MOS FETリレーは、金属(Metal)、酸化絶縁膜(Oxide)、半導体(Semiconductor)を順番に重ね合わせたチップを利用した超小型・低電流・長寿命のリレーです。ここではMOS FETリレーの共通の注意事項を説明します。
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MOS FETリレー共通の注意事項 |
配線を行う場合には必ず電源を切ってください。
感電する場合があります。
通電中のSSRの端子部(充電部)には触らないでください。
充電部への接触は感電の原因となります。
●ディレーティング設計について
システムの要求信頼度を達成する上で、ディレーティングへの配慮は必要不可欠なものとなります。
MOS FET リレーを高い信頼度でご使用いただくため、最大定格・推奨動作条件に対しディレーティングへの配慮を行うだけでなく、できれば使用環境条件に応じ実機確認のもと十分余裕度をもって設計ください。
●静電気対策について
製品取扱い時などに静電気が各端子に放電された場合、内部素子の破壊や機能低下の原因となる場合があります。
静電気の発生を可能な限り抑えるとともに、製品周辺に電荷が蓄積されないよう適切な静電気対策を行ってください。
●代表的なMOS FETリレーの駆動回路例
MOS FETリレーは入力側LEDに電流を流すことにより駆動します。電圧印加により駆動させる場合には、規定の電流が流れるように回路に直列に抵抗を入れることが必要です。
この抵抗をLED電流制限抵抗といいます。
C-MOSの場合
トランジスタの場合
※ IF(ON)の値については、各形式ごとにカタログ記載のトリガLED順電流・推奨動作条件動作LED順電流をご参照のうえ、余裕をもって高い値をご設定ください。
VF(OFF)=VCC-IF(OFF)R1-VOH
※ IF(OFF)の値については、各形式ごとにカタログ記載の復帰LED順電流よりも余裕をもって低い値をご設定ください。
●入力側のサージ電圧に対する保護
入力端子に逆方向のサージ電圧が加わる場合、入力端子と逆並列にダイオードを挿入し、3V以上の逆方向電圧を印加しないでください。
入力側のサージ電圧保護回路例
※ 電圧駆動タイプ品については入力側に電流制限抵抗を内蔵しており、外部抵抗は不要です。
●出力側の過電圧に対する保護回路
出力端子間に絶対最大定格を超える過電圧が発生する誘導負荷などの場合は、保護回路を接続して過電圧を制限してください。
出力側の過電圧保護回路例
●未使用端子について
各MOS EFTリレーの未使用端子は、内部回路に使用しておりますので、外部回路を接続しないでください。
●自動実装時のツメの保持力について
自動実装時のツメの保持力は、MOS FETリレーの特性を保つため、下記の圧力以下に設定してください。
●負荷接続方法について
MOS FETリレーの動作中に入出力端子間を短絡させますと故障の原因となりますので短絡させないでください。
正しい接続例
AC/DC接続(A接続)
DCシングル接続(B接続)
DCパラレル接続(C接続)
●推定寿命について
各MOS FETリレーと使用しているLEDの対応表については、下表を参照ください。また、推定寿命データについては、下記をご参照ください。
対応表に掲載されていない形式は、個別にお問い合わせください。
なお、この結果は単一ロットの長期データからの推定であり、"参考データ" としてお取扱いください。
GaAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表
InGaAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表
GaAlAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表
GaAs LED 推定経時変化データ
GaAs LED 推定寿命データ
上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。
F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。
F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。
推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。
「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。
光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。
InGaAs LED 推定経時変化データ
InGaAs LED 推定寿命データ
上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。
F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。
F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。
推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。
「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。
光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。
GaAlAs LED 推定経時変化データ
GaAlAs LED 推定寿命データ
上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。
F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。
F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。
推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。
「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。
光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。
●フラックス洗浄
●はんだ付け実装
はんだ付け実装は下記推奨条件内で行い、できるだけ本体の温度上昇を防いでください。
〈フローはんだ〉
プリント基板用端子形
(フロー槽の設定温度)
注. ご使用においては、お客様の実使用条件でのご確認を推奨します。
サーフェス・マウント端子形
サーフェス・マウント端子形のフローはんだ実装をご検討の場合はお問い合わせください。
〈リフローはんだ〉
サーフェス・マウント端子形
(パッケージの表面温度)
(鉛フリーはんだ) SnAgCu 推奨プロファイル
注1. ご使用においては、お客様の実使用条件でのご確認を推奨します。
注2. SSOP、USOP、VSON、S-VSON(L)、WSON品は、(TR)付きでご注文の際にはテーピング包装仕様で防湿パックに入れて納品しますが、(TR)なしの際にはテーピングカット品を無防湿梱包で納入します。テーピングカット品を実装の際は手付けはんだを行ってください。テーピングカット品は無防湿梱包のため吸湿した状態になっていますので、リフローはんだを行いますと、熱ストレスによりパッケージ割れなどの不具合が発生する恐れがあります。
〈手付けはんだ〉※1回のみ
350℃ 3秒以内 もしくは 260℃ 10秒以内
※P-SON、VSON、S-VSON(L)、WSONシリーズ品の手はんだ条件は、260℃ 10秒以内です。
●保管条件
●使用条件
〈温度〉
MOS FET リレーの各電気的特性は使用温度によって制限されています。
動作範囲外の温度で使用されますと、電気的特性が実現されないばかりでなく、MOS FETリレーの劣化を早めます。この為、あらかじめ温度特性を把握して*ディレーティングを考慮した設計を行ってください。(*ディレーティング:ストレスの低減)
なお、使用温度条件は、ディレーティングを考慮し推奨動作温度を一つの目安としてください。
〈湿度〉
高湿度環境での長期使用は、内部への水分侵入により内部チップの劣化や故障を引き起こす場合があります。高い信号源インピーダンスを持つシステムでは、これら基板リークやMOS FET リレーのリード間リークが誤動作の原因になります。このような場合には、MOS FETリレー表面の防湿処理を検討してください。
一方、低湿度では静電気の放電による損傷が問題になりますので、特に防湿処理をしない限り相対湿度40~60%の湿度範囲でご使用ください。
〈廃棄〉
製品にはヒ素系化合物含有のLEDが使われています。
その粉末や蒸気等は人体に対し有害ですので、破壊、切断、粉砕や化学的な分解はしないでください。
●MSL3品の取り扱い上の留意点
表面実装部品は吸湿した状態で実装時に熱ストレスを受けますと、パッケージ割れが発生する可能性がありますので、以下の条件でご使用ください。
●スティック梱包について
〈スティック形状および寸法〉
●テーピング包装について
〈テープ形状および寸法〉
〈リール形状および寸法〉
〈テーピング方向〉
キャリアテープ凹み角穴内の製品の向きは、下記のとおりです。
(1)SOP4 ピンタイプ
(2)SOP6/8、DIP4/6/8 ピンタイプ
(3)SSOP4、USOP4、P-SON4、VSON4、S-VSON(L)4、WSON4ピンタイプ
〈1 リ一ル当たりの詰め数〉