Page top

本文

タイマ/タイムスイッチ 概要


タイマ/タイムスイッチは、スタート信号が入ってから、あらかじめ設定した時間になると出力信号を切り替える制御装置です。ここではタイマ/タイムスイッチの概要を解説します。

関連情報


タイマとは

タイマとは、入力信号が入ってから、あらかじめ定められた時間に出力信号を出す制御機器です。

タイマの設定・表示

形H3CR-Aの例

設定

①セットダイヤル
②時間単位切替スイッチ
③目盛数字切替スイッチ
④動作モード切替スイッチ

【解説】形H3CR-Aは「時間単位切替スイッチ」や「目盛数字切替スイッチ」により、1台のタイマでいろいろな時間幅を設定することができます。

表示

タイマについている針は、時計のように時間と共に動かないので、時間経過の様子がわかりません。そのため、タイマの左上には2つの動作表示灯があり、ここを見ることでタイマの状態を識別できるようになっています。

⑤動作/通電表示灯(グリーン)
 

 動作表示:時間を計っている途中(計時中)なのか、タイムアップ後なのかを表します。
 通電表示:タイマ自体に電気が供給されているかどうかを表します。
 通電状態では基本的には点灯していますが、計時中は点滅します。

⑥出力表示灯(オレンジ)

 タイムアップの出力状態を見ることができます。
 出力信号を出しているときのみ点灯します。

タイマの動作モード

形H3CR-Aの右上に動作モード切替スイッチがあります。

動作モードとは設定時間に達したときの出力の仕方のことをいいます。

よく使用される基本的な動作は以下の4つになります。

オンディレー動作

タイマに入力が入ってから、設定した時間分遅れてタイマの接点が切り替わり、出力するタイマの動きをオンディレー動作といいます。
入力信号が入って(オン)から、出力信号の出るタイミングが遅れる(ディレー)動作ということで、この名が付いています。
自動機械で使用される動作モードの中では、この「オンディレー動作」がもっとも多く使われています。

アプリケーション<押しボタン式信号機>

押ボタン式の信号機のスイッチを押すと、ある程度遅れてから信号機が赤から青に切り替わります。

オフディレー動作

タイマへの入力と同時に出力がONし、入力がOFFしてから設定時間を計り、設定した時間分遅れてタイマの接点が切り替わり、出力をOFFするような動作をオフディレー動作といいます。
入力が切れて(オフ)から出力が切れるタイミングが遅れる(ディレー)動作ということでこの名が付いています。

アプリケーション<自動車の室内灯>

車に乗り込もうとしてドアを開けたとき、室内灯が点灯します。車に乗ってドアを閉めても数秒間は室内灯は点灯し続けます。

フリッカ動作

タイマに入力が入ると、出力が設定時間ごとにON/OFFを繰り返す動作をフリッカ動作といいます。

アプリケーション<噴水の自動制御>

インターバル動作

タイマへの入力と同時に出力がONし、設定時間後にOFFする動作をインターバル動作といいます。

アプリケーション<遊園地の乗り物>

タイマのスタート方法

動作モードは、スタート方法が2通りあります。

例:オンディレー動作
信号オンディレー動作: あらかじめタイマの電源部に電圧を加えた状態で入力が入力部に入ると計時を始める動作
電源オンディレー動作: タイマの電源部に電圧を加えると計時を始める動作

信号オンディレー動作と電源オンディレー動作の違い

①精度*

タイマの計時部は電源を入れてからしばらくしないと安定したはたらきをしません。

電源スタートの場合: 電源が入ったと同時に計時が始まるので不安定な状態で使用することになります。したがってスタート直後は動作時間にばらつきがでることがあります。

信号スタートの場合: スタート前からタイマに電圧を加えてあるので、安定した時間精度を確保できます。

一般的に信号スタートの方が精度が良いといわれていますが、形H3CRのように形式によって、精度に変わりのないものがあります。

*精度:時間の正確さ

②端子配置

・信号スタートタイプは3種類の外部入力を必要とするため、端子が多くなります。
・自動機械で使用されるタイマは、形H3CRの場合、電源スタートタイプ(形H3CR-A8)が多く使用されています。

タイムスイッチとは

タイムスイッチとは、設定した時刻に負荷をON/OFFする制御機器です。

<タイムスイッチのしくみ>

ただし、タイムスイッチには、一部の形式を除いて入力部はありません。
入力部のある場合の機能は、計時部に信号を出す機能ではなく、入力により「時刻合わせ」などの製品機能の一部をコントロールできる入力となります。

タイムスイッチの設定・表示

形H5Fの例

操作キーの説明

番号機能
時刻合わせ、 動作設定、 運転モードの切替
時の設定
AM/PM12h⇔24h表示切替
分の設定
パルス時間幅の設定
各種設定内容のセット
テストモードでの設定確認
曜日の選択
テストモードへの移行/復帰
特定曜日の設定/解除
休日設定モードへの移行/復帰
設定内容の消去
サマータイムの設定/解除
入  : 設定内容に関係なく出力をON。
自動 : 設定内容に従って自動運転。
切  : 設定内容に関係なく出力をOFF。
*本スイッチと「セット」キーの操作で半自動動作を行うことができます。
タイマ動作、 パルス動作の切り替え
タイムスイッチの動作モード

動作モードとは、時刻に対して設定したON/OFFの出力の仕方のことをいいます。

タイマ動作(ON/OFF動作)

設定されたON/OFF時刻に従って出力を制御するタイムスイッチの動きを、タイマ動作といいます。

アプリケーション①<包装機の暖気運転>

出勤時には、すでに包装機の暖気運転が完了した状態で、すぐに作業を開始することができます。

アプリケーション②<学校のチャイム>

始業時刻、昼休み、終業時刻にチャイムを鳴らします。

パルス動作

設定されたON時刻に従って一定時間のパルスを出力するタイムスイッチの動きを、パルス動作といいます。

強制ON/OFF動作

出力「入」「切」スイッチを使用して、制御出力を設定内容にかかわらず、常にON(あるいはOFF)の状態に保持します。

半自動動作

出力「入」「切」スイッチと「セット」キーを使用して、制御出力を対のOFF時刻までONの状態に保持するタイムスイッチの動作を半自動動作といいます。

特定曜日

設定されている動作の一部だけ実行する曜日を選択できます。

休日

動作曜日を一時的に休日(非動作曜日:設定にかかわらず出力OFF)にします。その日がすぎると自動的に動作曜日となり、翌週は設定に従った動作を行います。

タイムスイッチのスタート方法

タイムスイッチは、電源部に電圧を加えることにより時刻の歩進を開始します。

*電源部OFF 時には、時刻の歩進を維持し、設定内容も維持しますが、出力ON/OFFに関する動作は行いません。

端子配列

形H5F-A/Bの例


最終更新日:2024年12月02日