カウンタは、パルス信号を受け数を数えて表示し、プリセットカウンタは、カウント設定値になると出力を出す機器です。ここではカウンタの共通の注意事項を説明します。
共通の注意事項 |
各商品個別の注意事項は、各商品ごとの「正しくお使いください」をご覧ください。
下記の製品は、リチウム電池(非防爆タイプ)を使用しています。
下記の製品は、リチウム電池(防爆タイプ)を使用しています。
電池内蔵タイプ:形H7AN-□□□M、形H8BM-Rはリチウム電池を内蔵しており、稀に発火、破裂の恐れがあります。分解、加圧変形、100℃以上の加熱、焼却はしないでください。
使用環境について
電源について
正しい入力信号処理について
リレー出力タイプの場合
抵抗負荷 | ソレノイド負荷 | モータ負荷 | 白熱電球負荷 |
定格電流の1倍 | 定格電流の10~20倍 | 定格電流の5~10倍 | 定格電流の10~20倍 |
ナトリウム灯負荷 | コンデンサ負荷 | トランス負荷 | 水銀灯負荷 |
定格電流の1~3倍 | 定格電流の20~40倍 | 定格電流の5~15倍 | 定格電流の1~3倍 |
無接点出力タイプの場合
その他
入力の接続
注. 残留電圧
トランジスタがONした時に発生する“出力”と“0V”間の電圧
(トランジスタ両端電圧とダイオードブリッジの両端電圧の合計)
光電センサの例
〈形E3NX-FA11の場合〉
近接スイッチの例
〈形E2E-X□E□の場合〉
プログラマブルコントローラの例
〈形CJ1W-OD211の場合〉
電源について
制御出力
取りつけについて
<表面取りつけ>
<埋込み取りつけ>
専用金具を使用する製品(形H8BM-Rの場合)
端子ねじはM3×5です。
圧着端子はJIS 2805R型1.25-3またこれに準ずるものを使用してください。
配線時のクリアランスを考慮して取りつけてください。
取りはずしについて
設定
その他
サージキラーの代表例
分類 | 回路例 | 適用 | 特徴、その他 | 素子の選び方の目安 | |
AC | DC | ||||
CR方式 | * △ | ○ | *AC電圧で使用する場合 負荷のインピーダンスがCRの インピーダンスより十分小さい こと。接点が開路のとき、CRを 通して、誘導負荷に電流が流 れます。 | C、Rの目安としては C:接点電流1Aに対し0.5~1(μF) R:接点電圧1Vに対し0.5~1(Ω) です。ただし負荷の性質や特性のバラツ キなどにより異なります。Cは接点開離時 の放電抑制効果を受けもち、Rは次回投 入時の電流制限の役割ということを考慮 し、実験にてご確認ください。 Cの耐電圧は一般に200~300Vのものを 使用してください。AC回路の場合はAC用 コンデンサ(極性なし)をご使用ください。 ただし直流高電圧で接点間のアークの遮 断能力が問題となる場合に、負荷間より接 点間にCRを接続した方が効果的な場合が ありますので実機にてご確認ください。 | |
○ | ○ | 負荷がリレー、ソレノイドなどの 場合は復帰時間が遅れます。 | |||
ダイオード 方式 | × | ○ | 誘導負荷に貯えられた電磁 エネルギーを並列ダイオード によって、電流の形で誘導負 荷へ流し、誘導負荷の抵抗分 でジュール熱として消費させ ます。この方式はCR方式より もさらに復帰時間が遅れます。 | ダイオードは逆耐電圧が回路電圧の10倍 以上のもので順方向電流は負荷電流以 上のものをご使用ください。 電子回路では回路電圧がそれほど高くな い場合、電源電圧の2~3倍程度の逆耐 電圧のものでも使用可能です。 | |
ダイオード + ツェナー ダイオード 方式 | × | ○ | ダイオード方式では復帰時間 が遅れすぎる場合に使用する と効果があります。 | ツェナーダイオードのツェナー電圧は、 電源電圧程度のものを使用します。 | |
バリスタ 方式 | ○ | ○ | バリスタの定電圧特性を利用 して、接点間にあまり高い電圧 が加わらないようにする方式で す。この方法も復帰時間が多 少遅れます。電源電圧が24~ 48V時は負荷間に、100V~ 200V時は接点間のそれぞれ に接続すると効果的です。 | バリスタのカット電圧Vcは下記の条件内 になるように選びます。交流では√2倍す ることが必要です。 Vc>(電源電圧×1.5) ただし、Vcを高く設定しすぎると高電圧へ のカットが働かなくなるため効果が弱くな ります。 |
なお、次のようなサージキラーの使い方は避けてください。
しゃ断時のアーク消弧には非常に効果が ありますが、接点の開路時Cにエネルギーが 蓄えられているため、接点の投入時に短絡 電流が流れるので、接点が溶着しやすい。 | しゃ断時のアーク消弧には非常に 効果がありますが、接点の投入時に Cへの異常な充電電流が流れるので 接点が溶着しやすい。 |
通常、直流誘導負荷は、抵抗負荷に比べ開閉が困難とされていますが、適切なサージキラーを用いると抵抗負荷と同程度まで性能が向上します。
カウンタの異常診断
次のような使用方法の場合、各種異常の発生が考えられますので、適切な処理が必要です。
※印は異常内容。( )内は対応例。
①同一電源線または近くに誘導負荷の大きなモータやソレノイドなどが配線・設置されていないか。
※入力信号が入っていないのに勝手に歩進する。
※カウンタの電源部が破裂し動作しなくなる。
(モータやソレノイドを離したり、電源にノイズフィルタを接続します。)
②同一電源線または付近で、接点開閉時アークの飛ぶ接点使用部品が使われていないか。
※入力信号が入っていないのに勝手に歩進する。
(アークが飛ばないようアークサプレッサを接続します。)
③入力機器に接触信頼性のよい接点が使われていない。
※接点がメークしているのに歩進しない。
(接触信頼性のよい接点をもつリレーに交換してください。)
④入力信号線が必要以上に長く配線されていないか。
※電源線の影響を受け、勝手に歩進する。
(「参照:正しい入力信号処理について」)
※残留電圧のため常に信号が入力された状態となり歩進しない。
(信号線を極力短くし、カウンタ入力のすぐ近くに小容量:約0.01~0.1μF:のコンデンサを接続してください。)
⑤電源線が高圧線に近づいて配線されていないか。
※電圧線の影響を受け、勝手に歩進する。
(「参照:正しい入力信号処理について」)
⑥電源電圧が徐々に印加されていないか。
※電源が印加されても表示がでたらめになる、正常動作しない。
(接点などにより、電圧を一気に印加してください。)
⑦水、油、塵埃のかかる場所、直射日光の当たる場所で使われていないか。
※長期使用後、設定値通りでカウントUPしなくなったり、まったく正常に動作しなくなる。ケースが変形してくる。
(硬質フロントカバーを取りつけると、防滴、防塵効果があります。水、油、塵埃がかからないよう、また、直射日光をさえぎるようにしてください。)
⑧振動・衝撃の大きい場所、あるいは常時かかる場所で使われていないか。
※接点開離し、シーケンスに不具合を生じる。
※内蔵部品や構造部品にストレスがかかり動作しなくなる。
(振動源に防振ラバーを敷くなど振動を低減してください。また、振動源に直接取りつけないでください。)
⑨接点の計数入力なのに高速の計数速度で使用していないか。
※入力信号を余分に計数する。
(計数速度を低速:30Hzにする。)
⑩カウンタの電源電圧を印加したままの状態で、入力機器(近接、光電センサなど)の電源のみをON/OFFすると、このON/OFF時に過度パルスが発生してカウンタに入力されることがあります。
⑪トランジスタ信号による計数入力であっても、その入力速度が30Hz以下であれば、30Hzに最高計数速度を選定することにより耐ノイズ性が向上します。
⑫リセット入力は、最高計数速度の選定、入力方式に関係なく、接点、トランジスタのいずれかで、20ms以上のリセット信号を与えれば確実にリセットができます。
*1. 波形割れ、接点バウンス等があっても、安定時間が20ms以上あれば可。
*2. リセット信号完了後、50ms経過してCP1、CP2入力可能となる。
⑬計数入力の最高計数速度の定格値は、最小信号幅の入力信号をメーク比(ON/OFF比)1:1で入力したときの応答速度です。メーク比1:1以外の場合でも、最小信号幅はON幅、OFF幅ともに規定値以上必要としますので、メーク比1:1以外の入力に対しては、応答速度が遅くなります。最高計数速度以下の入力信号であっても、ON幅、OFF幅のどちらか一方が最小信号幅の規定値以下の場合、カウンタが応答しないことになります。
⑭トランジスタ信号で方形波以外の波形、例えば正弦波、三角波、鋸歯状などで、計数入力する場合は、ON/OFFまたは「H」「L」の規定値の期間がそれぞれ最小信号幅以上となるようにしてください。