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G3PH ご使用の前に 2

安全上の要点

当社は、品質・信頼性の向上に努めておりますが、SSRには半導体を使用しており、半導体は一般的に誤作動したり、故障することがあります。特に定格範囲外でご使用になると安全を保てない恐れがありますので、必ず定格範囲内でお使いください。SSRをご使用いただく場合には、SSRの故障によって結果として、人身事故・火災事故・社会的な損害を生じさせないよう安全を考慮した、システムとしての冗長設計・延焼対策設計・誤動作防止設計などの安全設計に十分ご留意ください。

輸送について

下記状態での輸送は、故障や誤動作、特性劣化の原因となりますので避けてください。

• 水や油がかかった状態

• 高温・高湿の状態

• 梱包していない状態

使用/保管環境について

下記の場所での使用および保管は故障や誤動作、特性劣化の原因になりますので避けてください。

• 雨水・水滴のかかる場所

• 水、油、薬品などの飛沫がある場所

• 高温、高湿の場所

• 周囲温度が-30℃~+100℃の範囲を超える場所での保管

• 相対湿度が45~85%RHの範囲を超える場所、温度変化が急激で結露するような場所での使用

• 腐食性ガスのある場所

• 塵埃、塩分、鉄粉の多い場所

• 直射日光があたる場所

• 本体に直接、振動や衝撃が伝わる場所

設置・取り扱いについて

• 形G3PH本体、放熱器周囲の空気の対流を妨げないでください。
   本体の異常発熱により、出力素子のショート故障、焼損の原因となります。

• 落下などにより、放熱フィンが曲がった状態で使用しないでください。放熱性低下により、故障の原因となります。

• 油や金属粉のついた手で取り扱わないでください。故障の原因となります。

設置・取りつけについて

• 正規取りつけは鉛直方向です。指定の取りつけ方向にて取りつけてください。
   本体の異常発熱により素子の故障、焼損の原因となります。

• 自己発熱による周囲温度の上昇に気を付けてください。
   特に盤内取りつけの場合は、外気との換気が充分行えるようなファンなどを取りつけてください。

• 制御盤等にねじ締め付けを行う場合は硬固にしてください。
   締め付けトルクは、4.41~4.90N・mにて管理してください。
   締め付けが弱いと、万一の場合落下する恐れがあります。

設置・配線について

• 負荷電流に見合った電線をご使用ください。電線の異常発熱により焼損の原因となります。

• 被覆に傷のついた電線を使用しないでください。感電、漏電の原因となります。

• 高圧動力線などと同一配管、あるいはダクトで行わないでください。誘導により、誤動作、破損の原因となります。

• 端子のねじを締め付ける時に、不導通物質を噛み込まないようにしてください。端子の異常発熱により焼損の原因となります。

• 端子のねじが緩んだ状態で使用しないでください。端子の異常発熱により、焼損の原因となります。

• 端子は次の規定のトルクで締め付けてください。端子の異常発熱により焼損の原因となります。
   (M3:0.50~0.60N・m、M6:4.41~4.90N・m、M8:8.82~9.80N・m)

• 40A以上通電する場合、M6またはM8の圧着端子は、電線径に応じたサイズを使用してください。
   焼損および被覆が溶けて、感電、漏電の原因となります。

• 配線を行う場合には、必ず電源を切ってください。感電する場合があります。

設置・使用について

• 定格範囲内の負荷を選定ください。誤動作、故障、焼損の原因となります。

• 定格周波数内の電源を選定ください。誤動作、故障、焼損の原因となります。

• 本製品は、LOAD 側に加わるサージ電圧に対し、出力素子を強制的に点弧させることにより、内部回路破壊を防止する回路を採用しています。 本製品をモータ負荷に使用すると、モータ負荷が誤動作する可能性がありますので使用しないでください。

使用上の注意

SSRを実際に使用するにあたって、机上では考えられない不測の事故が発生することがあります。そのため、実施可能な範囲でのテストが必要です。例えば、SSRの特性を考える場合には、常に個々の製品のばらつきを考慮に入れることが必要です。
カタログに記載の各定格性能値は、特に明記のない場合は、すべてJIS C5442の標準試験状態(温度15~35℃、相対湿度25~75%Rh、気圧86~106kPa)のもとでの値です。実機確認を実施される際には、負荷条件だけでなく使用環境も使用状態と同条件で確認する必要があります。

故障の要因について

• 製品を輸送・設置する場合は、製品を落下させたり、異常な振動や衝撃を加えないでください。
   製品の特性劣化、誤動作や故障の原因となります。

• 端子は次の規定のトルクで締め付けてください。端子の異常発熱により焼損の原因となります。

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• 入力回路、出力回路に過電圧を印加しないでください。故障および焼損の原因になります。

• 下記の状態での使用および保管は故障や誤動作、特性劣化の原因となりますので避けてください。
   ・静電気やノイズが発生する場所
   ・強い電界や磁界が生じる場所
   ・放射能を被爆する恐れのある場所

取りつけについて

• 製品質量が大きいためパネルへの取りつけは、以下の条件で堅固に取りつけてください。
   ねじ径:M6
   締めつけトルク:4.41~4.90N・m

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配線について

• リード線の太さは電流値にあったものを使用してください。

• OFF 状態でも出力端子は充電部となっており感電する場合があります。電源から切り離すため上位にブレーカなどを設置してください。また、配線作業を行う場合には必ず電源を切った状態で行ってください。

EN規格(短絡試験)の対応について

EN規格の短絡試験の適合条件は以下になります。
形G3PH-□075B(L)シリーズ:短絡電流:5kA(type 1)
形G3PH-□150B(L)シリーズ:短絡電流:10kA(type 1)
保護素子は以下のヒューズです。

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SSRの保護を目的とする場合は、それぞれサージオン電流耐量以下で溶断するヒューズをご選定ください。

EN規格(EMC)への対応について

形G3PHは下記条件にてEN規格(EMC)に対応しております。

• ノイズによる影響が懸念される電線(信号線など)を出力側の電線から離して配線する(推奨)

• コンデンサを入力電源に接続

• ノイズフィルタおよびトロイダルコアを負荷電源に接続

• 入力側ケーブルは3m以内で接続

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EMIについて

この商品は「class A」(工業環境商品)です。住宅環境でご利用されると、電波妨害の原因となる可能性があります。その場合には電波妨害に対する適切な対応が必要となります。

ノイズ、サージの影響について

形G3PHの出力回路へ誤作動耐性の限界を超えるノイズ、サージが加わった場合、出力を最大で半サイクル分オンしてノイズおよびサージを吸収します。
形G3PHをご使用される装置およびシステムにて、この半サイクルの出力オンが問題とならないことをご確認のうえ、形G3PHをご使用ください。
なお、形G3PHの誤動作ノイズ耐性(参考値)は下記の通りです。

• 誤作動ノイズ耐性(参考値):500V

 注.測定条件は下記の通りです。
  ノイズ幅:100ns、および1μs
  繰り返し周期:100Hz
  ノイズ印加時間:3分間

サイリスタ・モジュールの交換について

• サイリスタ・モジュールを交換する際は、付属のシリコーングリスを取りつけ面に必ず塗布してください。

• サイリスタ・モジュールをSSR本体へ取りつける際は、異常発熱の原因にならないように規定のトルクにて締めつけてください。
  締めつけトルク:2.45~4.0N・m

注. 締めつけが弱いと、端子の異常発熱により焼損の原因となります。

制御盤への取りつけについて

製品質量が大きいためSSRはパネルに堅固に取りつけてください。
密閉された盤ですとSSRから発生した熱が内部にこもり、SSRの通電能力が低下するばかりか、他の電子機器にも悪影響を与えます。
必ず盤の上部と下部に通風用の穴を設けてご使用ください。

〈SSRの取りつけ間隔(盤内取りつけ条件)〉

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形G3PHとダクト(または空気の流れを妨げるもの)の関係

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制御盤外への換気方法

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形G3PHの周囲温度について

定格電流は形G3PHの周囲温度40℃での値です。 形G3PHは半導体で負荷を開閉していますので、通電により発熱し盤内温度も上昇します。この発熱を制御盤にファンを付加し換気することで、形G3PHの周囲温度を下げると信頼性が向上します。
(10℃の温度低減で、期待寿命が2倍になると言われています。:アレニウスの法則)

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例:75AのSSR10台だと、1.16×10→ファンが12台必要です。

注1. ファンの大きさ:92mm×92mm、風量:0.7m3/min、盤の周囲温度:30℃で算出。
 2. 同一盤内の他機種からの発熱については、別途換気が必要です。