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ソリッドステート・リレー 参考資料


ソリッドステート・リレーは、半導体を使った無接点リレーで、高速高頻度動作が可能です。ここではソリッドステート・リレーの参考資料を示します。

関連情報


ソリッドステート・リレー(SSR)の内部回路構成例
負荷仕様ゼロクロス
機能
絶縁方式回路構成形式
交流
負荷用
フォト・
カプラ
形G3H
形G3B
形G3F
形G3NA(AC入力)
フォト・
トライアック
形G3NE
形G3J
形G3F
形G3H
形G3TA-OA
フォト・
トライアック
形G3PA-VD
形G3PE(単相)
形G3NA(DC入力)
形G3NE
形G3F-VD
形G3H-VD
形G3B-VD
フォト・
トライアック
形G3PE-2(N)(三相)
フォト・
トライアック
形G3PE-3(N)(三相)
フォト・
カプラ
形G3NA-4□□B-UTUタイプ
形G3PH
形G3PA-4□□Bタイプ
直流
負荷用
フォト・
カプラ
形G3FD、形G3HD-X03
形G3BD
形G3TA-OD
形G3NA-D
フォト・ボル・
カプラ
形G3HD-202SN
交流・
直流
負荷用
フォト・ボル・
カプラ
形G3FM
プリント基板用ソリッドステート・リレー(SSR)の内部回路構成例
負荷仕様ゼロクロス
機能
絶縁方式回路構成形式
交流
負荷用
フォト・カプラ
形G3CN
形G3TB-OA
フォト・
トライアック
形G3R、形G3S
形G3M
形G3MC、形G3CN
フォト・
トライアック
形G3R
形G3M
直流
負荷用
フォト・カプラ
形G3SD、形G3CN-D
形G3RD、形G3TB-OD
形G3R-ID、形G3R-OD
交流・直流
負荷用
フォト・ボル・
カプラ
形G3DZ
形G3RZ

注. 上記回路構成は参考例となります。各形式によって、回路構成が異なることをご了承ください。

プリント基板用ソリッドステート・リレー(SSR)用途別分類および適用負荷例

1. 用途別による分類

用途推奨ソリッドステート・リレー(SSR)例
インターフェース用
プログラマブルコントローラ、位置決めコントローラなど
からの制御出力のアイソレート伝達をアクチュエータへ
行う用途に適したソリッドステート・リレー(SSR)です。
特に、形G3DZは、出力素子にMOS FETを採用しており、
低漏れ電流・交流回路、直流回路での共用可能の特長
を持っています。
OA、HA、娯楽用
高ひん度開閉、動作音なし、メカニカルリレーと比較して
振動・衝撃・塵埃・ガスに強いなどの要素が重要視され
る用途に適しています。

2. 適用負荷例

負荷電圧形式最大
負荷
電流
種類備考
ヒータ単相
モータ
三相
モータ
ランプ
負荷
バルブトランス
AC110V形G3R-101□、形G3S-201□、
形G3MC-101P□
1A0.8A――――0.5A0.5A50W
形G3R-102□、形G3CN-202□、
形G3MC-202P□
2A1.6A――――1A1A100W
AC220V形G3S-201□、形G3R-201□、
形G3MC-201P□
1A0.8A15W50W0.5A0.5A100W
形G3R-202□、形G3CN-202□、
形G3MC-202P□
2A1.6A35W100W1A1A200W
DC24V形G3SD-Z01□1A0.8A――――0.5A0.5A――
DC48V形G3CN-DX02□、形G3RD-X02□2A1.6A――――1A1A――
形G3CN-DX03□3A2.4A――――1.5A1.5A――
DC100V形G3RD-101□1.5A0.8A――――0.5A0.5A――
AC5~240V
DC5~110V
形G3DZ-2R6PL0.6A――――0.5A0.5A60W

*トランス負荷の場合、投入電源は1/2以下でご使用ください。
注. ソリッドステート・リレー(SSR)の最大負荷電流は、抵抗負荷で単品取りつけの状態を想定し決定しています。
  しかし実際の使用状態では、電源電圧の変動や盤スペースなどにより実験レベルより厳しい状況におかれることが予想されます。
  これらに対しての余裕を取るために定格値に対し20~30%程度減少した値をとっているのが推奨値です。
  トランス、モータなどの誘導性負荷では突入電流を伴うためさらに余裕率が大きくなっています。

MOS FETリレーについて

1. MOS FET リレーとは

MOS FET リレーとは、プリント基板実装型ソリッドステート・リレー(SSR)のひとつで、出力素子にパワーMOS FET を使用したソリッドステート・リレー(SSR)です。主に、信号の開閉・接続用途に使用されます。

2. 構造と動作原理

MOS FET リレーは、出力素子であるパワーMOS FET を動作させるために、受光素子としてフォトダイオードアレイを使用しています。

MOS FET リレーは以下の原理で動作します。

  1. 入力側に電流を通電するとLED が発光する。
  2. その光を出力側の受光素子(フォトダイオードアレイ)が受光し、発電することで、再び電圧に変化する。
  3. この電圧が制御回路を通ってゲート電圧となり、出力素子(パワーMOS FET)を駆動させる。

3. 名称

MOS FET リレーは比較的歴史の新しい商品のため、各社が様々な名称・商標を付けています。
下表にシグナル用(形G3VM相当)の例を示します。

メーカ名カタログでの名称
東芝フォトリレー
パナソニックPhoto MOSリレー
日本電気MOSFETリレー
沖電気MOSスイッチ
沖田製作所Photo DMOS-FETリレー
HPSolid State Relay
オムロンMOS FETリレー

当社調べ:2015年12月現在

4. 用語集

項目記号説明





絶対最大定格---瞬時といえども超えてはならない最大値
特に指定のない場合はTa=25℃における値です。


LED順電流IF連続的にLED順方向に流し得る電流定格
繰り返しピーク
LED順電流
IFP瞬時的にLED順方向に流し得る電流定格
直流順電流
低減率
ΔIF/℃周囲温度とともにLED順方向に流し得る電流の低減率
LED逆電圧VRカソード・アノード間に印加し得る逆電圧定格
接合部温度TjLEDのジャンクション部で許容し得る温度定格


負荷電圧VOFF負荷の開閉やオフ状態でリレー出力端子間に印加し得る電圧定格
交流の場合はピーク電圧
連続負荷電流Io規定の温度条件のもと、オン状態でリレー出力端子間に流し得る電流定格
交流の場合はピーク電流
オン電流低減率ΔIo/℃周囲温度とともにオン状態でリレー出力端子間に流し得る電流の低減率
パルスオン電流Iopオン状態でリレー出力端子間に瞬時的に流し得る電流定格
接合部温度Tj受光回路部のジャンクション部で許容し得る温度定格
入出力間耐電圧VI-O入力・出力間の絶縁耐量を保証する電圧
使用周囲温度Taリレーの機能を損なうことなく動作させ得る周囲温度範囲
保管温度Tstgリレーに電圧を印加しない状態で保存し得る周囲温度範囲
はんだ付け温度
条件
---リレーの機能を損なうことなく端子をはんだ付けするための温度定格






LED順電圧VF規定の順電流値でのLEDアノード・カソード間電圧降下
逆電流IRLED逆方向(カソード・アノード間)に流れる漏れ電流
端子間容量CTLEDアノード端子・カソード端子間の静電容量
トリガLED順
電流
---リレーの出力状態を遷移するための入力電流の最小値。
リレーを確実に動作させるためには最大規格以上の電流で使用する必要が
あります。
IFTa接点タイプの出力MOS FETをオン状態へ移行させるに必要な入力電流 IF
の最小値
IFCb接点タイプの出力MOS FETをオフ状態へ移行させるに必要な入力電流 IF
の最小値
復帰LED順
電流
---リレーの出力状態を復帰させるための入力電流の最大値。
リレーを確実に復帰させるためには最小規格以下の電流にする必要があり
ます。
IFCa接点タイプの出力MOS FETをオフ状態に復帰させるために流せる入力電
流 IF の最大値
IFTb接点タイプの出力MOS FETをオン状態に復帰させるために流せる入力電
流 IF の最大値


最大出力オン
抵抗
RON規定のオン状態におけるリレー出力端子間の抵抗値
開路時漏れ
電流
ILeakオフ状態でリレー出力端子間に規定の電圧を印加した際に流れる漏れ電流
端子間容量COFF規定のオフ状態におけるリレー出力端子間の静電容量
リミット電流ILIMカレントリミット機能が働いた際に保持される負荷電流値
入出力間容量CI-O入力端子―出力端子間の静電容量
入出力間容量絶縁
抵抗
RI-O入力端子―出力端子間に規定の電圧を印加した際の抵抗値
動作時間tON規定の入力LED電流を印加してから出力波形が遷移するのに要する時間
a接点タイプ:入力オフ→ オン時点から出力波形が100%から10%まで遷移
するのに要する時間
b接点タイプ:入力オン→ オフ時点から出力波形が100%から10%まで遷移
するのに要する時間
復帰時間tOFF規定の入力LED電流を遮断してから出力波形が遷移するのに要する時間
a接点タイプ:入力オン→ オフ時点から出力波形が0%から90%まで遷移す
るのに要する時間
b接点タイプ:入力オフ→ オン時点から出力波形が0%から90%まで遷移す
るのに要する時間
等価立上り時間ERT高速信号やパルス信号に対する出力側の通過特性の指標
入力波形の立上り時間trin、リレーを通過した出力波形の立上り時間trout
として次の式で表され、値が小さいほど信号の変化が少ないため良い特性
とされます。
 ERT=√(trout2-trin2





推奨動作条件---高い信頼度でご使用いただくため、最大定格・電気的性能に対してディレー
ティングを考慮した指標。
各項目は独立した条件であり、複合条件を同時に満たすものではありませ
ん。
負荷電圧VDDディレーティングを考慮した負荷電圧の推奨条件
交流の場合はピーク電圧
動作LED順電流IFディレーティングを考慮したLED順電流の推奨条件
連続負荷電流Ioディレーティングを考慮した負荷電流の推奨条件
交流の場合はピーク電流
動作温度Taディレーティングを考慮した使用周囲温度の推奨条件




MOS FETオン電圧VON出力MOS FETのオン状態における出力端子間の電圧降下
相対出力端子間
容量
COFF/COFF(0V)出力端子間電圧が0Vでの出力側端子間容量を基準とした相対比


カレントリミット機能---過電流がある値以上に達すると、負荷電流をリミット電流特性の最小-最大
の間の一定値に保つ機能。
電流を一定値で抑えることで、リレーおよびリレー以降に接続されている回
路部品を保護します。
低C×R---高周波信号や高速信号などを扱う用途での出力側の特性の指標。
Cはオフ状態の出力側端子間容量COFFを、Rはオン状態の出力端子間抵
抗RONを指します。
COFFが大きいとリレーがオフ状態でも信号が通過(信号漏れ、アイソレー
ション低下)することやオン状態で信号の立上り時間の遅れ(波形のなま
り)に、RONが大きいと信号の通過損失(電圧降下、インサーションロス低
下)に影響します。このような用途ではCOFFが小さく、かつRONが小さい
低C×R特性が重要となります。
応用回路例

1. センサとの接続

ソリッドステート・リレー(SSR)は、近接スイッチ、光電スイッチなどのセンサに直接接続できます。

2. 白熱灯の点滅制御

3. 電気炉の温度制御

4. 単相誘導電動機の正逆運転

注1. SSR1、SSR2のどちらかオフしている側のソリッドステート・リレー(SSR)のLOAD端子間電圧は、LC結合により電源電圧の約2倍の電圧となるため、必ず使用電源電圧の2倍以上の出力定格電圧を有するソリッドステート・リレー(SSR)をご使用ください。
  (例)電源電圧交流100Vの単相誘導電動機の正逆運転には、交流200V以上の出力電圧を有するソリッドステート・リレー(SSR)を使用する。
 2. SW1とSW2の切り替えには、必ず30ms以上のタイムラグを持たせてください。
*進相コンデンサ放電電流制限抵抗。本抵抗の選定については、ご使用のモータメーカー様へご確認をお願いします。

5. 三相誘導電動機のオン、オフ制御

6. 三相モータの正逆運転

ソリッドステート・リレー(SSR)で三相モータの正逆運転をする場合は、ソリッドステート・リレー(SSR)の入力信号に注意してください。下図のSW1とSW2を同時に切り替えた場合、負荷側で相間短絡が発生し、ソリッドステート・リレー(SSR)の出力素子破壊の原因となります。これは、ソリッドステート・リレー(SSR)の入力端子への入力信号がなくなっても、負荷電流が0になるまで出力素子(トライアック)が導通しているためです。従って、SW1とSW2の切り替えには、必ず30ms以上のタイムラグを設けてください。
また、ソリッドステート・リレー(SSR)の入力回路へのノイズなどによるソリッドステート・リレー(SSR)の誤動作の場合も相間短絡となり、ソリッドステート・リレー(SSR)が破壊します。この場合の対策例として短絡事故を防ぐ保護抵抗Rを回路に挿入する方法があります。保護抵抗Rは、ソリッドステート・リレー(SSR)のサージオン電流耐量より決定してください。
例えば、形G3NA-220B-UTUのサージオン電流耐量は、220Apeakですから、R>220V×√2/220A=1.4Ωとなります。
なお、回路電流・通電時間などを考慮して、消費電力の小さくなる側に入れてください。
また、抵抗の電力は、P =I2R×安全率より求めてください。
(I=負荷電流、R=保護抵抗、安全率=3~5)

7. トランスのタップ切り替えの考え方

トランスのタップ切り替えをソリッドステート・リレー(SSR)で行う場合は、OFF側のソリッドステート・リレー(SSR)に誘起される電圧に注意ください。
誘起電圧は、巻数(≒タップ電圧)に比例します。
下図で、電源電圧200V、N1=100回、N2=100回で、SSR2がONしているとすると、SSR1の両端には電源電圧の2倍の電圧400Vが印加されますので、SSR1は400V用SSRが必要となります。

8. トランス負荷の突入電流の考え方

トランス負荷時の突入電流は、相互リアクタンスが働かない2次側開放状態が最大となります。また、その最大電流は電源周波数の1/2サイクルですのでオシロスコープを用いないと測定が困難です。このため、トランス一次側の直流抵抗を測定し、突入電流を予測します。(実際は、自己リアクタンスが働くためこの計算値より少なくなります。)
 I peak=V peak/R=(√2×V)/R
仮に一次側の直流抵抗3オームのトランスを負荷電源電圧220Vで使用する場合の突入電流は、
 I peak=(1.414×220)/3=103.7Aになります。
当社のソリッドステート・リレー(SSR)のサージオン電流耐量は非繰り返し(1日1~2回程度)で規定しており、繰り返しでご使用になるこのI peakの2倍のサージオン電流耐量を持ったソリッドステート・リレー(SSR)を選定ください。この場合、207.4A以上のサージオン電流耐量を持った、形G3□□-220□以上のソリッドステート・リレー(SSR)を選定ください。また、これを逆算するとソリッドステート・リレー(SSR)に応じたトランス一次側の直流抵抗値が算出できます。
 R=V peak/I peak=(√2×V)/I peak

トランス一次側の直流抵抗から適用ソリッドステート・リレー(SSR)の一覧を別表に示します。
なお、この一覧表は「突入電流を満足するソリッドステート・リレー(SSR)」を示しており、あわせて「トランスの定常電流が各ソリッドステート・リレー(SSR)の定格電流を満足する」ことも必要です。

〈ソリッドステート・リレー(SSR)の定格電流の見方〉

下線2桁の数字が定常電流を表します。(この場合、40A)
形G3PHの場合のみ: 形G3PH-□075=75A、
          形G3PH-□150=150A
条件1:ソリッドステート・リレー(SSR)の周囲温度(=盤内温度)は各ソリッドステート・リレー(SSR)の定格温度以内であること。
条件2:正規放熱器を取りつけた状態であること。

負荷電源電圧100Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
4.8以上3060-205□-205□
1.9~4.775150-210□
-215□
-210□-210□
1.3~1.8110220-220□
-225□
-220□-220□
0.65~1.2220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.36~0.64400800-2075□
0.16~0.359001,800-2150□

負荷電源電圧110Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
5.2以上3060-205□-205□
2.1~5.175150-210□
-215□
-210□-210□
1.5~2.0110220-220□
-225□
-220□-220□
0.71~1.4220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.39~0.70400800-2075□
0.18~0.389001,800-2150□

負荷電源電圧120Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
5.7以上3060-205□-205□
2.3~5.675150-210□
-215□
-210□-210□
1.6~2.2110220-220□
-225□
-220□-220□
0.78~1.5220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.43~0.77400800-2075□
0.19~0.429001,800-2150□

負荷電源電圧200Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
9.5以上3060-205□-205□
3.8~9.475150-210□
-215□
-210□-210□
2.6~3.7110220-220□
-225□
-220□-220□
1.3~2.5220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.71~1.2400800-2075□
0.32~0.709001,800-2150□

負荷電源電圧220Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
10.4以上3060-205□-205□
4.2~10.375150-210□
-215□
-210□-210□
2.9~4.1110220-220□
-225□
-220□-220□
1.5~2.8220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.78~1.4400800-2075□
0.35~0.779001,800-2150□

負荷電源電圧240Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
11.4以上3060-205□-205□
4.6~11.375150-210□
-215□
-210□-210□
3.1~4.5110220-220□
-225□
-220□-220□
1.6~3.0220440-235□
-240□
-245□
-260□
-240□
0.85~1.5400800-2075□
0.38~0.849001,800-2150□

負荷電源電圧400Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
7.6以上75150-410□
5.2~7.5110220-420□
-430□
-420□
2.6~5.1220440-435□
-445□
1.5~2.5400800-4075□
0.63~1.49001,800-4150□

負荷電源電圧440Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
8.3以上75150-410□
5.7~8.2110220-420□
-430□
-420□
2.9~5.6220440-435□
-450□
1.6~2.8400800-4075□
0.70~1.59001,800-4150□

負荷電源電圧480Vの場合

トランス一次側の直流抵抗
(Ω)
突入電流
(A)
SSRのサージオン電流耐量
(A)
適用ソリッドステート・リレー(SSR)
形G3P□形G3NA形G3NE形G3PH
9.1以上75150-410□
6.2~9.0110220-420□
-430□
-420□
3.1~6.1220440-450□
フェイルセーフの考え方

1. 故障モードについて

ソリッドステート・リレー(SSR)は、高ひん度開閉、高速開閉を必要とする場合に最適なリレーですが、使用条件・取り扱いを誤ると、素子破壊などの不具合の原因となります。
ソリッドステート・リレー(SSR)は、半導体素子で構成されたリレーであり、サージ電圧や過電流などにて素子が破壊される故障を招きます。その際、素子の故障モードとしては、ショート故障(短絡故障)がほとんどであり、負荷のしゃ断不能の原因となります。
従って、ソリッドステート・リレー(SSR)を使用した制御回路でフェイルセーフを考える場合、負荷電源をソリッドステート・リレー(SSR)のみにてしゃ断する回路でなく、負荷電源側に設置したコンタクタあるいはブレーカにより、ソリッドステート・リレー(SSR)異常時に負荷をしゃ断する回路としてください。
例えば、ACモータを負荷とした回路にてソリッドステート・リレー(SSR)が半波故障した場合、DC励磁となり過電流がモータに流れ、モータが焼損する場合があります。こういった際には、ブレーカにより、モータへの電流をしゃ断する回路としてください。

個所原因結果
入力部過電圧印加入力素子の破壊
出力部過電圧印加出力素子の破壊
過電流通電
全体周囲温度が規定値以上出力素子の破壊
放熱状態が悪い

2. 過電流保護について

ソリッドステート・リレー(SSR)の負荷(LOAD)側に短絡電流あるいは過電流が流れた場合、ソリッドステート・リレー(SSR)の出力素子が破壊されます。
短絡保護の対策例としては、負荷と直列に速断ヒューズを付加してください。
速断ヒューズの保護協調条件としては、ソリッドステート・リレー(SSR)のサージ耐量(IS)、速断ヒューズの限流特性(IF)、負荷の突入電流(IL)が下記のグラフの関係を満足するように回路設計を実施してください。

3. 動作表示灯について

下図のように動作表示灯は、入力回路への通電を表示しており、出力素子オンの表示ではありません。

放熱設計に関して

1. ソリッドステート・リレー(SSR)の発熱量

ソリッドステート・リレー(SSR)に使用されている出力半導体であるトライアック、サイリスタ、パワートランジスタはオンしたときにでも、半導体内部で残留電圧があります。これが出力オン電圧降下です。このために、負荷電流が流れた時にソリッドステート・リレー(SSR)はジュール熱を発生します。この時の発熱量P(W)は
 発熱量P(W)=出力オン電圧降下(V)×通電電流(A)
で計算されます。
例えば、形G3NA-210B-UTUを用いて負荷電流8A通電したとすると
 P=1.6V×8A=12.8W
となります。
パワーMOS FETを出力半導体に使用しているMOS FETリレーでは、残留電圧ではなく、オン抵抗で発熱量を計算します。
発熱量P(W)は
 P(W)=負荷電流2(A)×オン抵抗(Ω)
で計算され、形G3RZで負荷電流0.5Aの場合では、
 P(W)=0.52A×2.4Ω=0.6W
となりますが、パワーMOS FETは温度によりオン抵抗が上昇する特性があります。そのため、通電中にオン抵抗が変化します。負荷電流が定格の80%以上の場合は、簡易計算法として、オン抵抗を1.5倍で計算します。
 P(W)=12A×2.4Ω×1.5=3.6W
ソリッドステート・リレー(SSR)では一般に5A程度までは放熱器なしで済みますが、それ以上になると放熱器が必要になります。負荷電流が大きくなるにつれて、より大型の放熱器が必要になります。有接点リレーと比べて10A以上では放熱器を含めたサイズの差が顕著になり、小型化の点では不利になります。

2. 放熱器の選定

放熱器別取りつけのソリッドステート・リレー(SSR)(形G3NA、形G3NE、形G3PE(三相)など)では標準の放熱器が準備されており、商品カタログから負荷電流に合わせて選定ください。
例えば、
 形G3NA-220B-UTU:形Y92B-N100
 形G3NE-210T(L):形Y92B-N50
 形G3PE-235B-3H:形Y92B-P200
となります。

市販の放熱器を使用される場合は、弊社標準の放熱器の熱抵抗よりもより小さな熱抵抗の放熱器をご使用ください。
例えば、形Y92B-N100熱抵抗の値は
 形Y92B-N100の熱抵抗値=1.63℃/W
であり、この値より小さい熱抵抗の放熱器であれば(例えば1.5℃/W)、形G3NA-220B-UTUを定格で使用することが可能になります。
熱抵抗値とは単位熱量(W)当たりの温度上昇を示しており、その値が小さければ放熱性がよいということになります。

3. 放熱板面積の求め方

放熱器別取りつけのソリッドステート・リレー(SSR)を直接制御盤などのフレームに取りつけて使用する場合、次の注意事項が必要です。

  • 一般の盤に使用される鉄系材料を放熱板として使用する場合、10A以上の連続通電はできるだけ避けてください。これはアルミ材に比べて鉄の熱伝導率が低いためです。熱伝導率(単位:W・m・℃)は材料によって異なりますが、次の通りです。
     鉄系材料=20~50
     アルミニウム系材料=150~220
    ソリッドステート・リレー(SSR)を直接取りつける場合の放熱板としてはアルミ板のご使用を推奨します。必要放熱面積はカタログの各機種ごとのデータを参照ください。
  • ソリッドステート・リレー(SSR)の取りつけ面(全面)と放熱板の間に、放熱用シリコーングリス(モメンティブジャパンYG6260、信越シリコーンG746など)や熱伝導シートを必ずつけてください。ソリッドステート・リレー(SSR)を放熱板に取りつけただけでは空隙が存在し、ソリッドステート・リレー(SSR)からの発熱を十分放熱できず、ソリッドステート・リレー(SSR)の過熱破壊や熱劣化を起こす原因になります。
    なお、一般的に熱伝導シートは放熱用シリコーングリスよりも放熱性が劣ります。熱伝導シートを使用される際は、負荷電流-周囲温定格グラフより負荷電流を10%低減させることを目安としてください。

4. 制御盤の放熱設計

ソリッドステート・リレー(SSR)に限らず半導体が使用されている制御機器は、自己発熱します。半導体は周囲温度が上昇するとその故障率が大幅に増加し、10℃温度上昇すると故障率は2倍になるといわれています(アーレニウスモデル)。
従って、制御盤内の温度上昇を押さえることは、制御機器の長期間の信頼性を確保する上で重要です。
制御盤内では様々な発熱機器が存在するため、局所的な温度上昇を考慮することは当然必要ですが、制御盤全体としての放熱設計の考え方を示します。
固体壁の両側にある高温流体と低温流体の温度をそれぞれth、tcとし、伝熱面積をAとした場合、固体壁を通して移動する伝熱量Qは次の式で与えられます。
 Q=k(th-tc)A
ここでkは熱通過係数(W/m2℃)で、この式を熱通過の式と呼びます。

制御盤からの伝熱量が熱通過の式に従うものとして、
 制御盤の平均熱通過率 k(W/m2℃)
 制御盤内温度 Th(℃)
 制御盤外温度 Tc(℃)
 制御盤の表面積 S(m2
とすると、制御盤から熱通過による伝熱量Qは
 Q=k×(Th-Tc)×S
になります。従って
 制御盤内の所望温度 Th
 制御盤内の総発熱量 P1(W)
 必要冷却能力 P2(W)
とすると必要冷却能力は次の式で計算されます。
 P2=P1-k×(Th-Tc)×S
空気中の一般的な固体壁で自然対流の場合、熱通過率kは4~12(W/m2℃)になります。通常の制御盤(冷却ファンなどが全くない場合)の場合は4~6(W/m2℃)で計算すると実際とよく一致することが、経験的に判っています。この値を使って、実際の制御盤の必要冷却能力を計算すると次のようになります。
例 ・制御盤内希望設定温度 40℃
  ・制御盤外温度 30℃
  ・制御盤サイズ 幅2.5m×高さ2m×奥行0.5mの自立型制御盤(底面部は表面積から除く)
  ・ソリッドステート・リレー(SSR) 
   形G3PA-240B 20台を30Aで連続使用
  ・ソリッドステート・リレー(SSR)以外の制御機器の総発熱量 500W
制御盤内総発熱量P1
 P1=出力オン電圧降下1.6V×負荷電流30A×
    20台+ソリッドステート・リレー(SSR)以外の制御機器の総発熱量
   =960W+500W=1460W
制御盤からの放熱量Q2
 Q2=熱通過率5×(40℃-30℃)×(2.5m×2m×2+0.5m×2m×2+2.5m×0.5m)=662.5W
従って必要冷却能力P2は
 P2=1460-663=797W
となり、制御盤表面からの放熱だけでは不十分で、797W以上の熱量を制御盤外へ放出する処置が必要になります。

通常は必要能力の換気用のファンを設置しますが、ファンだけで冷却能力が不足する場合は、制御盤用クーラの設置します。制御盤用クーラは冷却だけでなく、防湿、防塵対策にも有効であり、長期に制御盤を使用する場合には、非常に有効です。

軸流ファン   オムロン製 形R87B/F/Tシリーズ
制御盤用クーラ アピステ製 ENCシリーズ

5. 冷却装置の種類

換気用軸流ファン

通常の換気冷却に使用します。
当社では形R87F、形R87T などのAC軸流ファン・シリーズの商品を用意しています。

熱交換器

制御盤内の熱をヒートパイプで放出する構造となっており、制御盤内と盤外を隔離できるため、塵埃の多い場所やオイルミストがある場所でもご使用いただけます。

※当社では商品の用意はしておりません。

制御盤用クーラ

最も高い冷却能力を実現できるとともに制御盤内と盤外の隔離による防塵効果や除湿効果も併せ持っています。

※当社では商品の用意はしておりません。

制御盤への取りつけ方について

密閉された盤ですとソリッドステート・リレー(SSR) から発生した熱が内部にこもり、ソリッドステート・リレー(SSR)の通電能力が低下するばかりか、他の電子機器にも悪影響を与えます。必ず盤の上部と下部に通風用の穴を設けてご使用ください。
形G3PAでの推奨例を以下に示します。下記例は、目安ですので最終的に4.項の「設置後の確認」を実施ください。

1. ソリッドステート・リレー(SSR)の取りつけ間隔(盤内取りつけ条件)

2. ソリッドステート・リレー(SSR)とダクトの関係(ダクト奥行)

3. 制御盤外への換気方法

※吸気口あるいは排気口がフィルタ付きの場合、目詰まりによる効率低下を防ぐために定期的な清掃を行ってください。
※吸気口や排気口の内・外の周辺は吸気・排気の障害となるような物を置かないようにしてください。
※熱交換器使用時は、形G3PA前面の位置に取りつけるほうが効果的と思われます。

4. 設置後の確認

前記条件は、当社で確認した代表例です。ご使用環境により異なる場合がありますので、最終的に通電中の周囲温度を測定していただき、形式ごとに規定されている「負荷電流-周囲温度定格」を満足していることを確認してください。

周囲温度測定条件

(1)制御盤内の温度が最も高くなる通電条件とし、周囲温度が飽和した状態で測定してください。

(2)周囲温度測定位置は図1を参照してください。もし、測定距離100mm以内にダクトや他の機器がある場合は図2を参照してください。また、側面温度が測定できない場合には、図3を参照してください。

(3)盤内に2段以上、ソリッドステート・リレー(SSR)を取りつけている場合には、全段の周囲温度を測定し、最も温度が高いところを基準にしてください。ただし、測定条件が上記に当てはまらない場合には、別途、お問い合わせください。

周囲温度の定義

ソリッドステート・リレー(SSR)は自然対流による放熱を基本としています。このため、周囲温度はソリッドステート・リレー(SSR)の放熱を行う空気の温度を周囲温度とします。

よくある質問集

ソリッドステート・リレー(SSR)の構造と機能について

サイリスタとトライアックとの相違について教えてください。

抵抗負荷については同じです。
ただ、誘導負荷ではサイリスタの逆並列の方が有利になっています。
ソリッドステート・リレー(SSR)にはスイッチング素子にトライアックを使用した場合と、サイリスタの逆並列接続使用した場合があります。

急激な立ち上がりや立ち下がりに素子が追従できるかどうかの特性に、サイリスタとトライアックでは違いがあります。
この特性はdv/d(t 単位V/μs)で表します。この値はサイリスタ>トライアックとなっています。
誘導負荷でも3.7kWクラスのモータまでは、十分トライアックで開閉可能ですしトライアック1素子でサイリスタの逆並列と同等の機能を有するので、ソリッドステート・リレー(SSR)の小型化にも貢献します。

注. dv/dt:電圧上昇率

抵抗負荷誘導負荷
40A以下40A超える3.7kW以下3.7kW超える
トライアック
サイリスタ×2

シリコングリスとは何ですか?

シリコングリスとは一般的に、放熱用シリコングリス(放熱用コンパウンド)と呼ばれるものをいいます。
これは、通常のシリコングリスより熱電導率が5~10倍高くなっています。
シリコングリスはソリッドステート・リレー(SSR)のように発熱する部品から放熱板への伝熱をよくするのを目的に、伝熱の妨げになる空隙を埋めるために使用します。
また、シリコングリスを塗布しないと熱が十分放熱されず、ソリッドステート・リレー(SSR)が加熱破壊や熱劣化を起こす原因となります。

●放熱用シリコングリスの例

モメンティブジャパン YG6260
信越シリコーン G746、G747

ゼロクロス機能とは?

ゼロクロス機能交流は、負荷電圧のゼロボルト付近でONすることにより、急激な負荷電流の立ち上り時に発生するノイズを抑えます。
ノイズには電源ラインに直接のるものと、空間へ放射されるものがあり、この双方にゼロクロス機能は効果があります。

(また、ランプのON時など、大変大きな突入電流が流れますが、ゼロクロス機能を持った負荷電流が必ずゼロボルト付近からONしますので、ゼロクロス機能のないソリッドステート・リレー(SSR)に比べると突入電流を抑えることができます。)

サージオン電流の非繰り返しとは何ですか?

カタログに記載しているサージオン電流耐量は、非繰り返しとなっています。これは素子の絶対最大定格の考え方と同じで、一回でもこのレベルを超えた電流値には、耐えることができないということです。
従って、通常のON・OFFでサージオン電流が流れる場合、繰り返しの耐量(非繰り返し×1/2)以下であるということを確認してください。 ソリッドステート・リレー(SSR)をサージオン電流耐量の1/2以下でお使いの場合、有接点リレーのような接点の摩耗による劣化はありません。しかし、ON・OFFが連続的に繰り返され、定格電流を越える電流が頻繁に流れると、ソリッドステート・リレー(SSR)が発熱し故障の原因となります。ソリッドステート・リレー(SSR)が高温にならないようご注意ください。
非繰り返し以下で繰り返し以上のサージオン電流は、1日1~2回(1日に1回、装置に電源を入れるケース等)程度が目安です。

形G3NE-220T

ソリッドステート・リレー(SSR)の接続・回路について

ソリッドステート・リレー(SSR)の出力側の並列接続(OR回路)はできますか?

並列接続は可能です。
主に、オープンモード故障の補償のために用います。
出力ONの電圧降下に差があるため、通常はどちらか片方のソリッドステート・リレー(SSR)だけがONし、もう片方のソリッドステート・リレー(SSR)はOFF状態となります。
従って、並列接続により負荷電流を大きくすることはできません。
通電中にON状態のソリッドステート・リレー(SSR)がオープン状態になると、もう片方のソリッドステート・リレー(SSR)に電圧が加わってON状態となり、通電を維持します。

  • 複数台のソリッドステート・リレー(SSR)を並列接続し、容量を超える負荷を運 転することはできません。故障の原因になります。

例. 2.2kW用SSRを2台並列接続して3.7kWヒータを制御することはできません。

AC 負荷開閉用ソリッドステート・リレー(SSR)の出力側の直列接続(AND回路)はできますか?

直列接続は可能です。
主に、ショートモード故障の補償のために用います。
また、サージ電圧についてそれぞれのソリッドステート・リレー(SSR)で分担することになり、過電圧が分圧され、ソリッドステート・リレー(SSR)の負担が軽減されます。
しかし、直列接続の時は、使用電圧を高くすることはできません。
動作時間や復帰時間の差により、開閉時に負荷電圧の分担ができないからです。

AC400Vの負荷をAC200V用ソリッドステート・リレー(SSR)の直列接続で使用できますか?

使用できません。
2個のソリッドステート・リレー(SSR)の動作時間がわずかに違うため、瞬間的ではありますが、遅れてONするソリッドステート・リレー(SSR)にAC400Vが印加されます。

直流負荷用ソリッドステート・リレー(SSR)のサージ吸収回路は、どうしたらよいですか?

直流負荷開閉形ソリッドステート・リレー(SSR)の出力側ノイズ・サージ対策について。
ソレノイド・電磁弁などのL負荷を接続される場合は、逆起電圧防止ダイオードを接続してください。
ソリッドステート・リレー(SSR)の出力素子の耐電圧を超えた逆起電圧がかかった場合、ソリッドステート・リレー(SSR)の出力素子の破壊の原因となります。
対策としては、表1の素子を負荷と並列に挿入します。(下図参照)

吸収素子のうち、ダイオード方式が逆起電圧を抑制する効果が最も高くなります。ただしソレノイドや電磁弁の復帰時間は長くなります。実使用回路にてご確認の上、ご使用ください。
なお、復帰時間を短くする対策としては、ダイオードとツェナーダイオードを使用する方法があります。この場合、ツェナーダイオードの、ツェナー電圧(Vz)を高くすればするほど復帰時間は短くなります。

表1. 吸収素子例

吸収素子
ダイオードダイオード+ツェナーダイオードバリスタCR
効果×

参考
①ダイオードの選定方法
 耐電圧=VRM≧電源電圧×2
 順電流=IF≧負荷電流
②ツェナーダイオードの選定方法
 ツェナー電圧=Vz<(SSRのコレクタ-エミッタ間電圧)-(電源電圧+2V)
 ツェナー・サージ電力=PRSM>Vz×負荷電流×安全率(2~3)

注. ツェナー電圧(Vz)が高くなるとツェナーダイオードの容量(PRSM)が大きくなります。

ソリッドステート・リレー(SSR)の取りつけ方法について

ソリッドステート・リレー(SSR)の取りつけ方向性はありますか?

ソリッドステート・リレー(SSR)は半導体素子で構成されており、稼動部のあるメカニカルリレーのように重力による特性の変化はありません。
しかし、放熱効果が変化することにより通電電流が制限されることがあります。
正規取りつけ方向は鉛直取りつけです。
やむを得ず平面取りつけにする場合は、カタログ記載データを確認ください。
データの記載がないものは、定格負荷電流を30%以上低減してご使用ください。

鉛直取りつけ
・正規取りつけ方向は、鉛直取りつけです。

平面取りつけ
・平面取りつけの場合、負荷電流-周囲温度定格グラフより負荷電流を30%低減してください。

密着取りつけ密集取りつけの注意はなにかありますか?

密着取りつけの場合、カタログ記載のデータを確認ください。データ記載のないものは、負荷電流を70%以下に低減してご使用ください。
密集取りつけは、1列並びの場合10mmの間隔をあけた状態で100%通電可能と考えてください。
多列並びの密集取りつけは個別にソリッドステート・リレー(SSR)の温度上昇を確認することが必要です。ただし、放熱器付のソリッドステート・リレー(SSR)では左右方向の密着取りつけでは80%に低減してください。
なお、詳細は個別のカタログを参照ください。

形G3PA

・3台までは密着取りつけも可能です(80%に低減)

形G3PE
●密着取りつけ(3台、8台)

形G3PE-215B

形G3PE-225B

密着取りつけ例

ソリッドステート・リレー(SSR)の故障事例・注意点について

ソリッドステート・リレー(SSR)の故障をチェックしたいのですが、テスターでソリッドステート・リレー(SSR)の導通を確認できますか?

導通は確認できません。
テスターの導通チェックでは、テスターの内部回路電圧、電流が低いためソリッドステート・リレー(SSR)の内部に使用している半導体素子(トライアック、サイリスタ)の動作を確認することができません。
なお、下記の方法のように負荷を接続すれば故障チェックができます。

●測定方法

負荷と電源を接続した状態で、入力をON・OFF させた時のLOAD端子の電圧を測定します。
ソリッドステート・リレー(SSR)のOFF 時は電源電圧に近い値、ON時は約1V程度の電圧が出てきます。
また模擬負荷として100W 程度の電球を使用すると容易に動作確認ができます。(ただし、電球の容量はソリッドステート・リレー(SSR)の定格範囲内のものをお使いください)

ソリッドステート・リレー(SSR)はどういう故障モードが多いのですか?

オムロンのデータでは過電圧・過電流によるショート故障モードが大半を占めています。なお、これは出力動作で判断しているもので、入力側のショートオープンも故障モードとしてあります

故障モード負荷故障状態
入力ショートONしない
オープン
出力ショート8割(出力トライアック)OFFしない
オープン2割(出力トライアック)ONしない

単相モータの正逆運転の留意点は?

コンデンサモータ開閉におけるソリッドステート・リレー(SSR)の選定について。

単相100V推奨ソリッドステート・リレー(SSR)の負荷電流正逆運転時の保護
R
25WAC2~3AR=6Ω
10W
40W
60WAC5AR=4Ω
20W
90WR=3Ω
40~50W
単相200V推奨ソリッドステート・リレー(SSR)の負荷電流正逆運転時の保護
R
25WAC2~3AR=12Ω
10W
40W
60WAC5AR=12Ω
20W
90WR=8Ω
40W

●正逆運転に関する注意点

(1)下図においてSSR1とSSR2が同時にONした場合コンデンサの放電電流iがソリッドステート・リレー(SSR)を破壊することがあります。
従ってSSR1とSSR2の切替時は必ず30ms以上のタイムラグを取ってください。
また外来ノイズ、モータの逆起などによるソリッドステート・リレー(SSR)の誤動作が懸念される場合、SSR1かSSR2のいずれか使用率の低い方と直列に放電電流iを抑制するRを挿入してください。
そしてソリッドステート・リレー(SSR)の誤動作を抑制する方法としましては、各ソリッドステート・リレー(SSR)と並列にCRアブソーバ(0.1μF630V+22Ω 2W)を挿入する方法があります。

(2)同じく正逆運転時におきまして、OFFしている側のソリッドステート・リレー(SSR)の両端には、モータのLC共振により最大で電源電圧の2倍の電圧が印加されることがあります。
ソリッドステート・リレー(SSR)の選定においては、この電圧がソリッドステート・リレー(SSR)の定格負荷電圧をこえないようご注意ください。(OFF側のソリッドステート・リレー(SSR)に印加される電圧を実測し、使用の可否を判定する必要があります)

(リレー同一形状)パワーMOS FTEリレーについて

ソリッドステート・リレー(SSR)とパワーMOS FETリレーにはどのような違いがありますか?

ソリッドステート・リレー(SSR)とパワーMOS FETリレーには大きく2つの違いがあります。

(1)ソリッドステート・リレー(SSR)には直流用と交流用があります。

直流用
(例:形G3HD-X03)

交流用
(例:形G3H)

(2)ソリッドステート・リレー(SSR)と比較して漏れ電流が小さい

ソリッドステート・リレー(SSR)

漏れ電流によりランプが暗点灯します。これを防止するためにブリーダ抵抗を付加します。ソリッドステート・リレー(SSR)は、出力素子保護のためスナバ回路が必要となります。

パワーMOS FETリレー

漏れ電流が微小(10μA以下)のため、ランプの暗点灯はありません。これは、出力素子のMOS FETの保護にスナバ回路が不必要なためです。MOS FETの保護にはバリスタを用いています。

パワーMOS FETリレーはどうしてAC/DC負荷が共用できるのですか?

下の図のようにパワーMOS FETリレーは、2個のMOS FETを直列接続しているため負荷電源の接続方向を選びません。また、パワーMOS FET素子の耐電圧も高いため、1サイクル毎に極性の変わるAC負荷でも使用できます。

パワーMOS FETリレーの用途例について教えてください。

  1. リレーにつながる負荷が交流か直流か分からない用途
    (使用例)ロボットコントローラの警報出力
  2. 内部で全波整流された電磁バルブなどの負荷で、高頻度開閉にてリレー(例:形G2R)を頻繁に取り替えられている用途
    リレーと比べて長寿命のため取り替え頻度が少なくなります。
    形G3RZ は形G2R-1-S と端子配置(b 接点以外)に互換性がありますので、差し替えが可能です。
    注. 入力電圧種別、極性および出力の容量にご注意ください。
  3. DC高電圧の負荷用途
    DC100V 1A抵抗負荷をリレーで開閉するためには形MM2XP相当のリレーが必要です。
    しかし、パワーMOS FETリレー形G3RZはこのサイズにて開閉可能です。
  4. ブリーダ抵抗を用いてソリッドステート・リレー(SSR)を使用している用途
    パワーMOS FETリレーは漏れ電流10μAと微小のためブリーダ抵抗は不要です。
メンテナンスの目安

ソリッドステート・リレー(SSR) は一般的なリレーとは異なり、開閉素子に半導体を使用しているため機械的な接点がありません。また、信号の伝達を電子回路で行うため、駆動部がなく機械的な摩耗も生じません。このため、ソリッドステート・リレー(SSR)の耐用年数については、使用している素子の耐用年数に加え、はんだ付け部、構成材料の劣化という考え方が必要です。
オムロンでは、一般的にバスタブ曲線で故障率が高くなり始める摩耗故障期間(ソリッドステート・リレー(SSR)の場合は劣化が顕在化し始める期間)へ移行する時期をソリッドステート・リレー(SSR)の耐用年数と考え、ご使用環境によって変化しますが、約10年と推定しています。

電子部品・電子機器のバスタブ曲線について

電子部品、電子機器製品は、正しく使用していても長年の周囲環境の温度変化や部品の発熱による温度変化などが要因となる熱ストレスにより接合部や構成材料の劣化、 LEDの発光効率の低下などの特性変化が生じます。
このため、一般的に出荷後の電子部品、電子機器製品の故障率はバスタブ曲線になるといわれます。
ソリッドステート・リレー(SSR)の耐用年数についても、バスタブ曲線にあてはめて考えます。

ソリッドステート・リレー(SSR)の耐用年数(期待値)について

オムロンでは、ソリッドステート・リレー(SSR)を定格内でご使用になった場合の耐用年数が10年以上となるように、考慮した設計をしております。

*耐用年数については、弊社試験基準に基づき算出しておりますので、ご使用環境により変化することをあらかじめご了承ください。

バスタブ
曲線
故障形態
原因故障要因保守/
メンテナンス方法
保守期間の
目安
備考
初期・
偶発故障
期間
負荷要因過電圧
・雷サージ、逆起電圧
など
交換故障発生時
過電流
・サージオン電流、負荷短絡、
 地絡
など
使用環境
の悪化
(温度条
件)
放熱環境の低下
・換気窓の目詰まり
・換気用ファン、盤クーラーな
 どの故障
・ソリッドステート・リレー
 (SSR)用放熱器(フィン)の
 汚れ
など
定期的な点検・清
掃による放熱環境
の維持
*低下すると、劣化
または金属疲労の
加速要因となる。

*使用環境に
  よって任意
  に設定
使用箇所の放熱環
境を把握しておく必
要がある
・取付状態、周囲温
 度、環境
・空気の対流を考慮
 した配置など
電子部品

偶発故障
電子部品(半導体)の偶発的
な故障
・使用している部品(電子部
 品)の 製造不良または、
 初期故障
交換故障発生時
製造不良メーカ起因の不良
・製造工程での製造不良
・設計ミスによる故障
交換故障発生時
摩耗故障
期間
絶縁劣化ソリッドステート・リレー(SSR)
端子部周辺の汚れによる絶
縁劣化
湿気が高いと絶縁劣化を助
長する
定期的な点検・清
掃による絶縁性能
の維持

*使用環境に
  よって任意
  に設定
接合部の
金属疲労
または
はんだの
劣化
熱膨張係数の異なる材料を
接合しているため、長年の温
度変化による応力の蓄積に
よって金属疲労が生じる
交換10年
*使用環境に
  あった定期
  点検を推奨
放熱環境や、負荷
率などのご使用環
境により変化する

最終更新日:2020年08月03日