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温度調節器(デジタル調節計)/温度センサ 共通の注意事項


温度調節器とは、センサ信号と目標値を比較し、その偏差に応じて演算を行いヒータなどを制御する装置です。センサ信号に温度以外の湿度・圧力・流量などを扱うことができる装置は調節計と呼び、電子式のものを特にデジタル調節計と呼びます。ここでは、温度調節器(デジタル調節計)の共通の注意事項を説明します。

共通の注意事項  

関連情報



各商品個別の注意事項は、各商品ごとの「正しくお使いください」をご覧ください。

警告

下記の製品はリチウム電池を内蔵しています。
分解、加圧変形、100℃以上の加熱、焼却はしないでください。
リチウム電池を内蔵しており、発火、破裂の恐れがあります。
対象形式:形E5LC

注意

通電中は端子に触れないでください。
感電の恐れがあります。

製品の中に金属片や導線を入れないでください。
感電・火災・故障の原因になります。

分解したり、修理・改造はしないでください。
感電・火災・故障の原因になります。

引火性、爆発性ガスのあるところでは使用しないでください。
爆発の恐れがあります。

出力リレーの寿命は、開閉容量・開閉条件により大きく異なるので、必ず実使用条件を考慮し、定格負荷・電気的寿命回数内でご使用ください。
寿命を超えた状態で使用すると接点溶着や焼損の恐れがあります。

温調器の各種設定値は、制御対象に合わせて正しく設定してください。設定内容と制御対象の内容が異なる場合には、意図しない動作により装置の破損や事故の原因になります。

温調器の故障時にも安全なように、別系統で過昇温防止警報を取りつけるなどの安全対策を行ってください。故障により制御不能になると、重大な事故につながる恐れがあります。

端子ねじは規定トルク(下記参照)で締めてください。
規定トルク:
 M3.5ねじの場合は0.74~0.90N・m
 M3ねじの場合は0.40~0.56N・m
ねじがゆるむと発火および誤動作の恐れがあります。

ハードウェアテストモードは、温調器に接続された機器が影響を受けないようにしてから使用してください。
テスト実行時に、温調器に接続された機器が危険な状態になることがあります。

安全上の要点

(1)

下記の環境では使用しないでください。

  • 加熱機器からの輻射熱を直接受けるところ
  • 水がかかるところ、被油のあるところ
  • 直射日光が当たるところ
  • 塵あい、腐食性ガス(とくに硫化ガス、アンモニアガスなど)のあるところ
  • 温度変化の激しいところ
  • 氷結、結露の恐れのあるところ
  • 振動、衝撃の影響が大きいところ

(2)

周囲温度および湿度は仕様範囲内で使用および保存してください。
複数の温調器で密着取りつけを行ったり、上下に並べて取りつけを行うと温調器の発熱により温調器内部の温度が上昇し寿命が短くなってしまいます。このような場合には温調器へファンにより風を送るなどの強制冷却をしてください。

(3)

放熱を妨げないよう、温調器の周辺をふさがないでください。温調器本体の通風孔はふさがないでください。

(4)

端子の極性を確認し、正しく配線してください。

(5)

配線後、端子部を基点としてリード線を30N 以上の力で引張ったり曲げたりしないでください。

(6)

使用しない端子には何も接続しないでください。

(7)

電源電圧および負荷は、仕様、定格の範囲内でご使用ください。

(8)

誘導ノイズを防止するために、温調器の端子台の配線は、高電圧、大電流の動力線とは分離して配線してください。
また、動力線との平行配線や同一配線を避けてください。
配管やダクトを別にする、シールド線を使用するなどの方法も効果があります。
ノイズを発生している周辺の機器(とくに、モータ、トランス、ソレノイド、マグネットコイルなどのインダクタンス成分を持つもの)には、サージアブソーバやノイズフィルタを取りつけてください。
電源にノイズフィルタを使用する場合は、電圧と電流を確認した上で温調器にできるだけ近い位置に取りつけてください。
強い高周波を発生する機器(高周波ウエルダ、高周波ミシンなど)やサージを発生する機器から、できるだけ離して設置してください。

(9)

電源投入時には、2秒以内に定格電圧に達するようにしてください。

(10)

ウォームアップ時間は30分以上としてください。

(11)

セルフチューニングを使用される場合は、温調器と負荷(ヒータなど)の電源は同時、あるいは負荷の電源を先に投入してください。温調器の電源を投入してから負荷の電源を投入すると正しいセルフチューニングおよび最適な制御ができなくなります。

(12)

作業者がすぐ電源をOFFできるようスイッチまたはサーキットブレーカを設置し、適切に表示してください。

(13)

温調器をドローアウトする場合は、電源をOFFしてから行い、絶対に端子や電子部品に手を触れたり衝撃を与えたりしないでください。挿入時に電子部品をケースに接触させないでください。

(14)

清掃について:シンナー類は使用しないでください。市販のアルコールをご使用ください。

(15)

インバータによっては出力仕様として、出力周波数を50/60Hzと表示されているものもありますが、温調器の内部温度上昇により発煙、焼損の恐れがありますので、インバータの出力を温調器の電源として使用しないでください。

使用上の注意

温度調節器(デジタル調節計)

●長くお使いいただくために

各商品の仕様の範囲内でご使用ください。
盤内に設置している場合は盤の周囲温度ではなく、温調器の周囲で仕様の温度範囲を超えないようにしてください。
温調器など電子機器は、リレーの開閉回数による寿命とは別に内部に使用している電子部品の寿命による製品寿命があります。部品の寿命は周囲温度に依存しており周囲温度が高くなると短くなり、低くなると長くなります。このため温調器内部の温度を下げることによって、寿命を長くすることができます。
複数の温調器を密着取りつけを行ったり、上下に並べて取りつけを行うと温調器の発熱により温調器内部の温度が上昇し寿命が短くなってしまいます。このような場合には温調器へファンにより風を送るなどの強制冷却を考慮する必要があります。
ただし、端子部のみが冷却されることのないようにご注意願います。測定誤差の原因となります。

●精度よく測定するために

熱電対のリード線を延長される場合は熱電対の種類に合わせ、必ず補償導線をご使用ください。
白金測温抵抗体のリード線を延長される場合は抵抗値の小さいリード線を使用して、3線のリード線の抵抗値を等しくしてください。
温度センサの種別と温度調節器の入力種別は必ず同じ設定としてください。
白金測温抵抗体には、PtタイプとJPtタイプがあり、温調器の入力種別を間違えると正しく測定できません。
取りつけ角度は水平に取りつけてください。
誤差が大きい場合には、入力補正が正しく設定されているかどうかご確認ください。

●防水性について

保護構造については明記されていないもの、およびIP□0のものについては防水性はありません。

●EN/IEC規格について

EN/IEC適合品としてご使用の場合、下記ヒューズを電源端子部に取りつけされることをお勧めします。
推奨ヒューズ:T2A、AC250V、タイムラグ、低遮断容量タイプ

●運転時のお願い

(1)

電源投入時に出力がON するまで最大5 秒の時間が必要です。温調器をシーケンス回路に組み込んで使用される場合は考慮ください。

(2)

セルフチューニングを使用される場合は、温調器と負荷(ヒータなど)の電源は同時、あるいは負荷の電源を先に投入してください。温調器の電源を投入してから負荷の電源を投入すると正しいセルフチューニングおよび最適な制御ができなくなります。
ウォームアップ後に運転スタートする場合は、ウォームアップ完了後に一旦電源をOFFして、温調器と負荷の電源を同時に投入してください。(温調器の電源再投入の代わりに、STOPからRUNへの移行でも可能です)

(3)

ラジオ、テレビジョン、無線機に近接して使用すると、受信障害の原因になることがあります。

温度センサ

●お願い

  • 温度センサの保護管は、測定対象物によっては腐食を起こし、測温不能となることがあります。保護管の材質と測定対象物にはご注意ください。
  • 温度センサの保護管へは、過度な振動・衝撃・加重を避けてください。特に白金測温抵抗体は、非常に細い抵抗素線を使用しているため、機械的衝撃や振動の加わる場所では断線の恐れがあります。

●リード線延長時の注意点

  • 白金測温抵抗体
    延長に使用するリード線は、3本とも同抵抗、同じ長さのものをご使用ください。延長することによりリード線自身の抵抗が表示温度に影響しますので、芯線の太いものをご使用ください。(当社では延長用のリード線は取り扱っておりません。)
  • 熱電対
    延長には補償導線を必ずご使用ください。
    補償導線は、接続する熱電対用のものをご使用ください。
    熱電対と種類が異なる補償導線を使用したり、一般の銅線で延長すると正しく温度が測定できません。また、+、-を間違えないよう接続してください。
  • サーミスタ
    延長に使用するリード線は、芯線の太いものをご使用ください。極性はありません。
  • 共通の注意点として延長する場合、ノイズの影響を受けやすくなりますので線の引き回しにはご注意ください。

●正しい使い方

  • 温度センサの取りつけは、測定対象物の温度分布を変化させないような場所を選択し行ってください。
  • 温度センサは、保護管を測定対象に十分な長さで接触または挿入してください。金属保護管では保護管径の20倍以上、非金属保護管では、15倍以上の長さが必要です。
  • シース形温度センサの最小許容曲げ半径は、保護管径の5倍程度とし、同一箇所での繰り返しは避けてください。
    急角度に曲げた部分を再度伸ばして使用すると、内部で断線したり素線のひずみが生じる恐れがあります。
    また、溶接部では曲げないでください。
  • 低温を計測中は、保護管がもろくなりますので曲げ加工はしないでください。
  • シース形温度センサは、測温部を保護するため先端部より100mm以内は曲げ加工を避けてください。
  • リード線直出し形のものでは、保護管とリード線の接合部の温度は+70℃以下、耐熱用は+100℃以下でご使用ください。
  • 端子露出形・端子内蔵形のものでは、端子箱の温度は端子露出形で+100℃、端子内蔵形で+90℃以下でご使用ください。
  • 高温用熱電対の磁器保護管は、熱衝撃に弱いので急加熱、急冷却でのご使用は避けてください。
    取りつけにあたっては予熱をするか、時間をかけて行ってください。
  • リード線は、可動部での使用や強い曲げストレスが発生する場所には適しません。
  • 圧着端子付熱電対の圧着端子は、熱電対を固定するための補助的な用途でご使用ください。熱電対の測温接点は圧着端子のかしめ部にあるため、ねじ固定部と測温接点間では温度差があります。実使用温度にて、温度を測定したい箇所の温度と熱電対で測定した温度の差をあらかじめ確認して使用してください。

●取りつけに関する注意点

(1)

耐圧防爆タイプの取りつけは、防爆に関する法規制に従って行ってください。

(2)

シース形温度センサの保護管長の長いものは、コイル状で出荷しております。巻き戻す場合は螺旋状に捻じらず、巻きと逆方向に直線に巻き戻してください。

(3)

リード線直出し形のリード線は、保護管とリード線の接合部の近辺では無理に曲げないでください。また、保護管とリード線の接合部まで被測温物に挿入しないでください。

(4)

リード線は強く引っ張らないでください。接続部で断線する恐れがあります。

(5)

保護管が熱で湾曲するような高温測定時には、温度センサを垂直に挿入するか、適当な保持具を使用して取りつけてください。

(6)

保護管露出部を保温することで放熱による熱損失を防ぐことができ、より正確な値を得ることができます。

(7)

温度センサの出力に電力線などからの誘導障害の雑音が発生する場合には、温度センサおよびリード線の取りつけ位置を変更するか、またはリード線にシールドを施してください。

(8)

常温以下の低温測定物を測る際、出力端子から湿度が浸入し保護管内で結露し、絶縁不良を引き起こす場合がありますので、このような条件下でご使用の場合は、密閉式の温度センサをご利用ください。

(9)

端子部に水などの液体がかかる恐れのある場所では使用しないでください。

(10)

温度センサは精密機器です。温度センサに衝撃などを与えないようお願いします。磁器部品を使用している製品(磁器保護管、白金測温抵抗体)は、特に取り扱いには十分注意してください。

(11)

超音波洗浄機など、過度の振動が加わる環境で白金測温抵抗体を使用すると、短時間で断線にいたる場合があります。そのような場合、白金測温抵抗体に比較し、構造上、耐振動性に優れているシース形熱電対をご使用いただきますと、振動レベルによっては使用に耐えうる可能性があります。

(12)

溶解金属の温度を測定する場合、常用限度以下であっても保護管の寿命が著しく短くなります。溶解金属の種類によって、適切な保護管材質を選択してください。

(13)

流体の温度を測定する場合は、次の方法で取りつけてください。

(a)管径が比較的大きく挿入深度が取れる場合は、流れに垂直になるように取りつけてください。

(b)管径が細く挿入深度が取れない場合は、流れに逆らって斜めに取りつけてください。

(c)さらに管径が細い場合は、凸部をもたせたり、屈曲部に取りつけてください。

なお、取りつけについては十分余裕をもった強度設計をご検討ください。

設定データの表記について

調節器のパラメータ記号のうち、アルファベットについては次のように表記しています。

●7セグメントデジタル表示

●11セグメントデジタル表示

保証期間と保証範囲

形E5□C、形E5□N/E5□N-H、形E5□R

●標準仕様にてご利用の場合

[保証期間]

納入品の保証期間は、ご注文主のご指定場所に納入後1年と致します。

[保証範囲]

上記保証期間中に納入者側の責により故障を生じた場合は、その機器の故障部分の交換、または修理を納入者側の責任において行います。
ただし、つぎに該当する場合は、この保証の対象範囲から除外させて頂きます。
(1)需要者側の不適当な取扱い、ならびに使用による場合。
(2)故障の原因が納入品以外の事由による場合。
(3)納入者以外の改造、または修理による場合。
(4)その他、天災、災害などで、納入者側の責にあらざる場合。なお、ここでいう保証は、納入品単体の保証を意味するもので、
   納入品の故障により誘発される損害はご容赦いただきます。

●3年保証の場合

[保証期間]

納入品の保証期間は当社工場出荷後3年と致します。

[保証範囲]

次の範囲を使用条件とします。
(1)平均使用温度*:-10~+50℃
(2)取付方法:標準取りつけ

* 平均使用温度の確認方法
  制御盤および各機器に取りつけられた状態で、周辺の機器およびデジタル調節計が動作し、安定した状態でデジタル調節計の熱電対入力端子
  ()を短絡した状態で、入力仕様をKセンサとしたときの表示温度を参考にしてください。
  ただし、デジタル調節計の周囲がほぼ平均されている場合とします。

上記保証期間中に納入者側の責より故障を生じた場合は、その機器の故障部分の交換、または修理を納入者側の責任において行います。
ただし、つぎに該当する場合は、この保証の対象範囲から除外させて頂きます。
 (1)需要者側の不適当な取扱い、ならびに使用による場合。
 (2)故障の原因が納入品以外の事由による場合。
 (3)納入者以外の改造、または修理による場合。
 (4)その他、天災、災害などで、納入者側の責にあらざる場合。
    なお、ここでいう保証は、納入品単体の保証を意味するもので、納入品の故障により誘発される損害はご容赦いただきます。


最終更新日:2024年09月02日