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低圧開閉器 概要


低電圧配電および電動機制御などにおいて、始動・停止および過負荷保護(焼損保護)を行う開閉器です。ここでは低圧開閉器の概要を解説します。

関連情報


低圧開閉器とは

低電圧配電および電動機制御などにおいて、始動・停止および過負荷保護(焼損保護)を行う開閉器です。

電磁接触器とは

一般的にコンタクタ単体のことを電磁接触器といいます。主に単体で使用する用途としては電路の遮断、ヒーターの開閉などに使用します。

サーマルリレーとは?

電動機(モータ)を過負荷(過電流)による焼損から保護するために使用します。モータに定格電流以上の電流が一定時間以上流れると焼損してしまいますので、そうなる前にサーマルリレーを作動(バイメタルにて過負荷を検出)させ電路を遮断します。

マニュアルモータスタータ(MMS)とは?

電動機回路の過負荷・欠相保護と短絡電流遮断および開閉の役割を1台で果たすまったく新しいタイプのモータ専用ブレーカです。MMS1台で配線用遮断器とサーマルリレーの機能を併せもっています。

電磁接触器・サーマルリレー選定方法
マニュアルモータスタータ(MMS)選定方法

欧州では、機械類の安全性に関する規格IEC60204-1(機械の電気装置)でモータ回路の電源接続点(電源側の経路)に過電流保護機器および過負荷保護機器の設置を義務付けています。
一方、日本国内では、この規格がJIS B9960-1としてJIS化されており、また、経済産業省が定める電気設備技術基準において、焼損事故防止の観点から、0.2kWを超えるモータに対して過電流遮断器を設ける等の適切な措置を講ずるよう定めており、欧州と同様のトレンドにあります。
マニュアルモータスタータ(MMS)はブレーカ(短絡保護)とサーマルリレー(過負荷、欠相保護)の両機能を備えており、省スペースでこれらの要求を満たすものです。

構造と動作原理

電磁開閉器

電磁接触器は電動機などの負荷へ電気を供給する電気回路を開閉する接触子(接点)と接触子の開閉動作を行わせる操作コイルおよび鉄心から成る電磁石、そして電磁石の動きを接触子に伝える連結機構で構成されています。
コイルに規定の電圧を印加すると、励磁電流が流れます。この電流によって鉄心内に磁束が発生し、鉄心は磁石となります。すなわち可動鉄心は固定鉄心に向って吸引されます。
この可動鉄心にピンによって連結されている可動接点支えには可動接点が組込まれており、可動鉄心の動きによって動き、フレームに固定された固定接点と接触し回路を閉じます。
コイルに印加されている電圧をOFFすると鉄心の励磁が解け、可動鉄心はバックスプリングによって右方へ押し返され、同時に可動接点から離れて回路を開きます。

サーマルリレー

サーマルリレーの主要構成部品はヒータとバイメタルから成るヒートエレメント、サーマルリレーの動作電流を整定する調整ダイヤルおよび動作状態を電気的信号に出力する接点で構成されています。
サーマルリレーが検出する動作電流は調整ダイヤルで動作電流を整定すると、それに対応し釈放レバーとシフター間に動作距離が設定されます。一方、電流はヒートエレメントを構成しているヒータを経由し流れ、ヒータが発生する熱エネルギーによってバイメタルが湾曲し、設定した動作距離が変化します。バイメタルの湾曲量が動作距離より大きくなると反転ばねが作動し、その機械的な動きが各接点機構に伝達され接点を開閉します。

サーマルリレーの動作フロー

動作特性の見方

・標準形サーマルリレー(形J7TC)の動作特性を示します。
・動作特性にはコールドスタート特性とホットスタート特性があります。その違いは用語説明にて説明しています。

・特性の見方
 縦軸に動作時間、横軸は整定電流の倍数を表示しています。例えば、整定電流の2倍の電流が流れたとき
 コールドスタート特性では約30秒~2分20秒、
 ホットスタート特性では約3~60秒でサーマルリレーはトリップします。

電動機保護の見方

電動機が定められた定格範囲内で運転されていれば、内部の巻線絶縁物は自身の温度上昇が定格内に抑えられ、実用上問題のない寿命を持っています。しかし、過負荷になったり、拘束されると定格電流より大きな電流が流れ過熱されて絶縁劣化や焼損が起きる可能性があります。このような危険温度に達する前に電動機を回路から切り離すことが電動機保護の基本です。
電流検出による保護では、過負荷電流に対して巻線絶縁物が危険温度に達するまでの許容時間を、保護機器の動作特性としています。この電流-時間特性は熱特性と呼ばれ、巻線温度が周囲温度状態からの特性をコールドスタート特性、定格温度上昇状態からの特性をホットスタート特性として公表されています。
電流検出方式の保護機器はこの熱特性を下回る動作特性でなければなりません。しかし、電動機の熱特性は絶縁物の種別、保護構造、極数などにより異なるので最も代表的な電流検出方式の保護機器であるサーマルリレーでは、標準電動機を対象に規格で動作特性が定められています。
サーマルリレーはこのような規格上の特性を満足するとともに、定負荷連続運転を行う標準電動機の過負荷・拘束保護が可能です。


最終更新日:2020年08月03日