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インバータ 概要


インバータは、誘導モータの電源の周波数を自在に変化させることで、誘導モータの回転速度を制御する機器です。ここではインバータの概要を解説します。

関連情報


インバータとは

インバータとは、AC(交流)モータに供給する電力の周波数を制御することにより、モータの回転速度を制御する機器です。
インバータがないと、電源の入ったACモータはフルスピードで動くため、速度が制御できず、モータの用途は限られてしまいます。インバータを使ってACモータの速度と加速度を調整することで、速度が一定のモータと比較して、用途の幅が広がります。通常、モータの速度は1分間あたりの回転数(RPM)で測定し、加速度は一定期間における速度の変化量を示します。

特長

交流電源の周波数、電圧を自由に設定・変更可能

インバータはこの特長を使うことで、自由にモータの回転数やトルクを制御します。

周波数・電源を自由に設定できる制御をPWM(パルス幅変調)制御といいます。インバータは、交流の入力電源を一度直流電源に変換し、その変換した直流電源からPWM制御を使って、再度交流電源を作っています。このとき、インバータはパルス状の電圧を出力しますが、このパルスがモータコイルで平滑され、正弦波の電流がモータに流れることでモータの回転数やトルクを制御しています。

インバータの出力電圧はパルス状です。このパルスがモータコイルで平滑されて、正弦波の電流が流れます。このため、汎用インバータの出力は、一般的にモータ以外には使用できません。

原理

制御モード

V/f制御

V/f制御とは、コイルに一定の電流を流して、一定のトルクを出力させる制御方式です。このためには、電圧と周波数が比例関係にある必要があります。この特性をV/f特性といいます。

ベクトル制御

ベクトル制御とは、インバータから誘導モータへの電圧と電流出力を参照し、出力波形を修正する制御のことです。電圧と電流出力から、モータの回転数や出力トルクを推定して制御します。ベクトル制御を用いることで、誘導モータの不安定な特性をサーボモータのように指令周波数に対し実速度が追従する安定した特性を得ることができます。
ベクトル制御には、主に次の2種類の方式があります。

センサレスベクトル制御方式

センサレスとは、「エンコーダによるフィードバックがない」ということを表しています。センサによるフィードバック信号はありませんが、インバータからモータへ出力する電流と電圧を参照することで、出力波形を修正し、より細かく速度制御を行っています。

エンコーダフィードバック付きベクトル制御方式

センサレスベクトル制御方式とは異なり、エンコーダによるフィードバックが得られる制御方式を表しています。
エンコーダのことをパルスジェネレータ(Pulse Generator)とも呼ぶため、「PG付ベクトル制御」と呼ばれる場合もあります。

本方式は、電圧と電流の出力、モータからのエンコーダフィードバックを監視しており、エンコーダフィードバックを使って、出力波形を調整することにより、正確な速度制御が可能です。

主な基本機能

対応モータ

オムロンのインバータは誘導モータを制御できます。また、同期モータを制御できる機種もあります。

誘導モータは、比較的安価で簡単な速度制御ができるので、多くのアプリケーションに使用されています。交流電源をつなぐだけで回転するため、設置も非常に簡単です。一般的には、後方に冷却ファンが取り付けてあり、モータ自身の放熱を促進しています。

トルクブースト(トルク補償)

低周波数域では電圧降下の影響が大きくなり、トルクが低下してしまいます。それを補償するために、必要な周波数で高い電圧を出力するように調整を行います。その機能を「トルクブースト(トルク補償)」と呼びます。トルクブーストには、手動調整と自動調整の方法があります。

インバータの過負荷検出

インバータには、インバータ過負荷とモータ過負荷の2つがあります。インバータとモータの両方を焼損から保護するための機能です。

インバータの過電圧検出と制動機能

モータが負荷を減速させたり負荷を落下させたりする場合、モータが発電機になってインバータに電気が返還される現象を「回生」と呼びます。
この回生量が大きいと、インバータ内部に電気を蓄積できず、「過電圧」を検出します。回生処理は、インバータの制動機能回路を機能させることで一定のエネルギーを抵抗に流し放電させ、「過電圧」の検出を防いでいます。


最終更新日:2020年10月01日