株式会社ホックス様 高速CT型X線自動検査装置による全数検査自動化事例

株式会社ホックス様 
高速CT型X線自動検査装置による全数検査自動化事例

ますます増えるLGA*は、
“全数検査”で品質を作りこむ

*LGA:Land Grid Array 基板表面への実装部品の一種

株式会社ホックス様

EMS*の頂点へ、株式会社ホックス様の挑戦

*EMS:Electronics Manufacturing Service
電子機器の製造請負を専門に担う企業

株式会社ホックス様(以下、ホックス)は電子機器の設計、製造業(OEM*、EMS)を事業領域とし、大分県日出町から高品質の日本製品を世界へ提供しています。
部材調達から開発、製造一貫体制により、量産まで見据えた効果的なモノづくりにこだわる中で、いち早く生産革新に取り組み、「経営のスリム化および製造の合理化」と「製品の完成度(=高品質)」の両立へのチャレンジを継続している先進の企業です。

*OEM:original equipment manufacturer 他社製品の製造請負

株式会社ホックス

Issue

課題

効率的な全数検査の実現が急務

ますます高密度化が進む基板設計の業界において、メーカー各社にとって、LGAは “省スペース(面接触のため部品の厚みが薄い)” “高速・高周波動作に適している”などの利点から、近年、QFP*、BGA*などのパッケージからの移行や採用が増えています。
ホックスでは、従来からオフライン型のCT方式*検査機を用い、SMT*の最終検査を行っていましたが、近年、受託生産する基板にLGAの搭載が増え始め、品質の作り込みの難易度が増してきていました。
はんだ印刷量を調整することで、ある程度不良の発生を抑制でき、かつ品質が安定しやすいBGAは“抜き取り”検査でも品質が維持できていました。それに対し、“リードレスのためはんだが馴染みにくい”“基板との接合面が狭く、ボイド*が発生しやすい”など、不良の抑制が難しいLGAでは“全数検査”による品質の作りこみが、より重要になっていました。

EMSという特性から、超多品種少ロット生産が多いホックス。
時には一年に一度、20枚だけといった極少ロットにもスピーディな対応をしています。
通常、大きなロット製品の場合、製造条件が安定するまでは“全数検査”し、その後は“抜き取り”検査による保証を行っていました。そのため、生産頻度が少なく、 極少ロットの場合、半永久的に“全数検査”をしなければなりません。実際、X線検査対象基板数も増加傾向にあり、“全数検査”できるだけの検査能力の増強が必要との判断から、新たな設備導入の検討が始まりました。当然ながら既存のオフライン型検査機では手搬送・目視判定のため、膨大な時間と手間がかかってしまっていました。また、この検査業務そのものを自動搬送・自動判定で効率化してほしいという現場の声もありました。
一方、検査タクトタイムを優先し、2次元タイプや簡易CTタイプの高速な検査機も検討されましたが、基板両面にLGAが搭載された場合や、LGA自体の部品内部の映り込みが障害となり、最も重要な“基板とはんだの接合部”が明確に見えないといった課題がありました。

  • *QFP:quad flat non-leaded package 基板表面への実装部品の一種
  • *BGA:Ball grid array 基板表面への実装部品の一種
  • *CT方式:Computed Tomography X線などによるコンピュータ処理を用いた断層撮影技術
  • *SMT:Surface mount technology 表面実装
  • *ボイド:はんだの中に発生する気泡。大きさや量が規定値を超えると、はんだの接合に影響するため不良と判定
全数検査の効率的な実現が急務 従来X線検査は手搬入出、目視判定。検査員は専任担当者が付きっきりとなる。“全数検査”には膨大な時間を要するため”抜き取り“検査がほとんどだった
従来X線検査は手搬入出、目視判定。検査員は専任担当者が付きっきりとなる。“全数検査”には膨大な時間を要するため“抜き取り”検査がほとんどだった

Solution

解決策

人と機械が最適に強調する“半自動化”

X線検査3つの選定条件をクリアできる
検査装置

従来のオフライン型のCT方式検査機に加え、新たに採用するX線検査機の必須条件は以下の3点。

  • ①自動搬送・自動判定ができること。人による手搬入出は拘束時間が長く作業者の負荷が大きく、目視判定は担当者によってばらつく恐れがある
  • ②LGA検査が正確にできること(特に基板両面にLGAが搭載されている場合、上面・下面のLGAを分離した検査)
  • ③“全数検査”が可能な検査タクトタイムであること

これに対し、オムロンからは、ローダ/アンローダを前後に配した自動搬送・自動検査を提案。LGAを搭載したお客様の基板で、実証検査を行い、条件をクリアする検査結果レポートを提示。また、検査タクトタイムについても、いくつかのサンプル基板にて従来比1/2から1/3の検査タクトタイムを実現し、“全数検査”の可能性を提示することができました。

「実は当初、簡易CTタイプの高速な検査機を見込んで予算を設定していました。しかし、“自社がやりたいことを実現できない装置に大きな金額を投資する意味がない”ということを何度も役員会で説明と説得を繰り返しました。その結果、3D-CT方式のX線自動検査装置として当初より1000万円近く増額した予算承認が得られ、オムロンの高速CT型X線自動検査装置(VT-X750)を採用するに至りました」(製造部 生産技術課 松尾 宏幸 様)

Achievement

成果

VT-X750が導入された現場では、専任の担当者はおらず、自動検査後、NG判定画像のみを確認。オペレータの育成段階では、あえて閾値を厳しく設定。NG判定と実不良の画像を確認しながら、確実にVT-X750が不良を検出していることをメンバー間で再度、重点目視しながら業務を進めるなど、ホックス流の品質重視の運用も
VT-X750が導入された現場では、専任の担当者はおらず、自動検査後、NG判定画像のみを確認。オペレータの育成段階では、あえて閾値を厳しく設定。NG判定と実不良の画像を確認しながら、確実にVT-X750が不良を検出していることをメンバー間で再度、重点目視しながら業務を進めるなど、ホックス流の品質重視の運用も

作業負荷軽減と、検査リードタイム1/2短縮を両立

高速CT型X線自動検査装置(VT-X750)を導入して半年で、ホックスでは既に約100機種をVT-X750で全数検査されています。今後も新しい製品を検査対象として登録していく予定とのこと。

現在では、SMT後のBGA、LGA搭載基板はAOI検査を経た後、基板の特性により、X線検査を“全数”または“抜き取り”で実施し、品質保証されています。検査基準はIPC-A-610*に準拠した“HOKS基準”を設け、OK/NGを自動判定。ホックスでは、VT-X750の導入により、以下のような効果が得られたと評価されています。

検査画像の高解像度化で、担当者の負荷軽減

従来機と比較して5倍以上の検査分解能のため、各段にきれいな検査画像での不良の確認や分析が可能となり、目視確認が最少限に絞られたことで担当者の負荷、ストレスが大幅に軽減されました。

検査リードタイムが1/2以下に短縮

導入前に比べて平均54%の短縮。高分解能な撮像で、より最適な撮像条件を組み合わせた検査ができ、さらなる検査リードタイムは短縮が期待できます。なにより自動搬送・自動判定により、作業が大幅に効率改善されたことを現場担当者は実感されています。今後、大ロットの製品や1基板あたりのX線検査対象部品数がより多い製品の投入が予定されており、さらなる生産性の向上が期待されています。

  • *AOI検査:Automated Optical Inspection 自動光学検査
  • *IPC-A-610:電子組立品の許容基準

Voice

お客様の声

オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 草津工場 生産管理部 生産技術課 齊藤 聡(左) 臼井 秀樹(右)
株式会社ホックス
製造部 生産技術課
松尾 宏幸様

これからのホックスの挑戦、オムロンへの期待

ホックスに蓄積された熟練の担当者による不良要因の目付、要因特定までのノウハウとオムロンの技術のコラボレーションにより、迅速かつ正確な要因特定から、製造設備のパラメータや各種生産条件の最適化をダイレクトに指示するAIみたいな世界が実現したらいいですね。