タイマ/タイムスイッチは、スタート信号が入ってから、あらかじめ設定した時間になると出力信号を切り替える制御装置です。ここではタイマ/タイムスイッチの用語を解説します。
●操作時間
操作回路に所定の電圧が加えられている時間です。
●休止時間
復帰を始めてから、再び操作回路に必要な電圧が加えられるまでの時間で、復帰時間より大きい値になります。
●動作時間
所定の入力を加え、限時接点が動作を完了するまでの時間のことです。
●保持時間
限時動作が完了してから復帰を始めるまでの時間です。
●復帰時間
限時操作中または限時動作完了後、操作回路の電圧がしゃ断されてからタイマが始動前の状態に戻るまでの時間のことです。
タイマの復帰には、接点の復帰、指針など機構部の復帰、コンデンサなどの回路部の復帰があり、これらすべてが復帰完了する値をタイマの復帰時間としています。
規定復帰時間以下の休止時間でタイマを使用した場合、動作時間が短くなったり、瞬間動作をしたり、動作しなくなったりして、正常なタイマ動作が期待できなくなります。従ってタイマの休止時間は必ず規定復帰時間以上とってください。
●自己復帰
操作回路の電圧をしゃ断することにより、自動的に復帰することをいいます。
●電気復帰
復帰回路に必要な電圧を加えて復帰させることです。
●動作時間のばらつき
所定の時間にセットし、同一条件下で動作を繰り返したときの動作時間の不揃いを示します。
動作時間のばらつきの算出は、次式で行い、動作時間の測定回数は5回以上とします。
動作時間のばらつきは、動作の中心値からのずれで表されるため、max、min値を1/2にして±表示で表現しています。
アナログタイマを時限中に設定変更をした場合は下記の動作になります。
●セット誤差
目盛時間に対する実際の動作時間のズレを表します。セット誤差は次式で算出し、測定位置は最大目盛時間の1/3以上の任意の目盛値とします。
タイムスイッチにおいては、パルス動作時間に対しセット誤差を適用します。
●総合誤差(タイムスイッチ)
セット誤差、動作時間のばらつき、温度の影響、電圧の影響をまとめて1つの時間定格にしたものです。
セット誤差、温度の影響、電圧の影響の各条件下で測定した計時結果の値のすべてに対する共通の規格値です。
●周期誤差(月差)(タイムスイッチ)
周囲温度25℃における内蔵時計の1か月あたりの誤差時間です。
●電圧の影響
許容電圧変動範囲内で操作電源の電圧が変動した場合の動作時間の変化で表します。
電圧の影響の算出式
●温度の影響
使用周囲温度範囲内での温度変化が動作時間に与える影響を動作時間の変化でもって表します。
温度の影響の算出式
●休止時間特性
一定休止時間における動作時間と、休止時間を変化させた場合における動作時間の変化をいいます。
休止時間特性の算出式
休止時間特性はコンデンサと抵抗の充放電を利用する電子タイマの有する特性で、その値は±1.5~±5%程度です。
タイマの時間精度は以上の動作時間のばらつき、セット誤差、電圧の影響、温度の影響、休止時間特性の5項目の性能によって表現されます。ただし個別仕様では、ほとんど影響を受けない性能項目の記載は省略されることもあります。
モータタイマ、電子タイマの場合は、これらを個別にパーセントで表し、計数タイマでは動作時間の変化幅が、その動作原理上からほとんど一定しているため、変化時間幅で表します。さらに計数タイマでは5項目のすべての特性を含めた総合誤差としても表現しています。
●誤動作振動
使用中における振動によって閉路された接点が、規定された時間(1ms)以上開離しない範囲の振動をいいます。
●耐久振動
輸送中または使用中における振動によって各部の損傷がなく、動作特性を満足する範囲の振動をいいます。
●誤動作衝撃
使用中における衝撃によって閉路された接点が、規定された時間(1ms)以上開離しない範囲の衝撃をいいます。
●耐久衝撃
輸送中または使用中における衝撃によって各部の損傷がなく、動作特性を満足する範囲の衝撃をいいます。
●絶縁抵抗
充電金属部と非充電金属部間、制御出力と操作回路間など電気的に絶縁されている部分間の抵抗のことです。
●耐電圧
絶縁抵抗の測定と同一場所に高電圧を1分間加えたとき、絶縁破壊の起こらない電圧値のことです。
●インパルス電圧(AC電源用)
●耐ノイズ性
外部からのノイズに対する、タイマの耐誤動作性および耐破壊性をいいます。
耐ノイズ性については、ノイズシミュレータ、L負荷ノイズ、リレー発振ノイズ、静電気耐力などの方法で試験を実施しています。
●機械的寿命
制御出力を無負荷状態で動作させたときの寿命をいいます。
●電気的寿命
制御出力に個別で規定された電圧・電流の負荷を適用し、これを開閉した場合の寿命です。
タイマの寿命は、一般に制御出力の動作回数で示され、制御出力に負荷を接続した場合を電気的寿命、無負荷の場合を機械的寿命としています。電気的寿命は機械的寿命より短く、負荷を軽減するに従って長くなりますので、大きな負荷を制御出力で直接開閉せずに、リレーなどを接続する方法がタイマの寿命を長くすることになります。
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