自動運転車の開発や、EVなどの環境対応車市場の拡大など、自動車業界を取り巻く環境は劇的に変化しており、「100年に1度の大変革」とも呼ばれています。
そのなかオムロンのコントローラにおいて、自動車業界のお客様からご指名をいただき、特に愛知・広島での採用が増えはじめているのが、マシンオートメーションコントローラ「NX1」です。今、NX1のどこを評価いただいているのかを、プロダクトマネージャーが直接語ります。
さらに、既存設備へのNX1導入事例についてもご紹介します。
事例PDF:後付トレーサビリティ - 自動車部品の全数照合・全数トレサビ
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大変革に対応されている自動車業界のお客様には、「グローバルオープン」「IoT」「先進のアーキテクチャ」「モジュール化」の4つのポイントで評価いただき、NX1を社内の標準PLCとして採用いただいています。これらは、オムロンが培ってきたコントローラの基盤と、NX1でブラッシュアップした価値が、大変革の渦中にある自動車業界のニーズと合致したものと実感しています。
これから、その4つのポイントをご紹介します。
自動車業界は今、消費国の近くで製造し、現地の装置メーカやエンジニアを採用して製品をつくる「地産地消」「現地調達」を進められており、日本をはじめアメリカ、アジアを中心に様々な国で工場が建てられています。このような流れの中で、現地工場のプロジェクト担当者のお悩みは「日本の装置やラインで採用している技術を、世界各国に展開する際に、現地の装置メーカに理解させたり、各工場で採用するエンジニアに教育させたりするのに非常に時間を要する。これを短縮できないか」ということでした。
NX1はOPC UAやEtherNet/IP™、EtherCAT®といったグローバル標準の産業ネットワークと、PLCの国際標準プログラミング IEC 61131-3 (PLCopen)に対応しています。そのため、プロジェクト担当者は、これまで国ごとに個別に対応していた説明やトレーニングの手間が非常に少なくなり、NX1を採用いただいたお客様からは「NX1は、海外でエンジニアを採用する際、国ごとに特殊な教育をする必要がないため、人材採用が容易になりとても助かった」との評価いただきました。
海外展開と世界各地の人材育成を実現するには、グローバルで運用可能なIEC 61131-3とオープンな産業用ネットワークの活用が欠かせません。 >>続きを読む
生産性向上やIATF16949などの品質マネジメントへの対応が求められ、各生産設備や生産ラインであらゆる情報を収集することが必要となっています。装置を品質トレーサビリティに対応させるためにNX1を採用いただいたお客様からは「装置制御のPLCだけで、全数トレーサビリティに対応させることができた。パソコンを使う必要がないので、簡単にすばやく導入できた」との声をいただきました。
製造現場の装置には、「制御」「情報」「安全」の3つの要素が求められます。これまではそのそれぞれにコントローラやパソコンを使用していました。しかし、NX1は「制御」「情報」「安全」を1台で担うことができるため、設計や設定がシンプルになり、設置工数も抑えることができます。「自動車業界の製造現場では、安全は必要不可欠。だから、制御と情報だけでなく安全も統合しているコンセプトは素晴らしい」と言っていただきました。
ソフトウェアを機能単位でプログラミングする"構造化プログラミング"により、設計にかかっていた時間を短縮できます。構造化プログラミングで設計いただいたお客様からは、「これまで装置の顧客対応や改造には2週間かかっていたが、プログラムのモジュール化を徹底し再利用することで、顧客対応や改造のプログラミングをほぼ1日でできるようになった」と報告いただきました。
またNX1は手のひらにのるコンパクトボディのため、装置や工程のモジュール化にも適しています。
新規に開発する装置だけでなく、既設の装置でも後付けで機能強化するために、NX1を導入いただいています。オムロンではSEが直接お伺いして、お客様のアプリケーションに適したソリューションの提案も行っています。
既設の装置に導入いただいた事例をご紹介します。
「パソコンと接続するとトラブルもよく起こるし、現場の担当者では使いこなせない。できれば使いたくない」というお悩みをよく聞き、実際に工数も多くかかります。
NX1はデータベースに直結する機能や、OPC UAを搭載しており、コントローラと上位システムを直結できるため、既設の装置であっても後付用のパソコンを使わず、すぐに品質トレーサビリティに対応できるシステムを構築いただけました。
事例PDF:後付トレーサビリティ - 自動車部品の全数照合・全数トレサビ (I-WEBメンバー限定)
ある国の安全規格変更に対応するため、安全に対応していないロボットの安全性を高める必要があるとご依頼いただきました。そこでオムロンは、セーフティアセッサの資格を持つSEが現地に伺い、既設の設備を使ったまま安全規格をクリアできるソリューション提案を行いました。
事例PDF:後付セーフティ - 既設ロボットの安全規格対応 (I-WEBメンバー限定)
既設の工作機の稼働状況を数値化して現場の改善点をあぶり出したいとの依頼がありました。NX1には、Industry4.0で推奨され、信頼性のある情報交換を行うための国際標準規格 OPC UAを標準搭載しており、それを用いた見える化の仕組を構築していただきました。その結果、「設備稼働時間など現状把握が簡単できるようになり、現場改善が進む手応えが得られた」と評価いただけました。
事例PDF:後付IoT - 既設工作機の稼働監視 (I-WEBメンバー限定)
このようにNX1は新規導入から既存設備の機能向上まで、さまざまな要望にお応えできます。まずはオムロンまでご相談ください。
既設装置への後付けを容易にするため、ソフトウェア機能部品集であるSysmac Libraryに、三菱電機社製シーケンサと接続するためのSLMP通信ライブラリ(三菱電機のCC-Link IE Field SLMP認定商品)をご用意するなど、今すぐ導入いただくための機能の提供や、SEが様々な経験に基づいた提案をさせていただきます。
今回ご紹介したNX1のソリューション提案についての具体的な事例3点を、PDFでダウンロードいただけます。