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低圧開閉器 用語解説


低電圧配電および電動機制御などにおいて、始動・停止および過負荷保護(焼損保護)を行う開閉器です。ここでは低圧開閉器の用語を解説します。

概要用語解説
参考資料 

関連情報


電磁接触器

電磁開閉器

電磁接触器とサーマルリレーを組合せたものを電磁開閉器といい、業界ではマグネットスイッチと呼ばれています。 主に用途としては電動機(モータ負荷)の開閉に使用します。

フレームサイズ

電磁接触器の大きさ(外形)を表します。 基本的に定格使用電圧、定格使用電流が大きくなるとそれに伴って外形も大きくなります。

定格容量(kW)

定格使用電圧における電動機(モータ)の使用可能な最大定格出力(kW)です。

定格使用電圧(V)

開閉容量、開閉頻度、接点寿命を満足するための最大負荷電圧です。

定格使用電流(A)

定格使用電圧において、開閉容量、開閉頻度、接点寿命を満足するための最大負荷電流です。

定格通電電流(AC-1)

開閉を伴わない接点に通電できる電流の最大値です。また、ヒータなどの抵抗負荷を想定した負荷条件をAC-1といいます。

定格通電電流(AC-3)

3相かご型モータを想定して設定した負荷条件です。 電動機を電磁接触器で開閉する際に参考とする基準になる負荷条件です。

補助接点

主接点と連動して動作する接点です。主接点より開閉容量は少なく、信号用や自己保持回路を組む際などのシーケンス回路全般に使用されます。

ミラーコンタクト

ミラーコンタクトとは、主にコンタクタが備えている機構です。本体の主回路と補助回路の組み合わせにおいて、主接点が溶着した場合、コイルの励磁を解いても補助回路のすべてのb接点は、耐衝撃電圧2.5kV以上を満たすか、接点間隔0.5mm以上を確保する構造です。補助回路の溶着時でも主接点はONする可能性があります。補助接点ユニット(J73KC-AM)の組み合わせにおいても、本体の主接点が溶着した場合、装着している補助接点(b接点)が開離するミラーコンタクト構造になっています。

サーマルリレー

バイメタル

熱を加えると湾曲する特殊な金属です。この金属の性質を利用してサーマルリレーの過負荷検出機能に使用しています。

整定電流

サーマルリレーの動作を定める電流値で定格使用電流を基準としています。一般的に電動機の定格電流値と同じ値に設定し、設定した整定電流以上の電流がサーマルリレーに流れ続けると、それを検出して電路を遮断します。

欠相保護機能

電路の断線を検出し、サーマルリレーを動作させ、電動機を焼損などから保護する機能です。

コールドスタート特性

サーマルリレーに無通電の状態から、サーマルリレーが動作するまでの特性です。

ホットスタート特性

通常運転中(サーマルリレーに定格電流が通電されている状態)から、サーマルリレーが動作するまでの特性です。

手動リセット方式/自動リセット方式

サーマルリレーが動作した後の復帰を手動(マニュアル)にて行うようにした設定方式が、手動リセット方式で、サーマルリレーが動作した後の復帰を自動(オート)にて行うようにした設定方式が自動リセット方式です。

トリップクラス10A

IEC 60947-4-1において電動機回路の過負荷時の動作(ホットスタート)が150%Ieで2分以下、拘束時の動作(コールドスタート)が720%Ieで2~10秒以下の動作特性です。(Ieは整定電流)

マニュアルモータスタータ

トリップクラス10

IEC 60947-4-1において電動機回路の過負荷時の動作(ホットスタート)が150%Ieで4分以下、拘束時の動作(コールドスタート)が720%Ieで4~10秒以下の動作特性です。(Ieは整定電流)

タイプ1、タイプ2の保護協調

電磁開閉器と過電流遮断器などの短絡保護装置(SCPD)の組合せにおいて短絡電流が流れたときに、電流は短絡保護装置で遮断されますが、組合せの選定が適切でない場合、電磁開閉器の接点やサーマルリレーのヒータ素子が短絡電流の電磁力・エネルギーにより損傷する場合があります。IEC 60947-1およびJIS C 8201-1では短絡時の電磁開閉器の損傷程度により保護協調のタイプが提示されています。また、短絡電流は「推定短絡電流“r”」と製造業者が定める「定格条件付短絡電流 Iq」で評価します。
タイプ1:電磁開閉器やヒータの損傷は認められる。点検時に部分的あるいは全体的な交換を必要とする。
タイプ2:電磁開閉器の軽い溶着を除く、いかなる損傷もないこと。交換することなく引き続き使用が可能なこと。

使用カテゴリCat.A

ブレーカの種別で、負荷側に直列にあるその他の回路遮断器に対して、短絡条件下における選択用の意図的な短時間時延を備えないもの。


最終更新日:2025年04月14日