製本に纏わる工程機械のグローバル市場リーダー
株式会社ホリゾン様(以下ホリゾン)は、製本に纏わる4工程 [紙折り・丁合・製本・断裁]すべての機械を取り揃え、海外100カ国以上に出荷されている業界リーディングカンパニーです。主力の製品として、プリンターのボタンを押せば自動で製本した冊子が出てくる一貫生産が可能な「スマートバインディングシステム」を世に先駆けて構築。印刷・製本業のお客様各社から高い評価を得ています。
また「Horizonものづくり理念」をかかげ、琵琶湖に臨む広大な敷地の工場では、製本機械の製造・試験・保守に必要なあらゆる部材と加工機械を保有され、理念に沿った一貫体制の下、生産性・創造性高く働き甲斐ある職場を目指した「ものづくり」を実践されています。
課題
多品種少量生産に最適な
⼈と機械が協調する製本システムの実現
書籍と端末のデジタル化に伴い大量生産が減り、国内では多品種小ロットの製本を主とした印刷所・製本所の集約が進んでいます。また、同時に高度化する専用機械を使いこなす技能者の不足が深刻化しています。
一方でe-Commerceの普及により、読者・消費者への個配を短納期で届ける需要が増えており、海外ではオンデマンド製本システムを備えた工場が各地の物流基地・配送センター近くに求められるといった新たな業態変化が起きています。
「小ロットでも自動化したい」
「製本機械を使いこなせる人材が採用できない」
「でも、敷地・作業場の増床はできない」
といったお客様の声に応えるコンパクトなソリューションが必要となっており、打ち手には以下の要件が求められていました。
1. 単純/反復作業を自動化し、人為的ミスの発生を防止
2. 自動の段取り替え対応や、品種登録時に現場でも扱える操作性
3. 都度の工程/作業場レイアウトの変更が容易に可能
解決策
オペレータ作業の投⼊⼯程に協調ロボットを導⼊
⼈と機械が最適に協調するシステムで省⼒化・省⼈化を実現
小・中ロット向け製本機を用いた製本作業は、オペレータが一冊ずつ製本機に投入するといった作業となっており、単純な作業であること、反復作業であることの一方で、一定以上の品質も求められることから、安全柵やロボットの専用空間が不要な協調ロボットを検討。標準搭載のカメラ・ビジョンシステムを持つオムロンの協調ロボットTMシリーズと、ホリゾン様の製本機・製本システムをつなぎ、同社の製本現場で要件の有効性を検証いただきました。
成果
オペレータ1名を専従作業から解放
2名で行う製本~梱包までの作業を、1名がロボットの稼働状態を見ながら全体運用できるワンマンオペレーティングシステムに進化。
稼働時間中は専従となっていたワークの投入作業から1名が解放されました。
このロボット投入製本システムはすでに7台の出荷実績があり、導入顧客に喜ばれています(2021年7月現在)。
⼈はよりクリエイティブな仕事に専念
ホリゾン様では、製品・システムの出荷時に同梱の製品マニュアルを自社製品のシステムを使って製本を行っています。
実際の製本現場で製品システムを使いこなしマニュアル作成を行うことで、現場の利用者に分かり易いマニュアルづくりはもちろん、製品の改善サイクルが循環しています。
生み出した時間で1名はクリエイティブな仕事に専念できるようになり、分かり易い製品マニュアルやウェブサイトのほか、さらなるものづくり進化に取り組んでいます。
⾃社の製本現場で効果を実証し
顧客へのロボット導⼊を促進
また、2020年7月より工場内に新設のイノベーションパーク ラボにロボット投入製本システムを設置し、省人効果を実証。
導入検討顧客の来場時に、実機によるテスト製本や導入レイアウトの想定といった効果の実演によりロボットの導入を促進されています。
海外展開パートナー
出荷先各国の法令・商慣習に応じ、オムロン現地法人とジャパンデスクが海外展開をアシスト
生産出荷の60%を海外が占めるホリゾン様では、すでに「ロボット投入製本システム」を欧米そして中国向けに出荷されています。
安全対策をはじめとした法令や商流が異なる国/地域でのロボットシステム構築や保守には、オムロン現地販売会社と現地駐在のジャパンデスクが連携し、海外展開がスムーズに進むようアシスト可能です。
開発段階での支援や海外展開はもちろん、国内各地での構築・保守・故障診断・修理・トレーニングといった導入後のサービスメニューや体制もご評価いただきご採用に至りました。
お客様の声
人と機械が協調するシステムにより製本業のものづくりを進化
「当社では “熟練者の技や現場の隠れた苦労を必要としない機械”を自動化のコンセプトとしています。
今回、オムロンの協調ロボットを活用することで、簡単にコンセプト通りの自動化ができたのが大きなところだと思っています。
これからは、既に単体製本機をご利用いただいている顧客からの拡張要望に協調ロボットの導入促進で応え、製本システム以降の梱包や構内搬送といった工程自動化を進めることで、強みである製本システムをさらに活かした業界ものづくりの発展に貢献していきます」
部長 大内山 耕様
製本現場のニーズに合わせ
スペースの制約を考慮した⾃動化
「カメラが標準についているので自動で補正動作をしてくれるところが便利です。レイアウト変更にも柔軟に対応でき、6軸もあると汎用性ある動作ができることから、満足しています。
また、“あとでシステム化したい” “ロボットを組み込みたい”といった要望があった場合に、後付けでI/Fを組み込むだけで簡単にシステム化できるよう考慮しています」
課長 横木 健人様
製本現場の完全無⼈化への期待
「弊社の製本システムを使ってマニュアル作成業務をおこなっています。
従来は2人体制で製本作業をしていました。1人は、製本用紙を入れる作業をしていまして、もう1人は断裁機から出てくる完成された製本物をチェックしてパッキングをする作業をおこなっていました。
ロボット導入後は、ロボットが冊子の本身(ワーク)を製本機に入れてくれるので、作業者が2人から1人になりました。
ロボットができることはロボットに任せ、生み出した時間で “もっとクリエイティブな仕事” “人でしかできない仕事”に取り組むことができるようになりました。
より自動化を進めて、いずれはロボットにお任せして完全無人で製本ラインを動かせたらいいなと思います」
中村 理恵子様
ホリゾン様 協調ロボット採用事例
開発マネージャーが語る
オムロンの協調ロボット選定理由
同社のロボット投入製本システムにオムロンの協調ロボットを選定いただいたポイントを、選定当時を振り返りながらインタビューにお応えいただきました。
協調ロボットTMシリーズが躍動するアプリケーション映像と共に、ご採用後の評価の声をロボット導入ご検討の際のヒントにお役立てください。