品質管理 in your hand 生産性と両立する全数トレーサビリティ

例えば自動車部品業界では、車両の複雑化や車載部品の共通化が進み、部品品質に対する要求がますます厳しくなっている状況を受け、ロット管理や抜き取り検査から全数検査・全数トレーサビリティ(個体管理)のニーズが高まっています。

全数トレーサビリティの実現には、"より大量のデータ"を"よりリアルタイムに"
生産設備から収集・保管することが必要で、そのためには、専門スキルを保有した技術者による設計や運用を伴う高度なシステムが必要でした。
また、生産タクトや制御性能に影響が出ないような考慮も必須です。

この課題に対してオムロンは、生産性を落とさず、制御技術者による個体データの収集や保管を可能にする、データベース接続機能を搭載した NX1コントローラを開発いたしました。

全数検査

高速に、高精度に、確実に検出

近年は、製造ロットの一部の抜き取り検査から全数検査に移行しようとしています。
生産性を落とさずに全数検査を行うためには、可能な限りインラインでの検査が理想です。
そのためには高速・高精度な自動検査システムが必要となります。

画像センサの精度が向上し、外観検査を目視に代わって行えるようになりつつあり、PLCなどのコントローラも制御を行いつつ検査工程の高速処理を行えるようになっています。

全数検査

全数トレーサビリティ

市場では全数トレーサビリティが求められています。
そのためには、抜け漏れのない確実な情報収集が必要です。

厳格な品質管理が必要な自動車、食品、医薬品などでは、高まる品質リスクへの対応が求められています。

小さな不具合が重大な事故につながる可能性もある自動車業界では、世界的な国際品質マネジメントシステムIATF16949 への対応が必要となっています。これは詳細な構成部品の追跡管理を実現するトレーサビリティを求めるものです。

その手段の1つがトレーサビリティ情報の収集と活用です。製造履歴を収集し確実に管理するためには、高速でかつ大量のデータを収集しなければなりません。その上で、生産現場の効率は落とさないようにする必要があります。

IATF16949:2016とは

IATF 16949:2016は、国際的な自動車産業連合団体であるIATF(The International Automotive Task force:国際自動車タスクフォース)が発行する自動車産業向け品質マネジメントシステム規格です。従来、ISO規格文書として発行されていたものを、より顧客満足度に重点を置くなどの改訂が施され現在に至っています。

この規格の目標は、(1)継続的改善、(2)予防、(3)ばらつき低減、(4)無駄の排除です。自動車メーカからサプライヤへの自動車産業独特の品質要求事項(QMS)に沿って、ばらつきのない品質を目指します。

NX1で出来ること

NX1で出来ること

オムロンのNX1は直接データベースに書き込めるので、全数検査したデータを全数確実に保存することができます。

  • ゲートウェイPC不要(PLC+FBで対応可能)
  • クラス最速50msの高速通信(最大1,000個/分)
  • 制御性能に影響を与えないデータ収集
  • 画像データと検査データを紐付け
  • ファンクションブロックで簡単プログラミング

車載電装部品の組立例

製品を構成する全部品への固有番号の付与、工場内での管理、組立時の情報、画像による情報管理など、トレーサビリティに関する情報は多岐に渡ります。
NX1コントローラは、さまざまな種類のトレーサビリティ・データを全数収集できます。

オルタネータの組立例

アプリケーション事例

飲料缶のリークテスタ

缶の穴を空気の漏れで検出します。

高速アナログ入力ユニット NX-HAD+コントローラ NX1の組み合わせで、インライン全数検査の高速化を実現しました。

高速アナログ入力ユニット NX-HADなら
・最高1/64000の高分解能なのでわずかな圧力の変化も計測でき、より小さな穴も検知可能に。
・4Ch同時に最速5μsの高速サンプリングを実現、検査速度が従来措置に比べて15%向上。

飲料缶のリークテスタ

シャフトの真円度検査

ファイバ同軸変位センサ ZW-8000+高速アナログ入力ユニット NX-HAD+コントローラ NX1の組み合わせで、シャフトの真円度を計測します。

高速アナログ入力ユニット NX-HADなら
・複数Chでも同期したデータが取り込めるので、軌跡データの比較分析が簡単にできます。
・全Chが絶縁されているために相互干渉が少なく、ノイズのないきれいな軌跡データが取得できます。

真円度検査

ECUの外観検査

画像処理システム FH+コントローラ NX1の組み合わせでECU(電子制御ユニット)の外観検査を行います。

画像処理システム FHなら
・MDMC照明と高速高精度カメラで安定して全数読み取りが可能。実装部品の欠落、誤実装などを検査します。
・NX1と組み合わせることで、画像データと検査データを紐付けて保存することができます。

ECUの外観検査


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