カウンタは、パルス信号を受け数を数えて表示し、プリセットカウンタは、カウント設定値になると出力を出す機器です。ここではカウンタの概要を解説します。
カウンタとは、ものの数や動作の回数を数える機器のことです。スイッチやセンサなどの入力機器から入ってくるON/OFF信号の数を数える機器で、カウント(数を数える)という言葉からきています。人間が数を数えるのに、10個や20個なら簡単に数えられますが、数が多くなると困難になります。その時、人間の代わりに数を正しく数えるのがカウンタです。
カウンタは、出力の有無によって2つに分類されます。
プリセットカウンタとは
プリセットカウンタとは、計数値がセットされた数値に達したときに制御出力が動作し、次の出力機器を動作させるカウンタのことです。
プリセットカウンタのプリセットとは、あらかじめ設定できるという意味を表します。
トータルカウンタとは
トータルカウンタとは、計数値を表示するのみで、制御出力のないカウンタのことです。
トータルカウンタは、生産数などの表示だけが必要な場合に使用します。
(例) 電子カウンタ 形H7CC の場合
① | 表示部 | 計数部で数えた数を表示します |
② | 設定部 | 前面のキーで設定値を入力します |
③ | 内部回路 | 入ってきた入力信号を数え、設定値と比較し一致したら出力信号を出します |
自動機械の中で使われているプリセットカウンタについて、<プリン生産ライン>を例に説明します。
カウンタは、作業者が表示を確認するために、多くの場合は、操作盤に取り付けられています。
〈プリン生産ライン〉
ここで、<プリン生産ライン>の箱詰め工程を例に、プリセットカウンタの動作について、入力→制御→出力の信号の流れで説明します。
①入力
光電センサは、物が光をさえぎることによって検出する入力機器です。この光電センサからカウンタに信号が伝えられます。
②制御
カウンタにはあらかじめ3という設定値を入力しておきます。
カウンタは光電センサからの入力信号を数え、3つ数え終わると信号を出力機器のプッシャーに伝えます。
③出力
プッシャーは、カウンタからの出力信号を受けて、プリンを押し出し箱詰めをします。
このように、カウンタを中心として入力→制御→出力の順番に信号が流れていきます。
プリンの箱詰め工程で入力信号の入るタイミング、出力信号の出るタイミングは、下記の動作チャートを見てください。
動作チャートの説明
①プリンが1個通過するとカウンタに入力信号が入り、カウント値が1と表示されます。
↓
②次のプリンが通過するとカウント値が2と表示されます。
↓
③3つめのプリンが通過するとカウント値が3と表示され、設定値と一致するので出力信号が出ます。
あらかじめ決めておいた数を設定値(プリセット値)といい、その数を数え終わって出力信号を出すことをカウントアップといいます。これは、タイマの設定時間、タイムアップという言葉と同じような意味になります。