更 | ||
接点部への異物、 オイル浸入 | ・保護ボックスの設置 |
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