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一般リレー 参考資料


一般リレーは、電磁継電器のことで、電気信号を受けて機械的な動きに変える電磁石と電機を開閉するスイッチで構成されます。ここでは一般リレーの参考資料を示します。

関連情報


よくある質問集

コイル電圧AC100/(110)Vの機種の( )の意味を教えてください。

AC100/(110)については、コイルが3定格品であることを示しています。
3定格
AC100V 50Hz 
AC100V 60Hz 
AC110V 60Hz 
ちなみにAC100/110Vとなると、4定格品となり、AC110V 50Hzも定格となります。
形MY、形LYシリーズなどに4定格品があります。

動作時間、復帰時間はバウンス時間を含んだ値ですか?

バウンス時間は含んでいません。
動作時間→コイルに通電してからa接点(メーク接点)がONするまでの時間。
復帰時間→コイルをOFF してa接点(メーク接点)がOFFするまでの時間(c接点の場合、b接点に付くまでの時間)

リレー接点を2 個、並列に接続すると開閉容量は2倍になりますか?

2倍にはなりません。
実際に2つの接点がいつも同時にON/OFFするとは限りませんので(タイミングが多少ズレます)瞬間的に1つの接点に全負担がかかってしまうことになります。

微小負荷開閉に適したツイン接点のリレーの形式を教えてください。

微小負荷開閉には、信頼性の高いクロスバ・ツイン接点、またはツイン接点のリレーをおすすめします。

〈代表的なシリーズ名〉

形G7Tシリーズ、形MY4Z-CBGシリーズ
................................... クロスバ・ツイン接点
形MY4Zシリーズ、形MK□ZPシリーズ
................................... ツイン接点

微小負荷領域での接触信頼性の考え方を教えてください。

微小負荷を開閉する場合、接点の接触抵抗が問題とされることがあります。
偶発的に高い接触抵抗値が生じても、次の動作で回復したりします。
また、接点被膜の生成などにより接触抵抗値が上がることもあります。
接触抵抗値について、その値を故障とするかどうかは、使用回路に問題が生じるかどうかで判断します。
このため、リレーの接触抵抗の故障の基準は初期値のみ規定し、最小適用負荷はひとつの目安としてP水準(参考値)などで故障率を表現しています。
なお、リレーの接点には微小負荷開閉に適したものと、そうでないものとがあります。

外部条件、環境、雰囲気のリレーに対する影響

コイルについて

電源との関係

(1)直流リレーでは、

(2)交流リレーでは、コイルのインダクタンスが影響するため、コイルインピーダンスを考慮する必要があります。
また、コイルインピーダンスは、周波数により変化し、60Hzにおける特性を100%とすると、同一リレーを50Hzで使用した場合、その特性は下表のようになります。ただし、リレーによっては、この値は変わりますので、確認のうえご使用ください。

定格電流、消費電力、温度上昇約117%
動作電流約100%
動作電圧、復帰電圧約85%

(3)コイルについて注意すべき点は、DC操作リレーにおいて動作表示付・サージ吸収用ダイオード付リレーや、キープリレーの場合には極性があります。極性をまちがえると素子の破壊や動作不良となりますのでご注意ください。
AC操作リレーにDC電圧を印加すると、コイルが発熱し、焼損にいたる場合があります。逆にDC操作リレーにAC電圧を印加すると、可動鉄片振動を繰り返し正常動作しません。

温度との関係

コイルに使用されている銅線の抵抗は、温度変化に対して、約0.4%/℃の影響を受けます。このことは、そのままリレーの動作特性にも影響を与えます。
これは、電磁石の吸引力のもとになる、コイル電流が変化するためです。交流操作のリレーでは、コイルのインピーダンスに対するコイルの直流抵抗の比率が小さいため温度による動作特性(動作電圧・復帰電圧)の変化は少なくなります。
また、直流電圧操作のリレーでは、コイル抵抗の変化がコイルの温度上昇にも影響を与えます。これは、コイル電流の変化による、消費電力の増減に起因するもので、温度上昇の値は、温度によるコイル電流変化率の分だけ変化します。代表的な例を下図に示します。

周囲温度の定義

リレー自身の発熱や、他の機器の発熱でボックス内の温度が上昇します。
使用周囲温度はボックス内リレー付近としてください。

電気腐食

リレーコイルが非稼動状態で高温、高湿の雰囲気にさらされ、しかも、コイル巻線と鉄心など他の金属との間に電位差がある場合、その間の絶縁が充分でないと、両者間を流れるイオン化電流によってコイルに巻かれている銅線が腐食されることがあります。
ちょうど金属にメッキをするのと同じような作用によるものと考えられ、酸、塩基などが介すると、この作用はさらに促進されます。
過去のリレーでは、このような現象についてあまり考えられていませんでしたが、最近ではスプール材には特性の良いプラスチックが開発され、しかも巻線の絶縁材もポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素樹脂など優れたものが開発され、比較的その危険性も少なくなっています。
電気腐食を防ぐには高温、高湿中での保管、使用を避けること、回路構成のうえでは、巻線に+電位を与えないようにスイッチの位置に注意をするとか、+接地するなどの考慮が必要です。
下記にその良否例をあげます。

動作時間について

形状と動作時間との関係

リレーの動作時間は、コイルの時定数、慣性モーメントによる遅れ時間、接点切り換わり時間などによって決まりますが、これらの値はリレーの形状によっていろいろ異なります。たとえば、鉄心と可動鉄片間の空隙の大きいものとか、磁気抵抗の大きな材質を使用した電磁石をもつリレーでは、インダクタンスが小さい値になるため、時定数は小さくなりますが、逆に吸引力は減少し、可動鉄片の吸引に要する時間は長くなります。このような傾向は、直流操作のリレーに顕著に現われます。これは電磁石の吸引力が、鉄心、可動鉄片間の空隙の2乗に反比例し、低下することに起因するためです。したがって、高速度リレーでは、空隙を小さくし、高透磁率材料を使用し、コイルの巻線を少なくするなどの考慮をしています。
交流操作では、起動時に定格電流より大きな電流が流れるため、直流操作ほど形状との関係はありません。
そのほか、慣性モーメントについては、可動鉄片の動き始めに大きな負荷荷重が加わらないような間接駆動形が効果があります。また、接点の切り換わり時間は、可動鉄片の動きが、ほとんどそのまま伝達されるため、その動きはできるだけ小さく、しかも、動作全行程を通して、スムーズに動作するよう、荷重と吸引力のバランスが考えられています。接点のバウンスは可動鉄片の動作速度、可動部分の質量、接点ばねのばね性などの要素が影響します。
一般には、接点ばねや接触片の形状、ストッパの構造などが、動作時の衝突エネルギーを緩和するように考慮されています。

コイル印加電圧(電流)と動作時間の関係

リレーの動作時間はコイルの印加電圧(電流)に左右されます。
下図に示すように、動作電圧を若干超える電圧を印加した時は、コイル電流が動作電流に達するまでの時間、可動部の慣性に打ち勝って可動部が動きだすまでの時間、吸引力が負荷荷重に打ち勝って可動部を加速し接点が切り替わるまでの時間は、いずれにおいても長くなるため動作時間も大幅に長くなります。
一方、動作電圧を大幅に超える電圧を印加するといずれも短く、動作時間は早くなります。
コイル印加電圧と動作時間の関係は前述の通りですが、コイル印加電圧は他の特性にも関係するため、コイル定格電圧が規定してあります。

コイル印加電圧(電流)と動作時間の関係

コイル温度と動作時間との関係

リレー温度が変化すると、リレーの接点ばねのばね性、摩擦状態、コイル抵抗などが変化しますが、このうち、動作時間に大きく影響するのはコイル抵抗の変化です。リレーの動作原理のところで説明しましたが、電磁石の動作は電流に関係します。
直流の電磁石では、電流は次の式で表わすことができます。

ここで、コイル温度が上昇すれば、前述したようにコイル抵抗は0.4%/℃で大きくなり、コイルの時定数(L/R)のR(コイル直流抵抗)を大きくすることになるので、接点の待機時間は短くなり、動作時間は速くなる方向に作用します。その反面、コイル抵抗の増加はコイル電流の減少をまねくので、電圧操作のリレーではかえって動作時間が長くなります。図は電圧操作と電流操作について、それぞれコイル温度に対する動作時間の変化を図示したものです。
大型リレーのように動作時間が数10msかかるものでは、温度が変化してもあまり変化せず、10ms以下の小型リレーにおいては温度によって変化する傾向が見られます。

コイル温度と動作時間の関係

使用環境雰囲気について

シルバーマイグレーション

銀の移行現象は銀の端子(電極)間に直流電圧が長時間印加され、湿度および酸化還元雰囲気の条件が加わった場合に銀が移行することをいいます。この現象が進行するにしたがって、絶縁性が低下し、まれに回路間短絡などの障害を発生することもあります。

銀の移行状態

銀移行部の拡大写真

シルバーマイグレーションの発生および、進行加速条件は不明な点も多く、一元的にはいえませんが、一般的に次のことがいえます。

発生条件加速条件
銀の存在・印加電圧高く、絶縁距離短い。(電位傾度高い)
・絶縁材料の吸水率高い。
・酸化還元性ガス(SO2、H2S、NH3)などの存在
長期間の直流電圧印加
吸湿性の高い絶縁物
高温、高湿中での使用

当社の一般リレーでは、端子の銀メッキ処理はありませんので、シルバーマイグレーションの発生はありません。

キャットウィスカ

メッキした部品を長時間保存しておくと、表面より針状の結晶が成長してくる現象がみられます。この結晶は、ウィスカまたは形状が猫のひげに似ているところから、キャットウィスカと呼ばれています。これらの金属結晶の長さによっては、回路間の短絡障害の発生につながります。
ウィスカの発生原因は不明な点もあり解明されているとはいえませんが、発生しやすい条件としては素地がしんちゅう、亜鉛で、メッキが錫や亜鉛の場合などに特に発生しやすいといわれています。

ウィスカ発生例

当社の一般リレーは、溶融メッキや特殊亜鉛メッキの採用により、これらのウィスカ対策済みですが、部品設計、プリント基板やパターン設計時には、亜鉛や錫メッキ部品と電気回路の絶縁距離を十分とるなどの配慮をお願いします。

熱帯処理リレー

製品単品や、機器に内蔵され船舶にて熱帯地方を通過する際は、高温・多湿下にさらされることになります。
この環境から金属材料を保護するために、外装仕様を変更した熱帯処理リレーを用意しています。

環境による接点劣化

リレーをまったく使用しないで保管しておくだけでも、接点の劣化が進行することがあります。たとえば、下表のように大気中に含まれる硫黄や塩素などの影響を受けるためです。数年にわたって在庫する場合は、金メッキした接点や金クラッド接点などのリレーを用いるか、出荷時の通電検査の実施などの配慮が必要です。

地区検出元素接点表面観察結果
(Ag接点 12ヵ月放置後)
化学工場Ag、S接点全体にほぼ均一でち密な腐食生物がみられ
分析によりAg2Sを検出
製鉄所Ag、S全面不規則な凹凸がみられ、所々に柱状の結晶が点在、
分析によりAg2Sを検出、膜厚は約100Å程度
自動車道Ag、S、CL微細な球状結晶がまばらに点在し、所々白い部分は
Ag2Sは極めて薄く膜厚は20Å程度

化学工場

製鉄所

自動車道

接点について

接点の固有特性

接点の特性は、使用上から考えれば、単純には接触抵抗が安定し、寿命が長ければ良いのですが、これらを満足させるためには、"接点追従"、"接点圧力"が重要な要因です。
接点圧力は、一般に使用される銀あるいはその合金では5~50g、金、白金、パラジウムなどの貴金属接点では3~10gが一般的です。このように、貴金属接点での値を小さくできるのは、開閉する容量も小さく耐環境性が比較的すぐれているためです。
接点追従は、接点の接触部分が、ある程度消耗しても、なお、接触することが必要です。そして、この接点追従は、接点圧力とは密接な関係にあり、両者の積は接点部分の仕事量になります。限られた仕事量の中で、接点圧力を大きくするか、接点追従を大きくするかによって、接触性は異なってきます。
たとえば、接点圧力が大きく、その反面、接点追従の小さい場合には、初期的には安定しているかにみえますが、接点消耗が進んでいくと、急激に接点圧力は減少し、やがては接触しなくなります。
逆に接点圧力が小さく、接点追従の大きい場合には、前述のようなことはおこりませんが、接触抵抗が高くなったり、皮膜の破壊が困難になったりなどの問題点が考えられます。したがって適度な接点追従と接点圧力をもったリレーが、よいリレーといえます。
接触抵抗は、集中抵抗と境界抵抗(皮膜抵抗)とに分けて考えることができます。
接点接触は一見、面で接触しているように思われますが、実は接点の形状、表面の荒さなどの関係から、1点もしくは複数の点接触になっています。電流がこの接触点に集中して流れるために生じる抵抗が集中抵抗です。
接触抵抗は、接点の硬さ、接点圧力、接点材質の固有抵抗に関係しています。その接触部のモデルを下記に示します。すなわち接触は見かけよりもはるかに小さな接触面積となっていて、電流が絞られた状態で流れることがわかります。
さらに接点圧力と接触抵抗の関係を測定した実際の例を示します。

接触部の電流分布

接点圧力と接触抵抗

また、接点を空気中にさらしておくと酸化皮膜、硫化皮膜などの皮膜の生成は避けられませんが、これらに起因する抵抗を境界抵抗(皮膜抵抗)といいます。
一般的には、接点使用前の状態では、集中抵抗の占める割合は大きいのですが、使用していくうちに、アークによる消耗、機械的な摩耗などがあって、逆に境界抵抗の方が多くなってきます。それは動作ひん度によって異なります。ひん度の大きい接触面では比較的清潔で境界抵抗(皮膜抵抗)は小さく、ひん度の小さいものはかなり高い抵抗の皮膜を生成することがあります。
また、接触抵抗の値はカタログなどに記載していますが、これらの値は、標準的な試験方法で規定した初期値にすぎません。実際は、それぞれ装置に合った接触抵抗が必要になります。一般には、負荷インピーダンスについてのどの程度まで許せるかということになりますが、音声電流の伝達のように歪み、減衰が問題になるような特殊な場合を除けば、接触抵抗の値は負荷インピーダンスの1~5%までは許容できるようです。

負荷条件と接点

リレーに発生するトラブルのうち、大半は接点の接触性に起因するとされていますが、負荷条件によってそのトラブルの内容も異なります。負荷条件は、微小エネルギー・レベル(ドライ・サーキット)、中間エネルギー・レベル、高エネルギー・レベルに大別できます。
微小エネルギー・レベルは、厳密には機械的接触回路をいい、熱、放電などによって、接点の接触状態に変化の起こらない負荷条件をいいます。しかし実際には、ある程度の電圧を加えても接触状態は変化しないため、その負荷条件も含めて定義されています。
接触状態に影響をおよぼさない限界の電圧を接点軟化(Softening Voltage)といい、銀0.09V、金0.08V、白金0.25V、タングステン0.6Vです。
中間エネルギー・レベルは、軽い放電現象の起こる負荷条件ですが、接点軟化電圧からアーク放電開始電圧までをいいます。アーク放電開始電圧は銀12V、金15V、白金17.5V、タングステン15V、10%パラジウム銀合金は11Vとなっています。
高エネルギー・レベルは、アーク放電開始電圧以上をいいます。

接点に関する特殊な問題

接点は使い方によって特殊な現象を起します。以下にその内容を示します。
(1)負荷開閉時の異常腐食現象
この現象は、負荷開閉時のアークと空気中のN、Oが結合し、一般的にはHNO3になり金属材料を腐食させます(硝酸腐食)。

硝酸腐食の例

対策としては、
1.アーク消弧回路により負荷開閉時のアークの量を減少させる。
2.開閉ひん度を落し、アークの持続をなくす。
3.使用環境の湿度を下げる。
などが効果的です。
(2)コヒーラ効果
接点が、接点表面に被膜を介して接触している場合、接点電圧がある値以上になると、その被膜が電気的に破壊されて接触抵抗が急激に低下する現象をいいます。
(3)熱起電力
リレー接点構成材の材質は、機能上さまざまな金属(銀・銅合金など)を組合わせています。これらの構成材の接合部は、発熱体(たとえばコイル)からの距離や伝熱経路のちがいなどにより温度差を生じます。この結果、接点端子間に熱起電力(約数μV~数10μV)を発生します。特に微小信号を取り扱う場合には注意が必要です。
ラッチング(キープ)リレーを用い、コイルの通電時間を短くする事によりコイルの発熱をおさえ熱起電力を低減する方法、熱起電力の小さいリレー(接点導電部の材質形状を特別に配慮したもの)を使うなどによりある程度低減できます。

各負荷条件における接触性

微小エネルギーレベルと高エネルギーレベルでは、接点に起こる現象は全く異なります。前者は接点の消耗は少ないのですが、接触不良の有無が問題になります。後者は接点の消耗、溶着、転移などが問題になります。
微小エネルギーレベルでは、接点の清潔さが一番重要なことになります。不導通物質の付着、不導通皮膜の生成が主な接触不良の原因になります。
不導通物質は、土砂、繊維などの塵埃ですが、微小負荷用のリレーでは、接点のワイプ、接点圧力も比較的小さいため、このような物質が接触面に付着すると接触不良が起こります。このようなことは、接点材質に関係なく発生するため、リレーの選択、使い方が問題になります。不導通皮膜生成はリレーの構成部品材料や周囲環境に原因します。不導通皮膜は空気中に含まれる水分、油脂あるいは酸化物、そのほかリレー自身や建物から出てくる有機ガス、自動車などの排気ガス、工場の煤煙、はんだづけのフラックス、工事者の指紋などによります。不導通皮膜にはリレーの構造、接点の材質、環境整備などの対策が必要になります。
一般に使用される銀接点は、容易に酸化や硫化します。しかし、そのうち酸化皮膜は接触性について大きな影響はありませんが、硫化皮膜は大きな影響を与えます。このような場合には硫化しにくい貴金属が使用されます。普通、パラジウム、金、白金などと銀の合金接点が使用されます。一方、白金系の接点はベンゼン、ガソリンなどから出る不飽和性の有機ガスによって、絶縁体の粉末(ブラウンパウダー)を生成します。金は皮膜生成がないので接触性は安定しますが、やわらかいため低接点圧力で接触部分が変形し、そのままでは使用に耐えないため、パラジウムなどとの2層張り接点の上層に、または接点保護のための金皮膜などに、多く使用されます。
微小負荷でも放電が起こるような条件では接点は酸化したり、空気中に含まれる可燃性の物体が燃えて、炭化皮膜をつくることがあります。炭化皮膜は完全な絶縁体ではありませんが、数10~数100Ωに達することもあります。
高エネルギーレベルでは、アーク放電は大エネルギーを継続的に発生するため、接点開閉時には接点を溶蝕させ、金属蒸気にして飛散させるなど接点の消耗、また、一方の接点から分離した金属粒子が他方の接点に結合して起こる接点転移、そして、投入時に接触面を溶触結合させる溶着などの接点障害を起こすことがあります。
直流の場合には交流のように電圧、または電流がゼロになる点がないため、かなり小さな負荷でもアークは長い時間持続することがあります。
このような負荷条件では、金属粒子の付着、絶縁物の炭化によって絶縁劣化を招くことがあるため、絶縁物の材質、形状にも注意が払われています。
接点の障害は、負荷の種類によっても異なります。トランス、モータ、ランプなどの負荷では大きな突入電流が流れるため、接点の溶着事故を起こすことがよくあります。ランプ、モータ、トランス、ソレノイドなどは数倍から10数倍の電流が流れます。
モータ、トランス、ソレノイドなどの誘導性負荷では、しゃ断時に大きな逆起電力を発生します。この電圧は、定常電圧の4~20倍に達するため、接点の消耗、負荷の破壊を招くことがあります。

誘導モータ始動電流波形

ACソレノイド投入電流波形

ランプ投入電流波形


最終更新日:2024年07月16日