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インバータ 共通の注意事項


インバータは、誘導モータの電源の周波数を自在に変化させることで、誘導モータの回転速度を制御する機器です。ここではインバータの共通の注意事項を説明します。

共通の注意事項 

関連情報

インバータ適用上の注意事項

選定

危 険
商品の改造は絶対にしないでください。
けが、機器破損の原因となります。
注 意
雨や水滴のかかる場所、有害なガスや液体のある場所では保管しないでください。
機器破損、故障の原因となります。
決められた温度・湿度範囲内(取扱説明書を参照してください)で、日光の直接当たらない場所に保管してください。
機器破損、故障の原因となります。
運搬時は、前面のカバーやパネル部を持たないでください。
けがの恐れがあります。
ケーブルを引張らないでください。
機器破損、故障の原因となります。
インバータは異常発生時、保護機能が動作し出力を停止しますが、このときモータを急停止させることはできません。
従って、非常停止が必要な機械設備には機械式停止・保護機構を設けてください。
耐圧試験は行わないでください。
機器破損、故障の原因となります。けがの恐れがあります。
強 制
大容量の電源トランス(600kVA以上)に接続した場合や、同一電源系統に進相コンデンサの切り替えがある場合、
電源入力回路に過大なピーク電流が流れます。
このような場合には、インバータの入力側に必ず交流リアクトル(オプション)を設置してください。
故障の原因となります。(コンバータ部分を破損させることがあります)
同一電源系統に直流機ドライブなどサイリスタコンバータが接続されている場合は、
下図の電源条件にかかわらず交流リアクトルを設置してください。
(注)三相シリーズインバータを単相電源仕様で巻取機などに適用した場合、
   交流リアクトルが必要になることがあります。
   故障の原因となります。
特殊モータや複数台のモータを、 1台のインバータで並列運転する場合は、
モータの定格電流合計の 1.1倍がインバータの定格出力電流以下になるよう、
インバータの容量を選定してください。
故障の原因となります。

●一般的注意

インバータで駆動するモータの始動・加速特性は、組み合わされたインバータの過負荷電流定格により制約を受けます。一般に商用電源で始動するときに比べ、トルク特性は小さな値となります。大きな始動トルクを必要とする場合は、インバータの容量を1枠上のものを選ぶか、またはモータおよびインバータともに容量をアップしてください。

設置

注 意
オイルミスト、風綿、じんあいなどの浮遊する悪環境を避けて清潔な場所に設置するか、
または浮遊物が侵入しない「全閉鎖形」の盤内に収納してご使用ください。
盤内に収納する場合には、インバータの周囲温度が許容温度内になるよう冷却方式や盤寸法を決めてください。
火災、故障の原因となります。
可燃物の近くに設置しないでください。
火災の恐れがあります。
製品内部に異物が入らないようにしてください。
火災、故障の原因となります。
インバータと制御盤内面、および他の機器とは規定の間隔をあけてください。
火災、故障発生の原因となります。
インバータへの入気温度が、形 3G3EVシリーズで 50℃以下になるようにしてください。
火災、故障の原因となります。
強い衝撃を与えないでください。
機器破損、故障の原因となります。
安全を確保するための停止装置を設置してください。
※保持ブレーキは安全を確保するための停止装置ではありません。
けがの恐れがあります。
即時に運転を停止し電源を遮断できるように、外部に非常停止装置を設置してください。
けがの恐れがあります。
強 制
取りつけの方向は、縦長方向で壁取りつけとしてください。
故障の原因となります。

設定

注 意
ディジタルオペレータの設定により、最大400Hzの高速で運転することができますので、間違った設定を防
ぐため、上限周波数設定機能を利用して上限リミットの設定をしてください。
(工場出荷時の外部入力信号運転時の最大出力周波数は60Hzに設定されています。)
けがの恐れがあります。
直流制動動作電圧および動作時間を大きな値に設定しないでください。
モータ過熱による火災、および機器破損の原因となります。

●一般的注意

モータの加減速時間は、モータの発生するトルクと負荷トルク、そして負荷の慣性(GD2)によって決まります。
加減速中にストール防止機能が動作する場合には、加減速時間を長めに設定しなおしてください。
なお、ストール防止が動作したときには、動作した時間分だけ加減速時間が長くなります。
さらに加減速時間を短くしたい場合は、モータおよびインバータともに容量をアップしてください。

配線

危 険
入力電源 OFFを確認してから配線してください。
感電の恐れがあります。
配線作業は、電気工事の専門家が行ってください。
感電、火災の恐れがあります。
非常停止回路の配線をした後、必ず動作確認をしてください。
けがの恐れがあります。
接地端子を必ずアースしてください。
感電、火災の恐れがあります。
注 意
インバータ定格電圧と交流電源の電圧が一致していることを確認してください。
火災、故障の原因となります。
制動抵抗器、制動抵抗器ユニット、制動ユニットを接続する場合は、取扱説明書記載通りに接続してください。
火災の恐れがあります。
配線は正しく行ってください。
けが、機器破損の恐れがあります。
端子ねじは確実に締めつけてください。
火災、機器破損の原因となります。
出力U、V、Wに交流電源を接続しないでください。
機器破損、故障の原因となります
端子【B1】【B2】は、制動抵抗器オプションを接続するための端子です。
制動抵抗器オプション以外の他の機器を接続しないでください。
火災、機器破損の原因となります。

運転・調整

危 険
必ず、全面のカバー、端子カバー、オペレータおよびオプション類を取りつけてから入力電源を ONしてください。
感電の恐れがあります。
通電中は全面のカバー、端子カバー、オペレータおよびオプション類を取り外さないでください。
感電の恐れがあります。
インバータ内部には絶対に手を触れないでください。
感電の恐れがあります。
主回路電源を遮断した後、 CHARGE表示灯(状態表示灯)が消灯したのを確認してから保守点検を行ってください。
コンデンサに電圧が残存しているので危険です。
感電の恐れがあります。
濡れた手でオペレータ、スイッチ類を操作しないでください。
感電の恐れがあります。
通電中はインバータの端子に触れないでください。
感電の恐れがあります。
ケーブルは傷つけたり、無理なストレスをかけたり、重いものを載せたり、挟み込んだりしないでください。
感電の恐れがあります。
運転中、モータの回転部には絶対に触れないでください。
けがの恐れがあります。
異常リトライ機能を使用すると、アラーム停止時に突然再始動しますので近寄らないでください。
けがの恐れがあります。
オペレータのストップボタンは機能設定したときのみ有効ですので、緊急停止スイッチは別に用意してください。
けがの恐れがあります。
運転信号を入れたまま電源投入およびアラームリセットを行うと突然始動しますので近寄らないでください。
けがの恐れがあります。
注 意
放熱フィン(ヒートシンク)、制動抵抗器、制動抵抗器ユニットは高温となりますので触れないでください。
やけどの恐れがあります。
通電中や電源遮断後のしばらくの間は、インバータ放熱器、制動抵抗、モータなどは高温になる場合がありますので触れないでください。
やけどの恐れがあります。
保持ブレーキが必要な場合は、別に用意してください。
けがの恐れがあります。
運転中は信号チェックをしないでください。
けが、機器破損の原因となります。
不用意に設定変更しないでください。
けが、機器破損の原因となります。
一次側に電磁接触器(MC)を設けた場合、この MCで頻繁な始動・停止を行わないでください。
機器破損、故障の原因となります。

保守・点検

危 険
通電中は端子に触れないでください。
感電の恐れがあります。
電源遮断後、 CHARGE表示灯(状態表示灯)が消灯することの確認および指定時間経過後、保守・点検を行ってください。
感電の恐れがあります。
指定された人以外は、保守・点検、部品交換をしないでください。
感電、けがの恐れがあります。
分解修理は絶対に行わないでください。
けが、機器破損の原因となります。
注 意
通電中に、配線変更、コネクタおよびオペレータの着脱をしないでください。
けが、故障の原因となります。

●一般的注意

インバータには、半導体素子を使用していますので取り扱いには十分注意してください。
故障の原因となります。

周辺機器適用上の注意事項

配線用遮断器の設置と選定

注 意
電源側にはインバータ一次側の配線保護のため、配線用遮断器(MCCB)を設置してください。
(注)MCCBの選定は、インバータの電源側力率(電源電圧、出力周波数、負荷によって変化)によりますが、
   標準選定は各シリーズ標準仕様を参照してください。特に、完全電磁形のMCCBは、高調波電流によっ
   て動作特性が変化しますので、大きめの容量を選定する必要があります。
   漏電ブレーカは、一般用では感度電流が200mA以上、またはインバータ用を推奨します。
   機器破損の原因となります。

一次側電磁接触器の適用

禁 止
インバータは電源側の電磁接触器(MC)がなくても使用できます。遠方運転の場合に、瞬時停電などで停電
後、復電したときの再始動による事故を防止する目的で一次側MCを設ける場合でも、MCでの頻繁な始動・
停止を行わないでください。
故障の原因となります。

●一般的注意

ディジタルオペレータ運転の場合は、復電後の自動再始動はしませんので、MCでの始動はできません。
なお、一次側MCで停止させることはできますが、インバータ特有の回生制動は動作せず、フリーランス停止となります。
また制動抵抗器ユニットを使用する場合は、制動抵抗器ユニットのサーマルリレーの接点でMCをOFFにするシーケンスを組んでください。

二次側電磁接触器の適用

禁 止
原則として、インバータとモータの間に電磁接触器を設けての運転中にON−OFFしないでください。
故障の原因となります。
強 制
商用電源への切り替えなどのためにMCを設ける場合は、必ずインバータとモータが停止してから切り替え
てください。
故障の原因となります。

サーマルリレーの設置

注 意
モータを過熱事故から保護するため、インバータは電子サーマルによる保護機能をもっていますが、1台の
インバータで複数台のモータを運転する場合や多断モータの場合などは、インバータとモータ間に熱動形
サーマルリレー(THR)を設けてください。
熱動形サーマルリレーの設定は、50Hzではモータ銘板値の1.0倍に、60Hzでは1.1倍にしてください。
火災の恐れがあります。

力率改善(進相コンデンサの廃止)

注 意
力率改善には、インバータの一次側にACリアクトルを挿入してください。インバータ出力側の力率改善用
コンデンサおよびサージキラーは、使用しないでください。
火災、故障の原因となります。
また、コンデンサやサージキラーを入れると、インバータに過電流が流れ、過電流保護が動作することが
あります。
火災の恐れがあります。

電波障害について

●一般的注意

インバータの入出力(主回路)は高調波成分を含んでおり、インバータの近くで使用される通信機器(AMラジオ)に障害を与える
場合があります。このような場合は、ノイズフィルタを取りつけることによって、障害を小さくすることができます。
また、インバータとモータ間および電源側の配線を金属管配線にし、金属管を接地することも有効です。

電線の太さと配線距離

●一般的注意

  • インバータとモータ間の配線距離が長い場合(特に低周波出力時)には、ケーブルの電圧降下により、モータのトルクが低下します。十分太い電線で配線してください。
  • ディジタルオペレータを本体から離して取りつける場合は、必ず専用の接続ケーブル(オプション)を使用してください。
  • アナログ信号による遠方操作の場合は、アナログオペレータまたは操作信号とインバータ間の制御線は30m以下にし、周辺機器からの誘導を受けないよう、強電回路(主回路およびリレーシーケンス回路)と離して配線してください。
    なお、周波数の設定をディジタルオペレータではなく外部の周波数設定器で行う場合は、下図のようにツイストペアシールド線を使用し、シールドは大地アースとせず端子⑳に接続してください。
モータ適用上の注意事項

既設標準モータへの適用

注 意
標準モータをインバータ駆動すると、商用電源駆動に比べ若干発生損失が増加します。
併せて、低速域では冷却効果が悪くなりますので、モータの負荷トルクを低減するかインバータ専用モータをご検討ください。
標準モータの許容負荷特性を下図に示します。
火災、けが、機器破損の原因となります。
入力電圧が高い場合(440V以上)や配線距離が長い場合は、電動機の絶縁耐圧を配慮しなければならないこ
とがあります。詳細については、ご照会ください。
機器破損の原因となります。

●一般的注意

・高速運転

60Hz以上の高速でご使用になる場合は、ダイナミックバランスおよびベアリングの耐久性などで不具合が生じることがありますので、ご照会ください。

・トルク特性

インバータ駆動の場合、商用電源駆動時のトルク特性と異なります。相手機械の負荷トルク特性の確認が必要です。

・振 動

SYSDRIVEは、高キャリア変調方式PWM制御を採用しているため、モータの振動は少なくなっており、ほぼ商用電源駆動と同等です。ただし、次のような場合は、若干大きくなることがあります。

①機械系の固有振動数との共振

特に従来、一定速で運転していた機械を、可変速運転する場合は注意が必要です。モータベース下の防振ゴムの設置や周波数ジャンプ制御が有効です。

②回転体自身の残留アンバランス

60Hz以上に高速化する場合、特に注意が必要です。

・騒 音

ほぼ商用電源駆動と同等ですが、定格回転数以上(60Hz)の運転では風切り音が顕著になります。

特殊モータへの適用

注 意
単相モータは、インバータで可変速運転するのに適していませんので、使用しないでください。
※三相誘導電動機以外の負荷に使用する場合は、当社営業担当者までご相談ください。
  火災、機器破損の原因となります。

●一般的注意

・極数変換モータ

標準モータとは定格電流が異なりますので、モータの最大電流を確認して、インバータを選定してください。極数の切り替えは、必ずモータが停止してから行うようにしてください。

・水中モータ

モータ定格電流が、標準モータに比べて大きくなっていますので、インバータ容量の選定に注意してください。
また、モータとインバータ間の配線距離が長い場合には、モータのトルクが低下しますので、十分太いケーブルで配線してください。

・防爆形モータ

耐圧防爆形モータや安全増防爆形モータを駆動する場合は、モータとインバータを組み合わせた防爆検定が必要です。既設の防爆モータを駆動する場合も同様です。なお、インバータ本体は非防爆構造ですから、安全な場所に設置してください。

・ギヤードモータ

潤滑方式やメーカにより、連続使用回転範囲が異なります。特にオイル潤滑の場合、低速域のみでの連続運転は焼き付きの危険があります。また、60Hzを超える高速での使用は、メーカに相談してください。

・同期モータ

始動電流や定格電流が、標準モータより大きくなっています。インバータ選定時には、ご相談ください。群制御で、多数の同期モータを個々に入り切りする場合は、同期外れを起こすことがありますので、注意してください。

動力伝達機構(減速機・ベルト・チェーンなど)

注 意
動力伝達系統にオイル潤滑方式のギヤボックスや変・減速機などを使用している場合は、低速機のみで連
続運転するとオイル潤滑が悪くなりますので、ご注意ください。また、60Hzを超える高速の運転は、動力
伝達機構の騒音・寿命・遠心力による強度などの問題が生じますので、十分注意してください。
けが、機器破損の原因となります。

最終更新日:2024年04月22日