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通報装置 概要


通報装置は、遠隔地や無人の機械・設備を24時間ウオッチし、異常時には一般公衆回線を通じて音声・データで自動通報する装置です。ここでは、通報装置の概要を解説します。

関連情報

通報装置とは

通報装置とは、犯罪・急病・災害・設備故障などの異常事態へ素早く対応して被害を最小限にとどめるため、スイッチ操作や各種センサからの入力信号によって、そうした様々な緊急事態の発生を離れた場所へ伝えるための装置です。
通報装置の通信媒体は主に電話回線(一般公衆回線・専用回線)が用いられてきましたが、近年の携帯電話や無線・デジタル通信技術の発達・普及に伴って、多様な媒体が用いられるようになってきました。
また、通報手段も従来は音声通報とFAX通報が主流でしたが、ポケベル通報や電話回線モデム接続によるデータ通報、さらにはインターネット接続によるデータ通報やメール通報が用いられるなど、通報手段も多様化・高度化が進んでいます。
通報装置の機能としては、緊急事態の発生を伝えるという基本機能以外に、停電でも内蔵電池で動作する停電バックアップ機能や、音声や映像を伝送する機能、遠隔制御出力機能などの付加機能があります。

システム構成

形K5S-Aタイプのシステムでは、異常信号発生時、電話への音声通報、パソコンへのデータ通報を行うことができます。また、電話およびパソコンによる現状確認を行うことができます。

形K5Sへの入力

●入力信号

無電圧接点またはトランジスタのオープンコレクタ出力を接続します。

  • 接点入力 無電圧、A/B接点
     インピーダンス10Ω以下(配線材との合計では100Ω以下)
  • トランジスタ入力
     ON時の残留電圧: 1V以下
     OFF時の漏れ電流: 0.1mA以下
     負荷電流: 7mA以下の開閉が可能であること

●入力判定時間

各入力ごとに設定ができ、チャタリングやノイズによる誤発報を防止できます。正しい通報を行うために適切な入力判定時間を選定してください。

0.2/0.5/1/2/5/10/20/50/100(秒)

短い判定時間を選ぶと通報開始のタイミングは速くなりますがノイズ等の影響を受けやすくなります。逆に長い時間を選ぶと通報開始は入力判定時間確定後のため遅くなります。

●端子配線

図は配線の一例です。詳細については本体同梱の取扱説明書を参照してください。

音声通報例

●固定音声

異常通報

接点1に入力時:「こちらは現場12345、1番発生」
接点1、2に入力時:「こちらは現場12345、1番発生、2番発生」

復旧通報

接点1復旧、2異常継続時:「こちらは現場12345、1番復旧、2番継続中」
接点1、2が復旧時:「こちらは現場12345、1番復旧、2番復旧」

定期通報

正常時:「定期通報です。こちらは現場12345、すべて正常です。」
異常継続時:「定期通報です。こちらは現場12345、1番継続中、、、、、」

バッテリ異常通報

「こちらは現場12345、電池の電圧が低下しています。」

●任意音声メッセージの設定

形K5Sに任意音声録音・再生のDTMFコマンド(プッシュ信号)を送ることで、通報先電話機から、任意の音声を録音・再生することができます。(DTMFコマンドについては「形K5S 取扱説明書」を参照してください。)
音声録音は、プッシュ(DTMF)信号が送出可能な電話機を用いて、アナログ2線式の一般回線を介して行います。なお、同様に録音した音声を再生して確認することもできます。
お使いの回線がダイヤルパルス回線であっても、プッシュ信号を出力できる電話機であればご使用可能ですが、プッシュ信号への切替操作が必要となる場合があります。
その操作方法は、お使いの電話機の取扱説明書をご参照ください。

  • 任意音声の録音方法には、形K5Sにダイヤルし、自動着信させて録音する方法と、音声通報時に録音する二通りの方法がありますが、どちらも基本的に録音・再生方法は同一です。
    特殊設定モードの暗証番号設定が「有効」に設定されている場合、DTMFコマンドモード移行後に、暗証番号が入力されていないと音声を録音・再生することができませんのでご注意ください。
  • 音声通報時または自動着信(現状確認)時の処理
    形K5S音声通報時または自動着信(現状確認)時の概要は下図のようになります。
    現場名/入力名/状態名/の音声選択設定値がすべて「なし」設定の場合、音声が聞こえませんのでご注意ください。また、未録音状態で任意音声を選択しても同様です。

音声通報または自動着信(現状確認)時の処理概要

注1. 自動着信時に送出します。音声通報時は送出されません。
注2. コマンドモード移行コマンドの待受期間です。コマンドモードに移行せずに音声録音などを行うことはできません。
   コマンドモードに移行後は、有効なコマンドを3分間受信しないと、形K5Sは回線を切断します。
注3. 基本設定モードレベル2で、ハンズフリー設定に「する」を選択されている場合は、自動的にハンズフリーモードに移行します。
   この場合、通話時間は「ハンズフリー通話時間」にて設定された時間(単位:分)となります。
   ハンズフリー設定で「しない」を選択されている場合またはハンズフリー通話時間経過後は、形K5Sから回線を切断します。
注4. ハンズフリーモード中もDTMF信号は受信可能です。
   ただし、周囲の騒音などによって、誤動作または正しく信号を受信できない場合があります。
注5. 通報先種別が「音声1」または自動着信時は5回、「音声2」の場合は10回となります。

●任意音声設定について

通報メッセージに任意音声を使用する場合には、分類毎に任意音声を選択する必要があります。固定音声と任意音声の関連および設定項目は下記の通りです。

固定音声と任意音声の関連と設定項目

分類固定音声任意音声関連設定項目
番号最大録音時間
現場名「こちらは現場○○○○○」
※○○○○○は、 5桁の現場番号設定値となります。
0020秒現場名音声選択
入力名「1番」01各10秒入力名音声選択
「2番」02
「3番」03
「4番」04
「5番」05
「6番」06
「7番」07
「8番」08
状態名「発生」11各10秒状態名音声選択
「復旧」12
「継続中」13

音声録音の場合、既に録音している音声の誤消去を防止するため、下記のように同一番号を2回入力します。

  • 現場名任意音声
  • 入力1任意音声
  • 発生任意音声

(例1)接点1がONした場合、「こちらは駅前ビルです。1階ホール空調設備、故障が発生しました」と音声通報するように
    任意音声を録音する。

  1. 任意音声番号「00」に「こちらは駅前ビルです」を録音する。(#810000で録音)
  2. 任意音声番号「01」に「1階ホール空調設備」を録音する。(#810101で録音)
  3. 任意音声番号「11」に「故障が発生しました」を録音する。(#811111で録音)
  4. 任意音声番号「13」に「故障が継続中です」を録音する。(#811313で録音)
    復旧通報を行う場合は、任意音声番号「12」に復旧メッセージを録音してください。

(例2)復旧通報を行わない場合は、下記のような方法もあります。

  1. 任意音声番号「00」に「こちらは駅前ビルです」を録音する。(#810000で録音)
  2. 任意音声番号「01」に「1階ホール空調設備故障が発生しました」を録音する。(#810101で録音)

    この場合、状態名の音声選択は「なし」に設定してください。


最終更新日:2024年04月22日