IEC 61131-3の誕生
PLCは米ゼネラルモーターズ製造部門の要求事項(表1)に従って、1969年にModicon(現シュナイダーエレクトリック)が最初に商品化しました。それまで使われていたリレー回路主体の制御装置では製造ラインの改造に対応する際、多くの時間と熟練技術を必要としましたが、PLCの誕生によりその課題は飛躍的に改善されました。70年代に入ると欧州や日本でも独自の技術開発と応用が進み、1972年には日本初のPLC「SYSMAC」がオムロン(当時は立石電機株式会社)から誕生しています。
表1.ゼネラルモーターズの要求事項
| 1. | プログラミング及びプログラムの変更が容易 |
|---|---|
| 2. | 保守、修理が容易 |
| 3. | リレー制御盤より信頼性が高い |
| 4. | リレー制御盤より小形 |
| 5. | 上位コンピュータと結合できる |
| 6. | リレー制御盤より経済的 |
| 7. | AC115Vまでの入力 |
| 8. | AC115V、2Aの出力 |
| 9. | 基本システムを容易に拡張 |
| 10. | 4k語までの拡張可能なメモリ |
ところが、PLCのプログラミングツールやプログラミング言語は製造者(ベンダ)毎に異なっていたため、使用者(ユーザ)にとってはベンダを変更するたびに各社のツールを習得しなくてはならず、その結果として特定のメーカを使い続けるような状況になってしまいました。このことはベンダ、ユーザ双方にとって決して望ましい状況とは言えないため、欧州を中心に「ハードウェアについてはメーカの独自性を尊重するが、プログラミング言語は統一しよう」という動きが生まれました。
こうした背景を踏まえIEC SC65B/WG7/TF3による国際規格の制定作業が始まり、1993年にPLCのプログラミング言語の国際規格「IEC 61131-3」が発行されました。本規格は従来主体だったラダー言語を含む「4言語+1要素」を規定しています。以後、1997年にはJIS(日本)、2006年にはGB/T(中国)と各国の国家規格にも採用されるようになりました(表2)。国土交通省が発行している「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編 H25年版)」ではJIS B 3501~B3503準拠のプログラマブルコントローラが指定されていますので、公共事業に従事されているエンジニアは留意してください。
表2.PLCに関する国際規格
| 国際規格 | 規格名称 | 日本 | 中国 |
|---|---|---|---|
| IEC 61131-1 | 一般情報 | JIS B 3501 | GB/T 15969.1 |
| IEC 61131-2 | 装置への要求事項及び試験 | JIS B 3502 | GB/T 15969.2 |
| IEC 61131-3 | プログラミング言語 | JIS B 3503 | GB/T 15969.3 |
| IEC 61131-4 | 使用指針 | GB/T 15969.4 | |
| IEC 61131-5 | 通信 | ||
| IEC 61131-6 | 機能安全 | ||
| IEC 61131-7 | ファジィ制御 | ||
| IEC 61131-8 | ソフトウェアガイドライン | ||
| IEC 61131-9 | IO-Linkインターフェース | ||
| IEC 61131-10 | IEC 61131-3準拠のプログラムを交換するためのXML規格 |